2015年3月30日月曜日

福島における「事実と真実の違い」の講演を聞いて

3月29日、東京三鷹台の聖マガレット教会で行われた、松本普さんの講演がありました。松本さんは、「だいじに・東北」被災者支援センターしんちスタッフで、現地の様子をお話しされました。


お話の要点は、「事実と真実は違う」ということで、政府や東電、御用学者から表される数字には現地の実態を示していないことがある、例えば、死亡者数(関連死を除く直接死)とあるが、それは自死を含めていないし、「関連死」の実態が見えていない、という内容でした。被災者と共に歩む中味は何であるのか、ということを現場の経験から話されました。

会場は100名ほどの(女性が多かった)キリスト教信者で一杯でした。聖公会、カトリック、日本キリスト教団から参加されたようです。福島の現実の関心を寄せ、自分達でできることをやろうとする最も良心的なキリスト者であるという強い印象を持ちました。

松本さんとは、それこそ30年くらい前からの古い知人で、彼に対する質問が続いたのですが、最後の讃美歌を歌う直前私は手をあげ、意見でもいいですかと司会者の承諾を得て、以下のような話をしました。

福島の現実に心を砕かれているみなさんには敬意を表します。しかしもうすこし視野を広げてみてはいかがでしょうか。福島は原発事故の犠牲者ですが、アジアでは日本と韓国がはその事故を起こした原発を世界に輸出しようとしています。事故を起こしたメーカーは法律によってその責任が免責されています。そしてその法律は全世界で制定されているのです。

福島で原発事故をおこしたメーカーは日立、東芝です。日本はモンゴルに核廃棄物を埋める秘密契約を結び、モンゴルの砂漠ではウラン発掘のために家畜が死に奇形の家畜が生まれています。そのウラン発掘の会社の大株主は実は三菱です。

韓国では甲状腺がんと原発の因果関係があるという判決が下されました。しかし日本では原発立地地域において健康のことを話すのはタブーになっています。地域の人が立ち上がるしかないのです。

昨年のWCC(世界教会協議会)で核兵器と原発をなくすべきという声明文作成に反対したのは実は英国の聖公会です。福島事故の犠牲者と共に歩みながら、みなさんとその目を世界全体に広げ具体的な行動を起こすことができればと願います。

2 件のコメント:

  1. 成功会で洗礼を受けた者として、英国製公開の声明文作成反対は残念です。

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  2. 匿名さんのメッセージは分かる人にはわかるのですが、誤字を訂正してみます。

    聖公会で洗礼を受けた者として、英国聖公会の声明文作成反対は残念です。

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