2014年8月13日水曜日

山内明美さんのFBより:どこまで「戦後」を引き延ばすのでしょうか?

戦後補償にともなう、いえ、歴史認識の議論が再燃しています。アメリカの影に隠れて、真摯に戦後賠償をしてこなかった日本は、これからも延々とこの議論が亡霊のようにつきまとうのです。戦後補償は、完全に機を逸してしまった。このあとくされは、結局自分たちにブーメランのように返ってきてしまう。これからずっと、です。

 アジアの国々に対して謝罪や補償をしないことと、アメリカへの原爆投下に関する謝罪と補償を棚上げしたことは、コインの裏と表でした。原爆問題をあいまいにしたまま、冷戦下での核の平和利用は、原発を導入し、やがて福島にいたった。どこまで「戦後」を引き延ばすのでしょうか。もう70年です。不思議なもので、戦前生まれの方々すべてが亡くなったとしても、おそらく、福島とともに、この未来へ棚上げされた問題は続くのでしょう。
 

写真は、秋田県へ強制連行された方々の資料です。
 ソウル大へ派遣研究員として滞在していた頃、研究の合間に、糾明委員会へ行って、私が手書きで写したものです。秋田へ連行された方々だけで、こんなに分厚い。この資料は、秋田の花岡鉱山へ連行された方々を中心に、当事者へお会いするために書き写しました。その後、野添憲治さんとこの資料の中の何人かに直接お会いし、当時の様子を伺いました。彼らは、過酷な労働状況の中に連れ出されていました。こんなにたくさんいるのです。
 もっとも、在日の方たちの全てが強制連行されたのではない、ということは、在日の方たちもよくご存じです。

 そうではなく、世界は、「日本に良心はないのか」を問うているのです。

 「慰安婦」問題は韓国や中国人女性だけの問題ではない。あの時代の日本人女性の中に、おびただしい数の被害者がいた。けれども、95年には、ただのひとりも声をあげることはできませんでした。

 傷つけた相手との、アジアの「他者」との問題だと見えるかもしれませんが、この問題が、ひたすら自己を抑圧し傷つけていることに、もう気がついてほしいのです。

 文字を消したり、書き換えることは可能かもしれません、しかし、歴史を書き換えることは、できないのです。 http://kajipon.com/kt/peace-i.html

3 件のコメント:

  1. Sam Kanno2014年8月14日 0:28

    なんとも、美輪明宏さんによる日本人「慰安婦」の話が哀切でした。日本社会の病理の深刻さですね。
    朝日新聞が昔記事にして最近「取り下げた」(?)様ですが、吉田某氏による済州島「調査」報告の深層にも通じる問題だと思います。「共同体」における“恥”の意識によって女性が壊されるという問題!!
    Sam Kanno

    返信削除
  2. 「恥」と「怒り」の狭間を想像しました。「求める会」のブログに転載させて下さい。

    返信削除
  3. Twitterでこんな反応がありました。

    レフトカルチュア ‏@mitsu42457397
    @che_kawasaki まったく出鱈目の反米親中思考ですね。周恩来が田中角栄に何を言ったのかご存じないのでしょうか?

    Jiran Wiseman ‏@jiranjiran
    @mitsu42457397 @che_kawasaki こちらアメリカです。これが反米になりますか?そうは考えませんでしたけれど。日本語では「出鱈目」という語をそんな簡単に相手に言っていいのですね。それに驚きました。

    返信削除