2015年3月25日水曜日

原発メーカー訴訟弁護団の主張の根本的な誤り

島弁護士から3月17日に「配達証明」で送付されてきた「ご通知」をめぐってのメールを公開します。これによって原発メーカー訴訟弁護団が元事務局長の崔勝久の代理人辞任届けを裁判所に
提出することを再度明らかにしています。

私はこのメールの中で弁護団が主張する代理人辞任の主張に根本的な問題があることを明らかにしました。

1.原発メーカー訴訟においては原告と弁護団の間で書類による委任契約は締結されていない。
2.あるのは裁判所に提出した訴訟委任状だけで、そこでは原告が弁護士を訴訟代理人として選任することを明記している。
3.従って原告を信頼できないというのであれば、選任された弁護士がとる行動は原告の代理人辞任ではなく、自らこの訴訟の代理人を降りることである。
4.島弁護士のこの間の言動は、原告団(=「訴訟の会」)に対する不当な介入であり懲戒請求に値することは明らかであるが、メーカー訴訟に全力を尽くすのであれば、新事務局と無条件での話し合いに応じ、これからの裁判の進め方について真摯に議論すべきである。
5.弁護団がそれでも崔勝久の代理人辞任を強行すれば、弁護団を解任すると意思表示する原告が多く存在し、裁判の遅延につながる。弁護団は裁判の遅延につながる行為をすべきではない。

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島弁護士へ                                       3月22日
寺田弁護士、このメールを弁護団全員に送付してください。

配達証明が届きました。「何かご不明な点やご意見等ありましたら、いつでもお問い合わせください」とありましたので、以下の質問、意見を述べさせていただきます。早急にご回答をお願いします。これは訴訟の会全体にとって重要なことなので公開いたします。

内容は、「被告への訴状配達と、第一回口頭弁論の期日決定を間近に控え、近く裁判所に辞任届を提出することになりますので、お知らせいたします」というものです。

しかしこの配達証明は何のために送られてきたものでしょうか。もう何度も何度も裁判所に辞任届を送るということを口にしながら実際の行動はありませんでした。今回もまた「お知らせ」だけです。

1.「ご通知」ですから、別に島弁護士が差出人になるのは構わないのですが、委任契約は、弁護団という集団と私が締結するものではありませんし、そもそも委任契約はなかったのです。あったのは、訴訟委任状だけです。委任契約書がないところで委任契約の破棄ができるのでしょうか。

2.委任契約は本来、弁護士として作成することを義務付けられています。その契約をせず、訴訟委任状で原告が訴訟代理人に選任した弁護士が、代理人辞任をしたいと口頭で表明すればすむのでしょうか。訴訟代理人が個々に選任をした原告に通知すべきなのではないのでしょうか。

3.10月4日の合同会議の席で口頭で代理人辞任を表明したのは二人の弁護士であって、他の弁護士は私宛に正式の代理人辞任の通知をしていません。12月4日の「崔勝久氏に関する弁護団声明」は内容は貧弱を極め、選任した原告への辞任届の形式になっていません。これは選任した原告に対してあまりにも礼を失しています。

4.「ご通知」では、私の「本訴訟に対し、強い意志をもって取り組んでこられたことを理解しており、現在もなおそれは変らないものと理解しています」とあります。そのように理解しながら、弁護士一人ひとりが具体的にいかに私に対する信頼を喪失したのか、その説明はこれまで一切なされておりません。弁護団声明にある誤った事実認識の指摘にも一切、回答がありません。集団訴訟において裁判提起者を理由なしに代理人辞任を一方的に表明することは前例がありません。真摯な対応を求めます。

5.私が訴訟代理人に選任したのは複数の弁護士であって、島弁護士一人が代理人になる復代理人制への移行がなされれば、これまでの代理人辞任宣言の説明は無効になります。納得できる説明を求めます。

6.また私以外にもこれまで島弁護士は、自分の言うことに従わない原告の代理人辞任を公言されていましたが、これはあまりに一方的です。弁護団全員との対話を求めます。

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島・河合原発メーカー訴訟共同代表へ   3月23日

「ご通知」は島弁護士が差出人になっていますが、そもそも弁護団で議論した内容なのでしょうか。大いに疑問です。そもそも裁判所は弁護団が提出した復代理人制度への移行届けさえ、いまだ保留しています。
また弁護団の行為(代理人の辞任の決行)は「訴訟の進行に支障をきたさない」どころか、東京地裁はそのことで裁判の進行が遅延されることを大いに苦慮しているはずです。私への理由のない、よりよい裁判にしていくために話し合えばすむものを、自分たちを選任した原告の代理人を理由も明確にせず辞任すれば、多くの原告が弁護団を解任することは目に見えています。
そのようなことのないように昨年、東京地裁の裁判長から原告と弁護団がよく話し合うようにと助言されたにもかかわらず、弁護団はその日に私の代理人辞任の声明を公表し、その後も条件をつけ事務局との話し合いを拒んでいます。無条件にすぐに話しあいを進めるべきです。
既に原告の一人は自分の意思で島弁護士の懲戒申請を提出し、菅谷氏もまた一人で5月5日までに弁護団全員の懲戒申請をするとMLで公表しています。「ご通知」では、私が「当弁護団所属弁護士への懲戒請求に積極的な役割を果た」していると書いていますが、それは誤りです。訂正を求めます。
私が島弁護士の言動は懲戒請求に値すると考えているのは事実です。
それは島弁護士が送りつけてきた数々のメールが証拠になります。しかし、私は上記二人の懲戒請求には一切関わっていません。彼らは自分自身の意思で弁護団の懲戒請求を決断しているのです。私は今の弁護団が全力を尽くしてメーカー責任の追及をしてほしいと願っています。訴状の問題点は本来、原告と弁護団で話し合っていけばいいのです。弁護団の主張の足りない点、問題点は話し合えばいいのです。今の弁護団が原告の思いに謙虚に耳を傾ける勇気さえもてば何もむつかしい問題はありません。
共同代表であるお二人はまだ弁護士になってまもない多くの若手弁護士の将来に責任をとることができるのですか。多くの若手弁護士は私と話したこともなく、私の書いたもの、経歴、裁判への思いなど何も知らないはずです。そのような弁護士が何故、自分を選任した原告の代理人を辞任するのでしょうか。どうして納得いくまで話し合おうとしないのでしょうか。
日本の原発裁判において河合弁護士と並んで日本を代表する海渡弁護士にも私は、何度も話し合いをすることを要望しました。しかし一切、何の回答も、反応もありません。メーカー訴訟において名前だけを貸すようなことが日本の弁護士の世界では当たり前なのでしょうか。それはまったく無責任極まりない行為だと言わざるをえません。
河合弁護士、海渡弁護士、そして若手弁護士諸君、一度、徹底してこのメーカー訴訟の進め方について、また自分たちを選任した原告の代理人辞任をすれば多くの原告が弁護団を解任するという事態に対してどのようにするべきなのか、話し合おうではありませんか。原告の思いは聞きたくない、弁護士が自分の判断で裁判を進めるというのであれば、私たちは残念ながらそのような弁護士には辞めていただくしかありません。
弁護士を信頼できないのであれば、解任すればいい、原告を信頼できないので弁護士は代理人を辞任するのは当たり前、これが人権弁護士を自認し、社会正義のために原発裁判を遂行しようという弁護士の台詞ですか。なぜ、どこに問題があって100人以上の原告が、代理人辞任をするべきではないということを自分の名前をだした要望書をだしたのでしょうか。それを弁護士が、信頼できないのであればいつまでに解任届けを出せなどと公言するのは、弁護士の傲慢であり、盗人猛々しいとはまさにこのことです。いかに反原発という正義の戦いの前線に立っていようとも、人間として、そして弁護士としてもっと謙虚になるべきです。
私が7月に訪米しロナルド・レーガン号の乗組員が東電、メーカーを被告とする裁判を始めたので、彼らと連帯すべくアメリカの原告、弁護士と会う準備をしている旨を寺田弁護士に伝え協力を要請したところ、弁護団としては協力できないというメールをいただきました。一体、弁護団は何を考えているのでしょうか。この裁判は国際連帯運動を広げて行くことなくしては勝利はありえないということを話されていたのは、島弁護士であり、河合弁護士です。それを国際連帯運動のために訴訟の会の会費を使えば、告訴すると島弁護士は私たちを脅かしました。それはまさに懲戒請求に値します。島弁護士の反省を強く促します。
裁判を進めながら原発をなくしていくための国際連帯運動を広げていきたい、そのために憲法論だけでなく長く続く裁判になるような法理論を考えてほしいと私は島弁護士に依頼し、それを承諾したために彼を代理人として選任したのです。委任契約はありませんが、それは口頭による契約だと私は理解しています。
その口頭による契約を一方的に破棄し、代理人を辞任するというのあれば、繰り返しますが、明確な理由を弁護士一人ひとりが明らかにしてくださることを求めます。もしそのような真摯な姿勢がないのであればそれは弁護士諸君はこのメーカー訴訟という歴史的な、日本の一国平和主義を突破していく可能性のある裁判の訴訟代理人にはふさわしくないとご自身で判断し、この裁判そのものに関わることから身を引くべきです。名前だけの弁護士は不要です。私たちが求めているのは、原発を世界からなくしていきたいという原告の熱い思いを共有化し、一緒に考え、一緒に戦おうとする弁護士です。
これは若手弁護士諸君、及び原発裁判に深く関わろうとする経験豊かな弁護士への糾弾ではなく、私からのラブレターです。みなさんと時間をかけて真摯に話し合うことを提案します。
崔 勝久

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崔 勝久 様                                        3月23日

島です。
私は貴殿に配達証明を送ってはいません。
貴殿に送られたのは、弁護団からではありませんでしたか?
また、配達証明てはなく、内容証明郵便ではありませんでしたか?

貴殿がこのメールをMLに公開したのであれば、まずはこれらの点について訂正してください。

それが確認でき次第、貴殿からのご質問を弁護団で共有し、対応を協議させていただきます。

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(島弁護士へ)                3月23日
配達証明と記しています。

島さん、そもそもそういう些細なことに神経を使わず、本質的な問題に
正面から応えることを願います。

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崔さん                     3月23日

配達証明ではなく、内容証明ではないですか?

また、送り主が誰であるのかは、重要な問題です。
私たちは、貴殿が少しずつ事実を歪曲してきたことが、本質的な問題をも見えなくしてしまったのだと考えています。

一つひとつ、事実を正確に把握し、共有しようと努力することからしか、意味のある話合いはできません。
貴殿が間違った情報をMLに流している限り、ご要望にお応えすることはできかねますことを、改めてお伝えしておきます。

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島さん                      3月23日

随分ととぼけたことを書いていますね。
私はあなたが送ってきた「配達証明」「差出人 弁護士 島昭宏」とあるものをそのまま書いているだけです。添付資料をごらんください。

あなたは弁護士としての専門知識を持って些細な形式にこだわり、決して社会科学として常識になっていることさえ認めず、大衆に便乗するポーズをとり続けています。植民地主義とNPT体制はサヨク用語で自分もひくし、若い人もひくというセリフで、それを言い続ける私の主張に耳を傾けることをせず、学ぼうともせず、却って、崔は「裁判を利用して民族運動をやろうとしている」という理由で、事務局長を辞めるように求めてきました。すべての混乱の発端はここにあるのです。まだわからないのですか、懲りない人ですね。

訴訟代理人として原告の私から選任されたあなたは、歪んだ、事実を歪曲した理由を書いて弁護団の名前で代理人辞任の声明を公表し、若手弁護士を引きずり込みました。その責任をあなたはとれますか?このままいけば、若手弁護士は懲戒請求の対象になります。私は実際それに当たると思いますが、島さん、河合さんが反省し、メーカー訴訟に精進してほしいと考えています。しかし、そう思わず、弁護団のマイナスの面に我慢ができず、名前を出した弁護団全員を懲戒請求する人たちを私たちは止めることはできません。

要望?なんのことですか。私はしっかりと現実を直視し、話し合おうと言っているだけです。若手弁護士と私たちと話し合う機会を作ってください。有望な彼らを巻き込まないでください。自分から知ろうとしない彼らにも問題はないとは言いませんが、一番問題は島弁護士であり、それに乗っかり自らしゃしゃり出てきた河合弁護士は問題の本質を見間違っています。残念なことです。海渡さん、只野さんは何を考えているのでしょうか。

弁護士であることが立派だとか、偉いということではありませんよ。原告の気持ちを聞き、話しあおうともせず自分の思うような裁判をしたいとする弁護士は原発メーカー訴訟に相応しくありません。あなたはこの訴訟の歴史的な意味、社会的な意味を考えたことがありますか。一国平和主義の枠内に囚われてきた日本の反原発運動の問題点を考えたことのない、歴史観、思想のない方だと私はあなたのことを思っています。

しかしそれでも限られた範囲であっても、原発メーカーの責任を問うという裁判に没頭してくれればということを私は願ってきました。あなたへの要望は何もありません。よくお考えください。

添付資料:

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