2017年5月22日月曜日

吾郷メモ:韓国の市民キャンドル革命の意義と日本の市民運動の展望に向けて

韓国は市民キャンドル革命によって前大統領を罷免し新たな大統領を誕生させました。そして市民の意向がどのように既成政治に影響を与えながら社会変革に向かうのかの壮大な、歴史的なこころみをはじめています。日本の市民運動は韓国の市民運動に注目し、そこから学ぶべきことを学び、そして連帯して行かなければならないのではないでしょうか。このような考えから3月に東京で5回の韓国市民キャンドル革命から学ぶ連続講座を開催し、今回、その時の講師の金民雄教授をお呼びし、講演会を福岡、大阪、新潟で開催いたします。

金民雄教授(牧師)講演会
5月26日(金)福岡、伝道集会 午後6時 於日本キリスト教会 福岡城南教会
5月27日(土) 福岡、市民集会 午後2時 於西南学院大学(松緑館)
5月28日(日)大阪、市民集会 午後3時 於大阪南YMCA

5月29日月) 新潟、 市民集会 午後6時半 於クロスパル新潟4F

第一回目の講演会は福岡で開催され、日韓反核平和連帯の吾郷さんから、金民雄教授を迎え、韓国の市民キャンドル革命の意味(意義)とそれが日本と東アジアに与える影響及び、日本での闘いの展望を見通すための吾郷健二さんのメモが公表されました。多くの仲間と共有化して金民雄教授をお迎えしたいと思います。


   吾郷メモ(韓国キャンドル市民革命 金民雄教授講演会)(2017・5・27)
                      講演会の意義(主催者あるいは吾郷の見解)

キャンドル市民革命の意味(意義)を考え、そこから教訓を学び、今後の日本と東アジアにおける我々の戦いの展望を見通すために。大きく二つの問題(ないし問題群)がある。

1 キャンドル市民革命の形態(形式)に関わる問題群
1—1 なぜ、あのように巨大な市民運動が生まれ、成功したのか? その諸要因は?
同じような状況にある日本との巨大な落差がここにいる日本人全ての大きな関心であり、韓国の運動から我々は何を学ぶべきなのだろうか? (東学農民革命以来の100年以上に及ぶ韓国民衆の命をかけた必死の戦いの歴史に比べた時、自らが帝国主義列強にのし上がろうとする日本近代の帝国臣民のナショナリスティックで傲慢な自己意識との歴史的違いはあまりに大きすぎるにしても。)
日本における<市民革命>の展望を我々はどう打ちたてることができるのだろうか?

1—2 キャンドル市民革命の最大の意義(意味)は、21世紀の高度に発達した複雑な産業社会において、<主権者たる市民>が直接にその意思を表明した、<直接民主主義>の巨大な発現(しかも成功した発現)であったということ。
 (「公的領域を私有化する政治がついに打ち破られた」(金民雄)のだ。「公的領域を私有化する政治」は私見によれば、新自由主義の政治・経済の最大の特徴であり、「99%を支配する1%の専制と富裕」の政治なのである。)
 11 ただし、この直接民主主義は、既存の<間接民主主義>(代議制民主主義)の諸制度を利用することによって、平和的に勝利した。すなわち、直接の市民の要求に応じた大統領の辞任という形を取らずに、議会での弾劾決議と憲法裁判所での弾劾裁決という制度的形態をとった。(ここに今後の根本的課題=直接民主主義はいかにして間接民主主義と連結しうるのか、その制度的構造は如何?がすでに予知されているのかもしれないが。)
 
3 この巨大な市民運動の運動形態は、私見では、基本的にガンジー思想にのっとったものと言える。すなわち、「非暴力、不服従、直接行動」という民衆(市民)の巨大な抵抗運動の形態をとった。何十万、何百万という<主権者たる市民(民衆)>が毎週末、街頭に姿を現し、それが半年以上も続き、しかも、一切の暴力も伴わず、弾圧も許さず、政府権力に抗議し、大統領の辞任を要求した。それは、1987年6月抗争の時をも上回る戦後の韓国史上最大の規模であった。
 国家権力からの弾圧を許さなかったのみならず、運動体外部(右翼反動)からの挑発をも許さず、それにとどまらず、運動内部においてさえも、分裂や諍いなどの(いわゆる内ゲバ的なセクト的な)暴力的対立をも一切生み出さなかったこと、すなわち「非暴力」の完全な勝利をもたらしたことは特筆される(運動の末期において、朴槿恵支持派が現れ、彼らの暴力的行為は見られたが)。
 
4 その結果、運動の中心舞台となった光化門広場は、この時期、一種の祝祭空間的な解放区となった。
 運動の担い手が従来の枠(学生、知識人、ホワイトカラー層、労働者、農民など)を超えて、老若男女ありとあらゆる世代、階層、職業などを超えて、広範なものとなったため(子供や赤ちゃんをも含む家族連れが多かったと言われる)、集会やデモの形態も、多様を極めた。
 単なる演説やシュプレヒコールを超えて、音楽や演劇やその他様々なアートを包摂した民衆の社交的交流と社会的政治的討論のための祝祭空間的な広場となった。それを可能とし、それを支えた巨大な社会的基盤が注目される。
 キャンドル市民革命は、この意味で、2011年のオキュパイ運動が作り出した「都市の公共広場の民衆の手への奪還:祝祭空間的な一時的解放」の新しい段階を画すると考える。
 
2 キャンドル市民革命の内実(理念)に関わる問題群
1 それはどのような理念的内実を内包していたのか?
 運動の初期の大統領個人への批判から、時間の経過とともに、これまでの韓国社会のあり方の全てを問い直す類の質的レベルの、全面的な「問い直し」運動へと発展。多様な民衆の様々な要求:
 21 初期:大統領による不正行為の糾弾
(1) 国政に1私人が介入し、不正な行為を行なった
(2)      企業への不正な圧力(私的財団への出資など)
(3)      国家資金(税金)が大統領とその一派の利益のために使用された
(4)      収賄
1 強権的政治運営に示される大統領の資質
 −  その他、セウォル号事件に対する大統領の無責任など。
−2 後期:韓国の経済社会の現状(既存のあらゆる制度や構造や慣行など)に対する全面的な批判
 (1) 経済格差と失業、過酷な労働環境
 (2) 財閥支配と一部少数支配層の特権
 (3) その他韓国社会が抱えるありとあらゆる諸問題が論議された。
 そのような展開の背後(根底)にあるのは、民主主義の一層の徹底と社会的経済的正義を求める民衆の欲求。
 それは、民主化闘争と90年代以来の社会改革を求める市民運動の展開の必然的発展的帰結・継承。
 
3 結論:キャンドル市民革命の意義
 以上の二つの問題を合わせてみると、結論として、韓国の巨大な市民運動=キャンドル市民革命の意義とは、「市民革命の主体として新しい市民が誕生したこと」(金民雄)だということ。それをいかに継承、発展させていくのかということが今後の困難な課題となる。
(今後も、韓国の市民運動は、様々な問題を抱えた韓国のより良い社会への変革のための粘り強い強力な運動を展開するであろうが、この市民革命をいかに継続・発展させることができるのか? それはどのような戦略と実践に基づいてなのか? )
 これに引き換え、根本的には同じような状況と問題を抱えながら、日本の我々の運動は大きく立ち遅れていると思われるが、我々はどのような展望を打ち立てられるのだろうか?

 韓国の動向(特にキャンドル市民革命=巨大な市民運動の動向)は、新大統領の政策方向とともに、東アジア全体(とりわけ、日本の市民運動)に大きなインパックトを与えると思う。

2017年5月17日水曜日

日印原子力協定の承認の意味すること

日本政府は、「核実験をすれば協定を停止する」という協力停止条項をベトナムやインド とは結びながら、インドとの原子力協定では、協定本文に明記しませんでした。これは、インドの原子力市場のビジネスチャンスを優先した、ダブルスタンダードです。
また、中国のアジアでの勢力拡大の反対するのにインドを牽引役と位置付けたということを朝日新聞は指摘しています。

日本政府の方針と外相の言い訳
日本政府はあくまでも原子力技術の維持を図るためには「原子炉を作らなければ意味はない」ととらえており、どういうことがあっても原発メーカーの後押しをし、原発輸出を更に更にようとしています。
野党は、「NOTの信頼性を傷つける」と批判しますが、岸田外相は「インドを国際的な不拡散体制の外側においたままにするより、何らかの不拡散の枠組みに取り込んでいく努力は必要」、また「交渉開始以来、インドが核実験を行えば協力を停止する方針で臨んできた。全体として我が国がめざすものは勝ち取れた。」と逃げています。

NPT体制の問題点
しかし政府野党間での論争で欠けている最大の問題点は、肝心のNPT体制の問題を論じていないことです。NPTは5カ国の大国だけが核兵器を持つことを前提にし、それ以外の国には核兵器を持たせないことを制度化したもので、その矛盾をただすべくNPOや核を持たない国からの批判はあるのですが、核を持つ国が核兵器を廃棄するという方向には進んでいません(トランプ米大統領はさらに核兵器を強化すると公言しています。核の廃絶を唱えたオバマ前大統領もまた、核兵器の小型化のために膨大な予算措置をしました)。何よりも、NPT体制は核兵器の拡散を問題しながら、原発の輸出を大前提にしている点にこそ、最大の問題があると私は考えています。

東芝の問題点
アメリカのWH(ウェすチングハウス)社は破産しましたが、親会社の東芝は原発輸出を止めるとは公言していません。原発の建設は、原子炉を含め重要な機材を輸出できれば、建屋をつくるなどの土木作業は下請けにさせるというやり方で東芝はいくらでもWH社が契約した原発建設の契約を活用する道はあるのです。東芝がアメリカの原発建設をしないと言ってきたことは、原発輸出をしないということではなく、WHに関連する負債の拡大を防止するためでした。私たちが求めるのは、東芝が原発輸出をしない、原発事業から撤退すると宣言することです。そうでない以上、私たちが提案してきた、東芝への国際的なBDS運動は不可欠です。私たち日韓/韓日反核平和連帯はBDS運動を進める運動を展開します。

原発に固執する政府の本音
私見では、瀕死の東芝を救おうとする銀行団の動きもそうですが、その大本は日本政府があくまでも原発輸出に固執していることです。政府が「苦境に立津原発メーカーを後押しする」のは、単なるビジネスチャンスを活かすということでなく、そこには原子力兵器(原爆)の生産をいつでも可能にする体制を維持・強化することが国益に叶うという安全保障政策を持ち続けているからと思われます。

これは戦後の復興から経済発展を成し遂げた日本の有り様を決定するもので、国益に叶うということが、憲法改正の動きと連動しているのではないでしょうか。日本の右傾化、歴史修正主義的な認識、政府間の日本軍慰安婦問題の合意の見直しへの反発、北朝鮮敵視政策(対話を進め、植民地支配の清算として国交樹立を求め、拉致問題などの懸案事項をその方向で解決せず、抑圧を強化する)、ヘイトスピーチ問題などは、すべて連動するものだと私は考えています。





2017年5月12日金曜日

韓国の文在寅新大統領誕生の背景と、真の課題についてー私の所感

日本のマスコミと市民の間で韓国の実態、課題について無理解が見られるので、私見を提示します。2)で触れましたが、文在寅新大統領の就任3日目にして出された、矢継ぎばやの指示は大きな反応を呼んでいます。

これは内容においても米国大統領トランプと比較できない違いを感じます。日本では、アメリカは直制民主主義で、絶対的な権力を持つ大統領を国民が直接選ぶことができると思っている人が多いようです。それは間違いですが、そのような意見が出る背景は、日本は民主主義国家だと自負しながら、代議員制民主主義が形骸化し、どうにもならない、だから野党連合で政権交代をしなければならないと考えているからだと思われます。

ほうとうにそうでしょうか、そのことを考えるために、韓国文在寅新大統領の誕生の背景と今後の課題を提示してみます。

1)市民キャンドル集会はその規模、期間、内容からして、韓国社会の根底から変革を求める革命のはじまり。
2)新大統領は市民キャンドル革命によって誕生。期待できる面が多い。
3)大統領は在職期間が5年で、再選は禁じられており、過度な期待はできない。
4)大統領制であれ、代議員制であれ限界をもち(日米の実態)、市民運動が既成政治を動かした事実を直視する必要がある(台湾のひまわり革命、韓国のキャンドル革命)
5)民主主義の歴史、市民運動・革命の成功と挫折を深く探求し、市民運動が既成政治制度に直接影響を与えるシステムの構築が不可避。
6)新大統領誕生で問われる最大の問題は文在寅ではなく、市民キャンドル革命をはじめた市民運動側にある。
7)文在寅体制と市民運動側で、市民・国民の意志が直接政治に反映できる明確な制度化が急務。

文在寅新大統領が就任後出した指示の一部を紹介
1)検察改革、総長の辞意で加速化…検察内部に動揺走る(5月12日) 検察出身ではなく改革指向の教授が大統領府民政首席に任命され、同時にキム・スナム検察総長が辞意を表すと、検察は「来るべきものが来た」と動揺した。就任二日めで検察改革の議論が急激に進展し、法曹界も神経を尖らせている。 2)文大統領、「国政壟断・セウォル号隠蔽」の真相調査を指示(5月12日)  文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「チョン・ユンフェ文書事件」の真実を朴槿恵(パク・クネ)政権当時の大統領府民政首席室と検察がどのように隠蔽したかについて真相を調査するよう、チョ・グク民政情首席秘書官に指示した。また、2016年9月、朴槿恵政権のあらゆる妨害の末にセウォル号特別調査委員会(特調委)活動が強制終了された経緯も調査するよう指示した。  トランプ大統領がTHAAD費用を請求したことをきっかけに、韓米同盟を再調整すべきと言われている。  「文在寅の外交・安保ブレーン」と呼ばれるキム・ギジョン教授のインタビュー  「ワシントンが同盟の変化に向けた要求をするものと見られる。再調整すべきだ。再調整せず、米国の言いなりになるのは、同盟を口実にした一方向の国家関係だ」 3)国際人権団体「文大統領、ペク・ナムギ氏死亡事件の捜査を」(5月12日) 国際人権団体が文在寅(ムン・ジェイン)大統領に農業者のペク・ナムギ氏死亡事件に対する捜査を求めた。 4)韓国最高裁「原発誘致の賛否を問う住民投票は正当」(5月11日)  地方自治団体の長が原子力発電所の誘致賛否を尋ねる住民投票をしたことは正当だという最高裁の判断が下された。  選管委などが三陟原発誘致住民投票を禁止すると 市民団体主導し住民投票を実施…84.9%が反対  検察、1年の捜査の末に職権乱用容疑で起訴したが「投票による意見集約は住民意思の確認手段」無罪宣告 ★★日本の時事通信発(5月12日 国定歴史教科書の廃止指示=保守政権から転換強調-韓国大統領 【ソウル時事】韓国の文在寅大統領は12日、朴槿恵前政権が導入した国定の歴史教科書の廃止を指示した。大統領府が発表した。大統領府高官は国定教科書について「前時代的で画一的な歴史教育、国民を分裂させる教育の象徴」と批判した。  文大統領は10日の就任からわずか3日目に国定教科書の廃止方針を表明することで、保守政権が進めた政策からの転換を「迅速かつ強力に進めていく」(大統領府高官)姿勢を強調した形だ。  韓国では、民間出版社が編集した中学・高校用歴史教科書の検定制度が実施されているが、朴前政権は「左派的傾向が強く、バランスを欠いている」「検定では修正に限界がある」として、国定一本化を推進した。(2017/05/12-17:10)

私の家族史から、在日を日本の戦後史の中で捉える試み(「在日」の世界ー力道山と親父)

「崔先生の生命社会伝記(Biography)は、東北アジアの民族たちの深淵に流れる話として人生の喜怒哀楽を新しい次元において預示していますね。感動しました。オモニ(母親)、その存在はまことに重要ですから」(ブログへの投稿から)。http://oklos-che.blogspot.jp/2017/05/90.html

「90歳のママに乾杯!」をお読みなった金容福博士のお言葉、ありがたく読ませていただきました。
私は母親に関する最初に書いたエッセイのなかに簡単に父親のことを書き加えました。私の両親はまさに日本の敗戦の直後に私を生み、日本の敗戦からの立ち上がりの真っ只中で私を育ててくれました。その生き様は、日本社会に差別・抑圧があったのは歴史的な事実ですが、その犠牲者であるだけでなく、そのなかで、生きるために全力を尽くした民衆の姿であったのです。
私の父母はジョン・ダウワーの『敗北を抱きしめて』に書かれている、まさにその時代を生きてきました。在日は闇市やヤクザ社会と結び付けられ否定的なイメージで語られることが多くなりましたが、それは敗戦の中から立ち上がり始めた民衆の胎動、エネルギーの発露と見るべきでしょう。紅白歌合戦を彩った歌手、プロ野球選手、そして相撲界から抜け出しプロレス選手として日本社会の英雄になった力道山という在日は、彼らの個人的な能力もさることながら、敗戦の貧しさの中から生きはじめた民衆が待望したものであり、そのようなヒーロー、ヒロインを大衆社会が求めたのです。父は北朝鮮出身の同郷として力道山と「義理兄弟」の関係でした。

  「力道山の世界」から思うこと。

    http://oklos-che.blogspot.jp/2011/02/blog-post_24.html 
父がはじめたレストラン、カレーライス専門店も占領軍との関係があったでしょうし、占領から独立した日本が「復興」から高度成長に向かう中で、父は数々のビジネスを立ち上げのしあがりました。しかし独立した日本の官僚化、専門化による社会の壁によって父は葬り去られていきました。私の家族の崩壊はそのような在日の歴史の一例です。父の成功と敗北は、ボクシングジム・オーナーとしての栄光と挫折として現れます。
(城島充『拳の漂流ー拳の漂流 「神様」と呼ばれた男ベビー・ゴステロの生涯』講談社、このフィリピンの天才ボクサーと白井義雄をアメリカに連れて行ったのは父でした)
日本社会の中で本名使用などはおぼつかず、植民地主義の継続の中で(しかし経済的には豊かになる日本社会の中で)在日は生きてきました。自分の本名も朝鮮の歴史も知らず、高度成長を願う社会の流れの中で私は育ち、大学生になったとき、在日であることを隠して生きてきた私は在日韓国教会の中に受け入れられ、在日とは何か、自分はどのように生きればいいのか考えはじめました。そこから植民地主義の残滓ともいうべき日本社会の差別と闘うようになりました。そうです、そこから日立闘争、地域活動、国籍条項(当然の法理)を提起・行動し、そして3・11を目撃して、私は原発体制を植民地主義と捉え、国際連帯運動の構築に全力をあげるようになってきたのです。
金博士、私のこのような個人的な経歴と思想の変遷が、私個人のものでなく、日本社会全体、そして東北アジアや全世界に向けた普遍性あるものであると気づかせてくださいました。金博士の短いコメントに触発されて書いてみました。これからもよろしくご指導ください。一緒になって闘いの戦列に参加させていただきたいと願います。

2017年5月11日木曜日

アフリカの原子力フォーラムで確認 アフリカの原発展望

私たちにはアフリカで原発建設する計画が具体化しているという情報はなく、たまたま韓国の仲間から、KOTRA(韓国貿易投資振興公社:Korea Trade and Investment Promotion Agency)海外ニュースの情報を得ましたので、公開します。南アフリカで3月末に開かれたNuclear Africa 2017には国際機関の関係者が200名ほど参加したそうです。毎年開催されているようです。
原発メーカーとしてロシア、フランス、中国の名前があがっていますが、日本の名はありませんでした。しかし間違いなく日本も参加しているものと思われます。

各国は熾烈な売り込みをしているようですが、インフラが整備されていないアフリカでの原発売り込みは、当然、イギリスがそうであったように原発立地周辺地域のインフラ整備まで含めた大規模なものにならざるをえないでしょう。


20169月に韓国電力(KEPCO)は、ケニア、原子力委員会と原子力協力MOUを締結したそうです。南アフリカは過去に原発の持っていた経験があり、各国が1番関心があるようで、今年の4月末までに入札の申請をしたようです。しかしつい最近、南アの高裁はNuclear Deal(核を扱うビジネスということで原発、核兵器まで含まれると思われます)を違法、違憲とする判決を出しました。ロシアとの南ア政府との秘密契約が既に締結されていたようで、今後どのような展開になるか注目し、私たちは原発の建設に反対する仲間を支援します。日韓と南アの国際連帯運動を具体化したいものです。

                            崔 勝久

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       アフリカの原子力フォーラムで確認 アフリカの原発展望
     - 南アフリカ共和国電力公社(Eskom)の新規原発入札に韓国電力参加 -
               KOTRA 海外ニュース(2017-04-17)より

Nuclear Africa 2017フォーラムの概要

  当去る329日から31日までの3日間、南アフリカセンチュリーアン地域で開催されたNuclear Africa 2017は、アフリカ代表原子力エネルギーフォーラムで、毎年、南アフリカ共和国で開催されている。
     - 南アフリカ政府・原子力機関、サプライヤ(韓国KEPCO、ロシアのRosatom、フランスAreva、中国でSNPTCなど)と国際機関の関係者など約200人が参加する。
 
                     資料出典:KOTRAヨハネスブルグ貿易館
  
南アフリカ原発プロジェクト推進計画

  当南アフリカ電力公社(Eskom)は、2030年までに9600㎿規模の新規原発を南アフリカDuynefontein地域に建設することを希望しており、201612月の新規原発導入のためのRFIRequest for Information、事前要請書)を製造者に発行、20174月末までに事前の要請を募集する予定

韓国電力が見る、アフリカ・南アフリカ原子力発電市場の見通し

  Nuclear Africa 2017には、我が国の韓国電力(KEPCO)が参加し、韓電は201411月、南アフリカ共和国エネルギー省の主催で開かれた新規原発プロバイダ(Vendor Parade)ワークショップに参加するなど、南アフリカの新規原発事業参入に大きな関心を見られる。
     - 201612月南アフリカ電力公社は、韓国電力に新規原発導入のための事前要請を発行、韓国電力公社は、20174月末、事前要請を提出する予定であり、2017年の下半期RFPRequest for Proposal、提案要請書)を提出する予定である。
    2018年の事業者選定と契約が行われる予定

  当韓国電力南アフリカ支社インタビュー(QA
     - Q:韓国電力がNuclear Africa 2017のフォーラムに参加した最大の理由は何なのか?
      A南アフリカ新規原発事業の入札に参加する予定、韓国原発推進、アフリカの主要メーカーとのネットワークのために参加する。

     - Q:韓国電力が見る、アフリカ、南アフリカ共和国の原子力発電市場の見通しはどうか?
      A:南アフリカはケープタウンKoeberg地域に原子力発電所の運営経験があるので、他の国に比べて発展する可能性が高い方。しかし、他のアフリカ諸国は、人材、技術、インフラが非常に悪い状態であるため、原子力発電が正常に行われるまでには相当の時間がかかると考えられる。

     - Q:韓電が南アフリカ電力公社と協力して発電所を設立することと、国内企業にはどのような機会があるか?
      A:韓国は南アフリカに発電所を設立することになれば韓国電力と韓国電力の子会社、国内の代表建設会社だけでなく、中小企業も協力会社として原発開発プロジェクトに参加しては可能になるので、中小企業は、南アフリカ共和国の原子力発電所の開発状況に注目し見なければならないと考えられる。
  
                    資料出典:KOTRAヨハネスブルグ貿易館
  
Nuclear Africaが明らかにしたアフリカの原発市場の機会

  当機会要因
     - African Business調査によると、アフリカ大陸から約6億人の人口が激しい電力不足に悩まされており、これにより、多くの国がエネルギーの開発に大きな関心を注いでいる状態である
     - 環境にやさしいエネルギー:原子力エネルギーは、環境に配慮し、エネルギーに温室効果ガスを排出せず、大規模なエネルギー需要の増加に対応することができている。
     - 燃料供給の安定性と備蓄効果:原発の原料であるウランは、アフリカ諸国(南アフリカ、ナミビア、ニジェール)など均等に埋蔵されており、世界のエネルギー情勢に比較的大きく影響を受けない。また、ウランは、エネルギー密度が高く、少量の燃料で莫大なエネルギー供給が可能であり、輸送と保管が便利な方。
     - 経済的エネルギー:原子力エネルギーは他のエネルギー発電方式に比べて建設費が高い方が、燃料であるウランは、石油や天然ガスと比較して格段に安いので、長期的には非常に経済的なエネルギーである。

  当リスク要因
     - アフリカ大陸には、原発開発を必要とする国は、多いが、全体的劣悪な経済環境、不安定な政府の政策、電力グリッド網不足(効率的な原子力エネルギーの使用のためにはしっかりとした国の電力網が必須的に要求されているが、アフリカ諸国の電力網のアクセスは50 %に不可、20%を超えない国も多数あり)などの困難がある。
     - 原子力発電所は、長期的に見たとき、経済的なエネルギーに分類されることがあるが、建設期間が長く、初期投入コストが非常に高く、財政困難を経験しているアフリカ諸国に適していない可能性がある意見が提示さ。
     - 原発のダム建設のために水の量を変化させ、生態系が断絶されているなどの環境的要因も大きな問題点として挙げられている。

示唆
 当複数の懸念にもかかわらず、アフリカ諸国は、急増する電力需要を満たすために、原子力発電に持続的な関心を見せている。
      - 産業の発展のために長期的なエネルギー需要が増加することを備え、南アフリカは原発開発を徐々に具体化しており、2018年に事業者選定を終えた後、原発建設を積極的に推進する予定である。
     - ガーナ政府はまた、電力不足に対処するため、原発建設推進組織を構成しており、20169月に韓国電力(KEPCO)は、ケニア、原子力委員会と原子力協力MOUを締結し、ロシアの国営原子力公社(ROSATOM)はナイジェリアと協力して、原子力発電所設立協議を進行中である。

  当国内企業は、これらのアフリカの原発プロジェクトの開発計画に継続的な関心を持って、アフリカの電力市場進出の機会を覗き見なければならと考えられる。


資料出典:韓国電力南アフリカ支社のインタビューとKOTRAヨハネスブルグ貿易館資料総合


  

2017年5月9日火曜日

韓国内での反原発運動に寄与するためにー国際的なBDS運動の展開を(ニューストマト)


 韓国 ニューストマトTV        社会
(社会的責任)」韓国反核運動に国際運動BDS戦略を導入しなければ "
不買(Boycott)・投資撤回(Divestment)・製剤(Sanction...非暴力的な国際抵抗運動
市民が経済的・民事の法的権利行使主体として国の核エネルギー促進政策に歯止めかける
                                2017年5月8日

BDS運動とは
BDSは不買(Boycott)、投資撤回(Divestment)、製剤(Sanction)の略である。アラブ連盟を中心としたBDS運動は過去南アフリカの極端な人種差別政策に反対して行われた、反アパルトヘイト運動に由来する。イスラエルパレスチナの軍事占領と人種差別など弾圧を幇助する親イスラエル企業の国際的な抵抗運動である。 BDS方式の抵抗は、国際法上許可された権利であり、非暴力的人道主義に基づく運動である。

韓国では、微弱な行動だが、反核運動が進められている。原子力に過度に依存する電力の生産方式は、短期の効率のために必然的な災害の時限爆弾を抱いて生きる構造である。反核運動を活性化するために、反核運動にBDS運動方式を適用する方法はないだろうか。

イスラエルに対するBDS
最近訪韓したパレスチナの活動家ニダール・アブラインループによると、イスラエルはパレスチナ人居住区を数メートルの高さの壁と鉄条網で囲んで、イスラエル軍が出入り統制所550カ所で制御する方法でパレスチナの自由を侵害している。パレスチナ人の土地と建物が不当な理由で没収、撤去されるなど、パレスチナ居住地域内のユダヤ人入植地を拡大する政策が取られている。

パレスチナ家屋の無断撤去に韓国企業が製造した重装備が動員されている。パレスチナ人が住んでいる地域のオリーブの木に火をつけ、汚廃水をパレスチナ居住地域への不正放流するように、住民の生存権を奪っている。特に飲料水などの水の制御が深刻でパレスチナ住民が水不足に苦しんで水を得るためにユダヤ人入植地に依存することにした。

正当な法の手続きを省略した逮捕と拘禁も深刻である。 6ヶ月単位の拘留状態が無限に延長されることができる。 2014年現在、6500人のパレスチナ人が政治犯として、イスラエルの刑務所に閉じ込められており、この中には28人の議員(議員)と182人の未成年が含まれ、500人が拘留状態にある。(注(崔):刑務所内での集団ハンガーストライクが始まり3週間以上経つが、最新の情報は把握できていない)

イスラエルのユダヤ人たちの間にも、海外のどの地域から移住してきたユダヤ人なのかに応じて、差別が存在する。西ヨーロッパで入ってきたユダヤ人たちが上層を占め続け東ヨーロッパ、ロシアの出身で待遇を受ける。アフリカ出身のユダヤ人たちが最大の差別を経る。さらに、アフリカ出身のユダヤ人たちは、献血をしても、病院で受けてくれない場合もある。

このような、イスラエルの占領政策と人権と財産権蹂躙に抗議するために、国際的にBDS運動が行われている。 BDS運動は、イスラエル政府と「共謀」している企業を対象とする。代表的な企業では、スターバックス、マクドナルド、現代重工業などがある。スターバックスは、イスラエル軍を支援する企業であり、マクドナルドは、イスラエルのユダヤ人入植地で違法に営業している。現代重工業は、パレスチナ住民の住宅を破壊するブルドーザーを、イスラエルに輸出している。

不買(Boycott)は、世界の芸術家たちがテルアビブ、エルサレムで禁止した公演ボイコット、大学、学術団体の学術ボイコットがあり、FIFAがイスラエル会員数を与えないなどのスポーツボイコットなどの形で行われている。制裁(Sanction)の例としては、南米の多くの国がイスラエルの国交を断絶したことが挙げられる。投資撤回(Divestment)ポリシーは、パレスチナ権利を蹂躙するために共犯者である会社を対象にしたり、銀行から預金を引き出す方法で進行する。ノルウェーの政府が年金基金、投資関連の金融商品について撤回したのが代表的である。米国の多くの教会が教会の倫理綱領を制定してモトローラ、ヒューレットパッカードの投資撤回をした例もある。(注(崔):4月24日行われた福岡の三井住友銀行への抗議・質問書の提出、街頭での抗議集会は、まさにBDS運動として行われた)

原発産業と企業の社会的責任
福島原発事故は、いくつかの根拠を見ると、自然災害ではなく、人災というのが大半の意見だ。東京電力の全従業員14000人のうち15%である2900人だけが正規職だった。人身事故の正規職の事故は0%であった。東京電力は、専門家の津波の可能性の警告を無視しており、事故後も4時間を過ぎて国民に事実を発表して、実際に隠蔽をしようとした。
一般的に、企業の社会的責任は、経済的責任、法的責任と倫理的責任があると思う。倫理的責任とは物的な責任ではなく、透明で倫理的な行動をする責任としてのジレンマに直面したときに、正しい判断をすることができるようにするものである。これにより、社会の持続可能な発展に寄与する責任と解釈することができ、これは将来の世代のニーズを損なうことなく、現在の世代のニーズを満たしている行動準則である。環境責任や社会的責任は、将来のためのもので、追加の費用をかけて、長期的には、将来のリスクを除去するものであり、ブランドの保険という概念で企業の社会的責任の履行を合理的に説明することができる。

原子力発電産業と関連しては、国際原子力機関(IAEA)の倫理規範を通じて確認することができる。国際原子力機関の倫理規範は、保健、安全、環境分野の勧誘事項を列挙しておいたものである。倫理規範の主な項目のいずれかが予防の原則(precautionary principle)である。これは科学的に安全であると証明されていなければ、その製品やサービスを使用しないようにする原則である。ただし、我が国では、このような概念が普遍化されなかった。予防の原則によると、現在、原発産業はどこでも存立できないだろう。

原発運営企業が社会的責任に忠実であるときに、それはブランドの保険の役割をすることができるかを判断してみると否定的だ。保険は大数の法則に基づいて統計的に有意な経済的安全装置になることがあるが、原発事故が場合には、これを保険でカバーすることは可能ではない。事故の収束費用は東京電力と日本政府が一緒に負担し、東京電力は法的に上限が定められた財政責任だけようになっている。そうならば、企業の社会的責任は、一時的手段に過ぎず、原発産業の根本的な問題の解決策とすることはできない。逆説的にも、原発運営企業が生きるためには原発事業を撤回するという結果になる。

反核の経済圧力 - 消費者ボイコット、投資撤回、民事法的制裁
国の核エネルギー促進政策について市民がブレーキをかけることができるように国の政策に対する請願、意見陳述などの方式、世論形成を通じた圧力行使の伝統的な市民運動方式、代議制民主主義機関である政党、国会などを通じた有権者としての参加方法は、最終的に消費者、投資家、被害者としての経済的、民事の法的権利行使の方法で分類することができる。 BDS運動は、その中で最も後の分類に属し、前の3方式が通じないとき、市民一人一人が自分の権利を介して、政府の政策に非協力的な方法で抵抗する最も基本的非暴力的な抵抗方式になるだろう。

直接反核(反核)のために適用することができる不買運動は、核エネルギーを介して生産された電気の不買運動と原子力発電所の建設会社の不買運動がある。韓国でも、欧州の電力関係の法体系のように、消費者の電力会社の選択を確保するためにして、電力生産のエネルギー源について、消費者が選択と拒否をすることを可能にすべきである。原子力発電所の建設会社と関連し、韓国の主要企業建設会社が概ね原発輸出産業協会に加入して、原子力発電所の建設や海外施工に参加している実態を示し、この建設会社が建てるマンションの不買運動が可能である。

投資と関連し、アブダビ原発建設に韓国の輸出入銀行が事業費200億ドルのうち100億ドルを融資することにしたのと、実際に31億ドルの資金が執行されたことに注目して、この金融機関に対する債権不買運動を施行しなければならない。そして年金基金の社会的責任投資に関する国会の立法活動に応じて年金基金の社会的責任投資が立法化されることもしたが、これは形式的な規定で終わって核エネルギーへの投資が直接投資対象から排除された事例はなかった。

不買運動の推進戦略と戦術に関する基本的なガイドラインが共有された中での運動が推進されなければならない。消費者ボイコットと投資撤回は多数が一緒に参加していないと、これに参加した少数だけ経済的に損をするだけで何の効果もおさめることができない。多数が一緒に参加することができる戦略を策定することが重要な理由だ。核エネルギーの退出のために、韓国で消費者、投資家、および被害者の権利を代表する機構を結成する必要があり、これを国際不買運動、投資撤回運動と連携することが重要である。

アジアの平和市民ネットワークは、米国政府とデュポン社、ボーイング社、ロッキード・マーチン社を被告とする広島原子爆弾投下による韓国人被害者に対する損害賠償請求訴訟を進めている。 2016年チェ・ボンテ弁護士が中心となって、米国政府と企業を相手に広島と長崎に投下された原爆の製造と投下の責任を問おうとしたものである。

被害者が加害者である国と産業を相手に民事訴訟を提起することは、個人の安全に関する正当かつ合法的な行動として反核のBDS運動の趣旨に合致し、被害当事者による民事的制裁(Sanction)に該当することができている。日本で原爆投下の被害を受けたのは、第二次世界大戦の戦争に直接参加した軍人ではなく、広島、長崎に住んでいた民間人、韓国で徴用などで連れてこられ韓国人など、戦争遂行の意思とは無関係な人が大多数であった。戦争中だったが、原爆投下が避けられない選択だと見るのは難しい。訴訟の提起と進行は、核兵器を開発し、保有して使用しようとする核保有国に対する市民社会の強力な圧力と警告になることがあることで、ひとつの運動手段となる。


去る3月に国際BDSワークショップを通じ、韓国で集まったBDSと反核運動家たちは、今後、米国の原子力発電所拡散政策の代理人となっている日本の東芝の不買運動を優先的に国際協力の下で展開することにし具体案を模索している。韓国においてBDS運動の経験が反核運動の滋養になることを願い。

2017年5月8日月曜日

90歳のママに乾杯!

週に2回のカラオケ、その他老人会、地域の友人との会食で忙しそうです。よく食べ、よく歩くので血色も良く元気はつらつ。少し物忘れがあり、同じことを繰り返し話しますが・・・。
人の悪口は絶対言わない、きっぷがいい、気配りがすごく、とても優しいとのこと。

私は彼女の19歳の時に生まれました。昭和20年です。自慢のママでした。終戦時、身重の彼女を置いて8人の兄弟姉妹は韓国に引き上げました。韓国語はそれでも覚えているようで、今でも聞き取ることはできるようです。家族の料理は全て彼女が作っていたとか。今でも料理は得意で、昨日、大阪から帰るときに、チャーハンを作ってくれました。中華の店でだしても、ウム美味しいとおもうくらいのできでした。


大阪難波の中心地でレストラン、ジャズ喫茶、パチンコの経営は彼女がやっていました。
オヤジはタカラヅカの元トップスターを愛人にし、ボクシングジムのオーナーで毎日3000円(今の金で5万円)を売り上げから持って行ったとのこと。


オヤジは11歳の時に北朝鮮から一人で日本に渡って来ました。学歴も一切ないなかで持ち前の行動力と好奇心、そして時代を読む鼻が利き、大阪でのし上がり、新たな商売をはじめてはママに金勘定、経営を任せていたのです。しかしその華やかな時代も陰りを見せはじめ、私たちは心斎橋を出ることになりました。その後、ママに「逃げられ」、2度、若い女性と再婚しましたが、ママを忘れることはなかったようで、阪神大震災の前年に亡くなりました。長男である私への期待や愛情はよくわかっていながら、私はそれに応えることなく生きてきた親不孝者です。




ママは私たち家族が心斎橋の一等地を出る時、家族を棄て独り立ちしました。私は中二でした。そして年下の日本人と再婚し完全に過去を捨てました。しかし50年の時間が経ち今や、地域に溶け込み人気者の彼女は、たまに訪れ崔を名乗る、活動家の私を自慢げにボランティアばっかりやってますねん、長男ですと紹介します。

何にでも集中するタイプのようで、独り立ちしてからは船場で喫茶店を成功させ、料理学校に通ううちに講師になり、8年間、料理学校で教えていたとか。日本の男性と再婚してからは、自分が日本の着物を着たくなり裁縫の学校に行くうちに、私もよく知る著名な演歌の歌手の着物の注文を受けるようになったそうです。これ見てみと、私に見せた左手の指は変形していました。着物を縫い続けてそうなったそうです。
今週、妻を連れて大阪を訪れた私たちは親子で彼女の馴染みのカラオケの店に行きました。その時の写真です。ママは演歌が得意で、優しい声で、情念を感じさせる歌い方です。自宅ではカラオケ大会で撮ったときのものなのでしょう、着物姿の写真がありました。

再婚相手のパートナーも私を息子ですととても自慢げです。私は初めて、親孝行がしたくて、ママと大阪で一緒に暮らすつもりです。パートナーはママの二人の息子を頼りにし、私たちがいつ大阪に来るのかいつでも指折り数えて待ち、大歓迎をしてくれます。昔は再婚した相手の家には絶対に泊まらず、弟と違い、なんとなく抵抗感というか、距離感があった私ですが、今では第二の父として仕えるつもりです。


人生、わからないものです。川崎で日立闘争や、地域活動をはじめ在日の問題に取り組み、3・11以降は反原発運動に集中してきた私は、今また、72歳を前にして新たな人生を歩むような予感がします。

90歳の、自立した在日女性のママに乾杯



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