2016年6月21日火曜日

報告、韓国でのPFL(Peace for Life)研修会に参加して   ー木村公一

韓国でのPFL(Peace for Life)に参加された木村さんの報告書をご本人の承諾を得て、私のブログで公開させていただきます。国境の壁なんてものは、大資本はとっくに超えて権力の庇護のもので好き放題する時代になっているのですが、どうも運動は逆に国境の壁を超えることはできず、一国平和主義に終わっているのではないかという思いをしてきました。今回のPeace for Lifeの会議に参加して、世界への情報発信、行動提起は日本と韓国が一緒になってやっていけるのではないかと思うようになりました。木村さんの報告の中にも触れていいらっしゃいますが、8月4~8日の韓国訪問はいい機会になるのではないかと期待しています。  崔 勝久


報告(木村公一)
第三回2016 Global Workshop on Peace for Life Together
(共生の平和に関するグルーバル研修会)に参加して


1. はじめに
Global Workshop on Peace for Life Together(以降「研修会」と呼ぶ)は613日と14日の二日間、チリサン国立公園の中にある金容福(キム・ヨンボク)氏の自宅に併設されている研修室で30名の参加者(韓国、ザンビア、フィリピン、カナダ、日本から)をもって行われた。この研修会が三年前フィリピンで行われたとき、当時の「原発メーカー訴訟の会」は、崔勝久(チェ・スング)さんを派遣した。そのときにできた友好関係が、三年後の今日見事に役立てられているのを見る。

2.韓国民主化運動の発祥の地 = 全州
 会場の地となったチリサンは全州に位置するが、全州は朴=全独裁政権に対する革命的な民主化運動の発祥の地であり、金大中(キム・デジュン)氏の出身地でもある。民主化運動のデモが行われた時に、一般家庭の主婦たちは学生・労働者の食事にと、米、野菜、肉などを料理して持ち寄った。それを混ぜ合わせてビビンパができた。韓国ではそれ以来ビビンパは街頭デモの食料となったという。

3.基本的な歴史認識および戦略の共有
この研修会では主に、原発・核兵器の廃棄に向けた国際的な運動をいかにつくる出すことができるかをめぐって議論が交わされた。その結果、下記の五つの基本的な認識と戦略を共有できた。
     原発は核兵器の製造プラントの中心部分であり、両者は双子の関係にある。原発保有国は、原発の電源が破壊されれば、核汚染によって破壊されるがゆえに、「抑止力」としての核兵器を開発・配備する意味をも破壊した。
     原発はエネルギーの基本条件である「クリーン」「持続可能性」「経済効率性」の三つの条件をいずれも満たし得ないことが明白になっており、将来を全く展望しえないエネルギー生産システムである。
     研究・建造・事故補償のリスクはすべて人々の税金と電気料金で賄い、立地地域の過疎地の住民を被ばく差別することで、莫大な利潤を吸い上げることができるグルーバル・システムを築き上げている。
     多国籍資本のシンジケートと手を組む東芝+ウェイスティングハウス、日立+GE、三菱+アレバ、韓国国営原発産業が生産する製品をボイコットする国際的な運動を展開する。
     来る85日から8日のソウル、パプチョン、テグにおける発題と討論会、および、被曝者大会に向けて、韓国側の責任者は金容福氏とし、日本側の責任者と連絡を交わしながら準備すること、が決議された。
 
4. 崔勝久さんの発題は以下の通りである。
1)原発は過酷事故の危険性とともに、通常運転のおいても地域住民と環境に危害を加えている。
      古里原発で勝利したイ・ジンソプさんのケース。
      しかし韓国の教会と社会はイさんの反原発闘争に関心をもち支援することができていない。
2)日本の原発製造は違憲
      原子力基本法の改正で原発は「安全保障に資する」とされ、「戦力」とみなされている。原発輸出は「武器輸出」である。
      安全神話は崩壊し、原発体制は差別の上で成り立っていることが可視化されてきた。
      反原発運動はPeace Makingとして受け止められるべきである。
3)東芝は今年の春に15年間で64基の原発の製造・輸出計画を発表する
      原発体制と闘うためには国際連帯運動の構築が不可欠である。
      東芝を原子力村の象徴としてとらえ、国際的なBDS(不買運動、投資引き上げ、制裁)を展開することを提案する。
  4)8月5日に大邱でアメリカ政府の原発投下(及び日本の植民地支配)の責任を問う提訴を支援し国際的な運動にしていきたい

. 木村の発題のテーマは「原発および核兵器の廃絶に向けた福岡宣言」
201292日の「原発および核兵器の廃絶に向けた福岡宣言」を題材にして、参加者たちからの意見を頂いた。ある参加者からは、運動の方向性と目的を定めるためには、このような宣言が韓国でも必要だ、とコメントを伝えてくれた。
宣言の署名者
小出裕章(京都大学原子炉実験所)   石村善治(福岡大学名誉教授)
S. プフルークバイル(放射線学者)    仲悦子(緑と環境プロジェクト)
今中哲二(京都大学原子炉実験所)   岡本茂樹(医師)
ジェフリー・パターソン医師、     北村喜久雄(医師)
デルテ・ジーデントップフ医師     福澤利子(玄海原発裁判の会原告)
                   野上勇次(緑の環境プロジェクト)
原 豊典(環境問題市民運動家)
それにしても、福岡側でこの「宣言」が一般に知られていないことに、わたしは気の引ける思いをした。

6.三回の革命の歴史を担う民衆の歴史観
 朴=全独裁政権下で投獄された学生たちの多くが、その後神学校に入学し牧師として活躍している。今回のセミナーにはその一部の人々が参加した。彼らは独裁政権を打倒し革命を担った百戦錬磨の闘士であり、歴史は運命ではなく変えることができる過程であるという信念の持ち主たちである。独立後70年間に三回の革命を起こした経験をもった民衆は、たくさんの革命歌(闘いの歌)を作った。食事の後、ひとりがギターを奏でながら革命歌を歌いはじめると、多くの人々が合唱に加わり、大地に響く音声がわたしの魂を揺さぶった。Ω

 
. 木村の発題のテーマは「原発および核兵器の廃絶に向けた福岡宣言」

201292日の「原発および核兵器の廃絶に向けた福岡宣言」を題材にして、参加者たちからの意見を頂いた。ある参加者からは、運動の方向性と目的を定めるためには、このような宣言が韓国でも必要だ、とコメントを伝えてくれた。



宣言の署名者
* 小出裕章(京都大学原子炉実験所)   石村善治(福岡大学名誉教授)
S. プフルークバイル(放射線学者)    仲悦子(緑と環境プロジェクト)
* 今中哲二(京都大学原子炉実験所)   岡本茂樹(医師)
* ジェフリー・パターソン医師、     北村喜久雄(医師)
* デルテ・ジーデントップフ医師     福澤利子(玄海原発裁判の会原告)
                   野上勇次(緑の環境プロジェクト)
原 豊典(環境問題市民運動家)
それにしても、福岡側でこの「宣言」が一般に知られていないことに、わたしは気の引ける思いをした。






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