2014年8月8日金曜日

福島の汚染水を海に流す問題は、川崎が先行例

朝日新聞 8月8日

「東京電力福島第一原発の汚染水問題で、東電と政府は7日、放射性物質を含む地海水を浄化処理して海に流す計画を地元漁協に説明した。汚染水の増加に加えつため、今秋からの稼働を目指すという。」

実は、川崎市は3・11以降、ゴミと下水の汚泥の焼却灰が高い放射線量のためにこれまでのように東京湾の埋め立てに投下できないでいたが、貯蔵する場所が手狭になり、政府のお墨付きを得て、昨年の5月から東京湾の埋立地に投下し始めました。

私たちは放射線料が高くとも希釈して一定の飲み水と同じ水準になれば海面投下しても問題はないという説明に異議を唱えてきました。そのとき、いずれ福島でも同じ問題が起こり、川崎の処置は福島の先行例になると危惧していました。

案の定、政府と東電はまさに、川崎市と同じ論理で汚染水を「浄化処理して(希釈して)海に流す」計画だと言うではありませんか。福島の場合は、放射能をもつ放射性同位体であるトリチウム(三重水素)は残ると政府も認めています。

希釈された、放射性物質が基準値以下の水であっても、総量を考えると海に投下された汚染水が食物連鎖によってプランクトン、小魚、魚に蓄積され、それを食する人体にも影響はないとどうして断定できるのか、私たちは川崎市から明確な回答は得られませんでした。同じことは福島でも言えます。

そしてこの問題は太平洋の死の流れに乗って台湾、そして遠くアメリカにまで影響を与えることは間違いありません。3・11のときの様々な漂流物がすでにアメリカ、カナダにまで至っているのです。放射性物質は間違いなく、海外にまで流され、いずれ世界的な問題になるのは目に見えています。

この問題は、9月25-29日、台北で開かれるNo Nukes Asia Forum 2014 in Taiwanでも各国から指摘され論議されると思います。

参考文献:
2012年6月26日火曜日
川崎市は放射能で汚染まみれー焼却したゴミと下水道の汚泥は処理できず、手詰まり状態
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/06/blog-post_26.html

2012年8月21日火曜日
国際連帯と地域の民主化は同じ根ー川崎の実例は全国の先駆け
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/08/blog-post_21.html

2013年4月28日日曜日
東京新聞、川崎市のごみ焼却灰 海面埋立「抜き打ち実施」を大きく取り上げる
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/04/blog-post_28.html

2013年7月21日日曜日
川崎市の焼却灰問題についての懇談会の報告(その1)
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/07/blog-post_21.html

2013年7月25日木曜日
焼却灰の問題点を徹底的に議論、分析した内容を公開します(その2)
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/07/blog-post_25.html

2013年7月29日月曜日
川崎市長 阿部孝夫氏への抗議文を公開しますー焼却灰の海面埋立実施について
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/07/blog-post_29.html

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