2015年1月19日月曜日

原発メーカー訴訟弁護団への抗議文ー伊藤明彦

伊藤明彦氏の原発メーカー訴訟弁護団への抗議文を公開します。

原告に宛てられた、弁護団の「『原発メーカー訴訟の会』の『総会』及び『会費徴収』についての見解」が緑の党に投稿されていたことが判明しました。ドイツの原告の指摘から判明したのですが、その後、「原発メーカー訴訟 弁護団 公式サイト」が、現在は「原発メーカー訴訟 原告団・弁護団公式サイト」に変わっております。原告と弁護団はお互い自立しながら協力し合う関係であるべきです。現在、全世界4000人の原告を対象にした総会開催の準備が進められ、原発メーカー訴訟の会(原告とサポーター)の新役員のネット選挙がはじまっているこの時期に、弁護団による原告分断が謀られていることは遺憾です。

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原告の伊藤明彦です。

私は一原告として、下記の通り(一部省略して公開)弁護団に対して、「『原発メーカー訴訟の会』の『総会』及び『会費徴収』についての見解」に対しての抗議文を送付しました。

訴訟の会としての行動は、時期的に選挙・総会をふまえて行なうべきと考えます。
また現状から鑑み、訴訟の会として抗議するより、各個の原告が抗議した方が弁護団に伝わるような気がします。

私はこの間、「訴訟の会は分裂してはいけない」「弁護団と和解しなければいけない」と思っていました。基本的には今もそう思います。
しかし、このこと以上に問題なことは「不正義に陥ること」だと感じています。


<以下、抗議文>
2015年1月17日
原発メーカー訴訟弁護団の皆さま
「『原発メーカー訴訟の会』の『総会』及び『会費徴収』についての見解」に抗議します。 
原発メーカー訴訟 原告 伊藤 明彦

 原発メーカー訴訟弁護団の皆さまにおかれましては、訴訟の準備、訴状学習会、また他の事案のご活動など、お忙しいことと思います。
 さてこの度、Eメールでまた弁護団の公式ホームページで知らされた「『原発メーカー訴訟の会』の『総会』及び『会費徴収』についての見解」(以下「見解」と書きます)について、次のように抗議いたします。一原告の思いにすぎませんが、どうぞ受け止めてくださり、検討、改善していただきたく、失礼ながらこのようなものを送らせていただきます。

 まず私は、弁護団と「訴訟の会」の対立・混乱は、様々な要因があったとしても、根本的には弁護団による「訴訟の会」への越権行為にあると感じております。
 これまでは、直接的は「訴訟の会」の事務局及び崔さんに対する越権行為です。しかし今回は、全原告に対する越権行為であり、私は強く抗議をいたします。
 私は以前、弁護団と「訴訟の会」の事務局に対し、事態を全ての原告に知らせるべく臨時総会の開催を提案いたしました。この件につきまして弁護団事務局の寺田弁護士さまから、昨年末(12月22日)Eメールをいただき、その中に「そもそも、代理人である弁護団としては、原告の集団である原告団の『総会』について、率先して準備を行い、実施をするという役割を担うことは妥当ではないと考えております」と書かれております。それなのに今回、その総会について弁護団からこのような「見解」が出され、私は困惑と憤りの中におかれております。

私は「訴訟の会」を、原告団と認識しております。「訴訟委任状」も年会費も「訴訟の会」に送りました。「訴訟委任状」は「訴訟の会」から「弁護団」へ、そして裁判所に提出されたと認識しております。また年会費の中から、訴訟の手数料(訴状に貼付する印紙代)など、訴訟に直接関係する費用も支出されていると認識しております。また年会費については訴訟費用だけでなく、「訴訟の会」の活動費にも使われていることは当然だと思っております。
もちろん、厳密に「訴訟の会」=「原告団」ではありません。原告としてではなくサポーターとしてこの訴訟に協力してくださる人、原告になりたいのだけど期限が過ぎていたためサポーターとして協力してくださる人・・・、このような人たちが「訴訟の会」に入会していることに、何の問題も感じません。しかしそれでも、「訴訟の会」から「原告団」としての性格が無くなったわけではないと思います。

 本来、「訴訟の会」は任意団体ではなく、原告全員と希望するサポーターの会だと認識しておりました。しかし、この混乱の中、原告はやめたくないが「訴訟の会」は退会したいという原告が複数人ありました。その希望を拒否することもできないので、残念ながら「訴訟の会」に入っていない原告が生じることとなりました。「訴訟の会」は、原告全員を網羅するものではなくなり、任意団体のようになってしまいました。このような「訴訟の会」なら「原告団ではない」との考えも、私は否定できるものではないと思います。しかし私は「訴訟の会」を「原告団」だと、少なくとも「原告団」の性格を持つ団体と認識しております。

 実際、私の原告としての区分と当事者番号は、年末に発行された訴訟の会会報の添付書類で連絡されています。
 私は、このような認識を持っておりますので、今回の「見解」は、原告に対する弁護団の甚だしい越権行為と感じるのです。

 まず「見解」には、「『会費』を支払うことは原告としての義務ではありません」また「訴訟の会』が、会報等により、本訴訟の原告が『訴訟の会』の『会費』を支払わなければならないかのような誤解を与え、『会費』を支払わせることは、法的に問題となりうる行為です」と記載されています。
訴訟の会の会員なのですから、年会費を支払うことは当然です。訟の会会報の添付書類には、「原発メーカー訴訟の会」としての会員番号が記載され、その上で「原発メーカー訴訟の会」の「会費」と記されておりますので、「原告としての年会費」と誤解されるようなことはないと思いますし、これをもって「法的に問題となりうる行為」とは全く感じられません。会費の主な用途も記載されています。どこに問題があるのでしょうか。言葉は悪いのですが「難癖」を付けられたとしか感じません。さらに法律の専門家である弁護士から「法的に問題」と言われることは、一庶民にとっては「脅し」と感じてしまうことであるということを、認識していただきたいと思います。

 次に「見解」には、「徴収される『会費』が、裁判所での全原告の訴訟遂行に直接必要となる費用に使用されるとは考えにくい状況にあります」とありますが、訴訟の会会報の添付書類には、会費の用途として「裁判のための諸費用」と明記されています。既に、訴訟の手数料(訴状に貼付する印紙代)など、訴訟に直接関係する費用は訴訟の会の会費から支出されているわけです。訴訟の会と弁護団が、このような関係になったから現在支出されていませんが、弁護団通信1・2号、及び訴状学習会などにかかる費用は、弁護団が必要とする「裁判のための諸費用」と私は考えます。ですから訴訟の会の会費から支出するべきで、今後、会員として新事務局に、また総会で主張しようと思います。しかしこれは、訴訟の会の会員が問題にすべきことであり、弁護団から「必要となる費用に使用されるとは考えにくい」など言われることではありません。

 ここで「全原告の」という意味では、残念ながらその通りです。訴訟の会を退会した原告たちがあるからです。その人たちの「訴訟遂行に直接必要となる費用」は、訴訟の会からは支出されないでしょう。それでは退会した人たちは、どうしたらよいのか。私は、退会した人が自分の責任で、手だてを講じるべきであり、ましてや弁護団からこのような「見解」をもって知らせることではないと考えます。

 この度の訴訟の会の会報は、退会を申し出た人たちにも送付されているのかもしれません。前記したように原告の区分と当事者番号が知らされているからです
では会費はどうしたらいいのか。自分で脱退したのだから、当然支払わなくてもいいと判断できます。では訴訟の会を退会したら原告ではなくなるのか。そういう問い合わせがあるのなら、弁護団として個別に対応してくださればいいのです。また訴訟の会を退会された人の分の「訴訟遂行に直接必要となる費用」は、個別に弁護団が請求して下さってもいいし、それ以前に退会した人たちが弁護団に自ら問い合わせるべきことと考えます。

 「見解」にある次の文言は、「訴訟の会」の会員に大いなる誤解を生じさせるものであり、「訴訟の会」に対する攻撃であり「訴訟の会」の原告に対しての越権行為だと考え、抗議いたします。
 「『訴訟の会』の『総会』は本訴訟の原告全体の意思決定を行う機関ではありません。また『訴訟の会』の『会費』を支払うことは、原告としての義務ではありません」
 「原告であっても、『訴訟の会』を脱会することは自由にできます」
 「『訴訟の会』の『総会』は、本訴訟の各原告の意思決定を拘束するものではなく、会費の支払いも原告である資格とは何ら関係がありません。重要ですので繰り返しますが、原発メーカー訴訟の原告であるからといって、『訴訟の会』の『会費』を『訴訟の会』に振り込む必要はありません」
 これらの文言は、もはや原告に「訴訟の会」からの退会を、弁護団が勧めていると感じさせるものです。最後の「弁護団は、『訴訟の会』の会員であるか否かに関わらず、すべての原告の皆さんに、この訴訟への参加、応援を改めて呼びかけたいと思います」は、このような抗議に対する言い訳として付け加えたとしか感じられません。

 私は、この間、寺田弁護士さまとEメールで会計の件についてやり取りさせていただきましたが、正直申して弁護団の言い分は理解できません。島弁護士さまについては、MLに投稿された当初の文面から、疑問を抱いておりました。さらに今回の「見解」・・・。
申し訳ありませんが、私の弁護団への不信はかなり大きいものになっております。

 (一部省略)

この不信を信頼に変えるためには、弁護団がこれまでの行為を越権と認め、白紙撤回していただくしかありません。
 なぜなら、原告として私(たち)が、弁護団に委任したことは「訴訟行為」だけなのですから。

 私はこの間、「訴訟の会は分裂してはいけない」「弁護団と和解しなければいけない」と思っていました。基本的には今もそう思います。
 しかし、このこと以上に問題なことは「不正義に陥ること」だと思います。
 ですから、大変失礼ですが、原告としてこのような抗議をさせていただきました。
 ご理解とご検討をよろしくお願い申し上げます。

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