2014年9月21日日曜日

原発メーカー訴訟弁護団長、島昭宏弁護士への反論ですー公開討論をしませんか

原発メーカー訴訟弁護団長、島昭宏弁護士への反論ですー公開討論をしませんか
2014年9月21日
崔 勝久(「原発メーカー訴訟の会」事務局長)

島さんの冒頭の記述には敢えて反論しません。私の島さんへの尊敬の念と、パートナーとしての思いを第三者として九州の木村公一牧師が記されています(#1560)。
16日の午前中に急に仲介者の大久保さんから電話があって島さんが、今日、会いたがっているので時間を作ってほしいという連絡が来ました。約束した時間に島さんの事務所に伺ったこと、録音の準備はされていなかったこと(再度、私の方から録音に関して尋ねました)、別れ際に、島さんは冒頭に言った、今日で打ち切りではなく、結論は出なかったというように私の方から報告してほしい、と話されたことだけを伝えれば済むと思います。

以下、島さんの見解に反論します。
1.「訴訟の会」とNNAAの関係について
「全原告を意味する「訴訟の会」(訴訟を維持し、支援するための団体)とNNAA等独立した目的を有する団体とを区別していなかったために混乱をもたらした」とありますが、
①「訴訟の会」は「任意団体」であり、全会員が入っていないというのは、伊倉弁護士の
指摘された通りです。「訴訟の会」への入会申込みと東京地裁に提出する委任状を一緒にしたものと、委任状だけのものとが混在していたため、「訴訟の会」に規約があることをご存知ない方が多いのです。ですから、現状は、「訴訟の会」は原告の任意団体でしかありません。

②NPO法人NNAAの中からメーカー訴訟をはじめることが提案され、その事務局メンバーが中心になって2013年9月3日に正式に「原発メーカー訴訟の会」を作り、その名前で原告を集めはじめました。そのために私が海外を回り海外の人の協力を求めたことは事実です。しかしそもそもの初めから、原発に反対するための国際連帯運動が必要だということは海外の原告にとっても、多くの国内の原告にとっても、「訴訟の会」事務局にとっても、共通認識でした。そのことは島さんに代理人を依頼したときに既に伝えてあります。できるだけ裁判を運動の為に長引かせてほしいという依頼を私から受けて、島さんは裁判闘争の理論を考えてくれました。No Nukes Rightsはそこから生まれました。感謝です。これをもって私たちは世界の反核・反原発運動をめざす人たちと連帯できます。

③本来なら、3月10日から本格的な「訴訟の会」としての活動をはじめる予定が、原告の委任状は署名でなく捺印が必要だと地裁から指摘され、それら委任状の処理で事務局は半年近くそのことにかかりきりでした。事務局は、その実務と海外との国際連帯運動を担う役割分担をして、今日に至っています。そしてようやく解決のめどがたち、集まった原告の中で何をすべきか、「訴訟の会」の規約を含めた改編をする必要に迫られたのです。
このことの認識の上で、改めて「訴訟の会」の中で訴訟を支援する役割と、国際連帯運動を進める役割を明確に分ける必要があるということを提案し、島さんの同意を得ました。

2.弁護団の「主導」による原告団(「訴訟の会」)立て直し案
弁護団による原告団(「訴訟の会」)の立て直し提案と、それに賛成しない原告は下りてもらうという最も重要な点を島さんは私への反論の中では触れていません。この点が実は一番問題なのです。弁護団が原告団の「主導」をし、原告を峻別するということは前代未聞です。あってはいけないことです。下地真樹さんの投稿参照(makersosho:1777)。

①島さんはMLの長いメールは読んでないと言ってましたが、読んでください、「訴訟の会」の事務局の実態を(#1778)。規約上の役員と事務局の関係、月1回の事務局会議、それを補う毎週日曜日9時からのスカイプ会議(これに固定的に参加するのが最近は4名という意味です)、それと大久保、八木沼両氏と崔は毎日のように電話で連絡しあっています。これはフルタイムの専従の仕事量です。そうしないと今の「訴訟の会」は運営できないのです。もちろん、無給です。「訴訟の会」は機能しているのか、実態はないのではないかと質問する人がいますが、この間、私たちはしっかりとした仕事をしてきました。その成果は歴然としていますし、自信とプライドを持って機能していると断言します。

②「10数人はいたはずの事務局がいつの間にか4人になっていることに強い違和感を感じています」(島発言)。島さん、あなたは事務局の実態がわかっていないのですね。月1回の事務局会議(最近は20-30名参加)で全ては討議できず、その裏方として事務局長の私を中心に数人の仲間がとんでもない長時間、数多くの仕事をこなしているのです。その事務局をあなたは無力化し、実体のないものとしようと事務局に声をかけないで直接、8月末に会員に呼びかけて集会を画策しましたね。
そして今度は、また直接会員に呼びかけそれに応えた人を核にしながら事務局を作ろうとしています。それは「訴訟の会」の規約無視です。クーデターでもなさる気ですか?

3.崔が「裁判を利用して民族差別の運動をしようとしていた」との島発言
「島さん、話し合いをしましょうー「むき出しのアイデンティテイ」って何ですか?」(# 1654)は読んでないのですね?「むき出しのアイデンティテイ」って、これこそ潜在的な差別意識の表現です。島さんは、主観的には差別をしていないと弁明しましたね。「むきだし」という単語そのものが在日の民族意識に対する差別表現です。時間がないので、今日はもうこれでいいです、と言って私は敢えてこの問題を取り上げなかっただけです。

4.事務局長の辞任表明と辞任時期について
事務局長の辞任表明は、そもそも「混乱に対する責任表明」であって、本来ならば、島さん、あなたに半分以上の責任があり、自分にも責任があったと謙虚に会員に謝罪すべきなのですよ。私の「混乱に対する責任表明」に対して、私と一緒に「訴訟の会」をつくり運営してきた仲間は全員、自分も責任を取って辞めると言いだしました。しかし仕事をすぐに投げ出すわけにはいきません。ですから新体制が臨時総会で選出されるまで、私たちは今の役職のまま業務を全うすることを決めました。全員、総会で辞職をします。はやく総会を開き、新しい事務局メンバーの下、島さんと合意した、裁判の支援と国際連帯運動の二つの活動をしたいものです。

5.「崔さんの思いは、必ずしも原告全員の思いを代表するものではありません」
当たり前のことです。しかし島さん、考えても見てください。どうして3000名を超える海外の原告が集まったのですか。私たちはメーカー訴訟をやろう、そして原発輸出を止めさせ、反核・反原発の国際連帯運動を一緒にやろうと呼びかけてこれだけの人が集まったのです。もう少し時間があれば、第三次の募集をやっていれば(それもやろうと思えばできたのです)、私が最初に言ったⅠ万人の原告は集まったでしょう。メーカー訴訟を続けながら、原告は多様な原告な思いを受けとめ、いろんな闘いをやるべきです。

    原告と弁護団との、本来あるべき委任契約は締結されていません。東京地裁に提出した
訴訟委任状をもって契約したとみなしているだけです。私が島さんに訴訟代理人を依頼したときの条件、即ち、国際連帯運動の構築のためにできるだけ裁判を長引かせてほしい、そのための法的な主張の準備をよろしくお願いしますと口頭で言ったことは、契約として有効です。島弁護士をその契約を守る義務があります。守れないのであれば、あなたが私に原告を降りろと言うのでなく、あなたは代理人を辞めなければなりません。

②「弁護団は、全原告に共通する思い、つまり委任状に書かれていることを誠実に受け止め、しっかりと実行していくことが求められています」。その通りです。裁判に没頭してください。私たち原告は全面的に支援、協力します。しかし、原告団を「主導」しようとしたり、原告が現実を反映する多様な運動をすることをシングル・イッシュなどと言って干渉しないでください。原告は自分たちの意志で裁判を決意し、あなたに法廷闘争の代理を委任したのです。原告団は歩みが遅くとも、時間をかけて国内外での運動をしっかりと構築していきます。原告団のあり方は原告団で話し合い決定します。

6.日立闘争から学ぶべき点
①(日立闘争は)「(原告)その1人のために弁護団は行動することが必要であり、かつそれで足りたのです」。これは島さんが判決文も訴状も読んでないこと物語っています。朴鐘碩という在日青年が日立から受けた差別は在日の多くが経験することであり、裁判官は朴の経験は在日総体に対する日本社会の差別の実態と認定し、彼の生き方が在日全体のプライドをかけた闘いであることを認めた歴史的な判決を書いたのです。

②日立闘争から学ぶべき最大のポイントは、原告とサポータ―が一体となって国内外での運動を展開し、WCC(世界教会協議会)まで動かし、ニューヨーク、ソウルでは日立の差別に対するデモまで起こりました。国内では全国で8ヶ所の支援組織ができ、日本内外での運動によって日立を追いつめ勝利判決を獲得しました。今でも日本の教科書で日立闘争は紹介されています。私は国際連帯運動というとき、日立闘争の勝利から学び、メーカー訴訟もまた、このような全世界的な運動を展開することをイメージしています。

7.最後に
①弁護団の提案は原告団としても参考にさせていただきます。「訴訟の会」の混乱は内部的な問題です。弁護士に「主導」していただかなくとも私たちは自力で解決し、やるべきことをしっかりと話を続け、やり抜きます。島弁護士、干渉しないでください。それが今の「訴訟の会」の最大の混乱の要因になっているのです。それが証拠に、毎月集まる事務局会議はこれまで意見の違いはあってもそれを自律的に解決し運営してきました。

②多くの原告は、「訴訟のあり方」をめぐり島・崔が対立していると勘違いをしているようです。私たち原告団は闘いの焦点をメーカー訴訟に合わせるということでは完全に一致しています。そのために私たち原告は裁判をはじめたのですから。問題は、裁判のことは代理人に任せるのですから、原告の日常的な活動として何をするのかということです。
原告団の運動の原則:
a.     メーカー訴訟を内外ともども、全力をあげて支援、協力する
b.     内外の原告の有志によって、私たちの裁判闘争のキーワードである、ノー・ニュークス権(原子力の恐怖から免れる権利、No Nukes Rights)を剥奪されている世界の人々と連帯をする運動を構築していくこと、最終目標は、反核・反原発運動の世界的なネットワークづくり
c.      この原告の組織は世界のあらゆる団体、個人と連帯をするが、指導・干渉を受けたり、指導・干渉するようなことはしない、自立的な組織である

③10月4日(土)の午後2時から、水道橋のたんぽぽ舎で予定している、私たちが主催する事務局会議に島さんが参加すると大久保さんから報告がありました。大歓迎です。異例のことですが、その日は、島さんと私の公開討論(ディベート)の場にしませんか。録音・録画をして世界にも情報発信します。島さん、そして最初と最後は握手をしましょう。

弁護団は裁判に集中し、原告は運動に集中します。もちろん、島キクジロウの運動参加は大歓迎です。

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