2015年5月8日金曜日

弁護団に提出する私の「提案書」について

いろんな経緯がありましたが、最終的に事務局の中核の一人である八木沼さんの、なんとか「混乱」を解決したいという熱意と彼の誠意を尊重して、原告が選任した弁護団が原告を排除しようとしてきた内容を承諾することになる再委任契約の要望書ではなく、新たな原告と弁護団のあり方を明記する代理人委任契約の提案書を作りました。これをたたき台として、メーカー訴訟のメンバーの中で議論を進めていただきたいと考えました。

提案書の内容は以下のとおりです。原発メーカー訴訟の目的は、原発メーカーの責任を問うことで、原発体制をなくしていく国際連帯運動を広げていくことです。以下、これまでの要望書でなく、「提案書」にした経緯をご理解いただければ幸いです。


原発メーカー訴訟弁護団共同代表 河合弘之・島昭宏弁護士殿

2014年3月10日の原発メーカー提訴から1年以上経ち、やっと第一回口頭弁論の期日が決定されるところまできました。
この間様々な問題がありましたが、これからの裁判を円滑に進めていくには島弁護士と私の間で代理人委任契約を締結するのが最良の道だと考えます。

つきましては両者の間で代理人委任契約の締結をすることを提案いたします
のでよろしくご検討下さい。

2015年X月X日
原告番号XXXX 崔 勝久


弁護団から大きな混乱を引き起こしてきた「代理人辞任」の問題を解決するには、弁護団から委任契約解除された私(崔)が、弁護団に再委任契約の要望の提出が必要で、それがあれば弁護団で再委任契約を検討する、崔個人から再委任契約要望書を出させるようにという強い要望が事務局に出されていました。

それを受けて事務局から弁護団への私個人の要望書の提出の要請がありました。ここに私の要望書を提示します。事務局を中心とした一部の原告だけでなく、ひろく訴訟の会で問題の所在を知り、ご意見を伺いたいと考え、ブログに掲載します。

しかしこの要望書は、私個人が弁護団長に代理人辞任の中止を求めるだけでなく、訴訟の会内部の活発な討論を図り、中長期的な戦略・展望を含めた意思統一を目指し、その上で、訴訟の会と弁護団との関係(あり方)を議論してお互い一緒になってメーカー訴訟を進めるために提出するものです。

事務局の一人が連休の間に笠原弁護士との話し合いで代理人辞任を中止するということで一致し、私からの要望書提出でこれまでの「混乱」の幕引きにするという合意があったのか定かではありません。その報告を待って両者が話し合った内容を検証し、訴訟の会の進むべき方向への議論にしていくことを願います。

6月3日の東京地裁での進行協議期日まで弁護団は代理人辞任届けを提出できません。大きな混乱が起きることが予想されるからです。次回口頭弁論の期日まで時間がありますから、それまでに事務局主催で訴訟の会の合宿をもち、あらゆる角度から徹底した議論をすることを提案します。

同時に私は、弁護団は原告と弁護団の協力体制をつくるために、「混乱」の原因になってきた原告の代理人辞任を止めると宣言し裁判所に代理人委任契約の解除の届出をしなければすむものを、敢えて、崔個人に再委任契約要望を求めてきたことに大きな疑問があると指摘してきました。

弁護団に再委任契約を私が要望するということは、100名以上の原告が実名で反対してきたにも拘らず、12月3日の弁護団声明の内容を承諾するということになります。また、私が裁判制度や法慣習などを調べた上で、弁護団が私に再委任契約要望書の提出を求めることの問題点を分析した結果を訴訟の会としてしっかりと検証していただきたいと願います。

弁護士職務基本規程
第三十条1項
弁護士は、事件を受任するに当たり、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない。

「弁護士は、・・・委任契約書を作成しなければならない。」ですから、これは弁護士の義務で、集団訴訟であろうが個人の訴訟であろうが関係なく、この義務を果たさないことそのものが懲戒申請の対象になります。私たちの場合、たとえ原告が4000名であっても、原告全員と弁護士との間で委任契約が締結されておらず、口頭によるもので、訴訟委任状は裁判提出のためのものにすぎません。いわば「みなし契約」です。

ですから正式に弁護士との委任契約を作る必要があり、弁護団が代理人辞任届を裁判所にださないことを決定した段階で、原告にとって必要な条件・希望を記した委任契約を締結することになります。それを追う原告も出てくるものと思われます。


                要望書
原発メーカー訴訟弁護団共同代表 河合弘之・島昭宏弁護士殿

 2014年3月10日に東京地裁にGE・日立・東芝を被告とする原発メーカー提訴から1年以上経ち、ようやく原告が確定し、6月3日に口頭弁論期日のスケジュールや法廷等、訴訟の進め方について話し合うところまで来ました。喜ばしい限りです。
 この間代理人辞任問題をめぐって混乱がありましたが、私は河合弁護士が2月4日、訴状学習会において訴えられた、「小異を捨てて大同に就く」べきだというお話に賛同します。
 これから進められるメーカー訴訟において弁護団と訴訟の会(原告)が協力しながら裁判を進めていくために、私は弁護団長に代理人辞任を再考され、裁判所に委任契約解除届けを提出されないように要望致します。同時に、弁護士職務基本規程第三十条1項に基づき、唯一の法定代理人である島昭宏弁護士と私との間で正式な委任契約を締結することを要望します。

2015年X月X日
 原告番号XXXX   崔 勝久


注:代理人辞任とは? 法定代理人として原告から選任された弁護士が、自分から委任契約の解除を宣言すること。一方、原告が選任した法定代理人が原告の意向に沿わないと原告が判断した場合、原告は弁護士を解任することができます。これも委任契約解除ですが、いずれもその報告(届け)を裁判所に提出してはじめて、裁判所は原告と弁護士との間で委任契約が解除されたことを認めることになります。現在、私の場合は、弁護団が昨年の12月4日付けで「崔勝久氏に対する弁護団声明」で私の代理人辞任を表明しています。しかし何故か弁護団は裁判所にその旨を報告しておらず、裁判所は現在も島弁護士は私が選任した弁護士ということになっています。

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