2014年7月5日土曜日

私たちは何のために訴訟をおこしたのでしょうか、もう一度、みなさんと確認し合いたいと願いします

 ワールドカップ準決勝、ブラジルとコロンビアの試合が終わりました。実質上の決勝戦であるかと思います。ブラジルが2対1で勝ったのですが、予想にたがわぬ素晴らしい試合でした。しかし何よりも感動したのは、試合前の両キャップテンが読み上げたメッセージです。Say No to Racism(人種差別反対宣言)と言われているもので、FIFAの方針です。裏返して見るとそれほどヨーロッパではアフリカ系の選手に対する差別が多いと言うことなのでしょう。

私が今日見た試合では、「試合内外のあらゆる差別に反対する」こと、「サッカーを通してそれが実現される」ことを謳っていました。

Jリーグでは浦和レッズのフアンが、「JAPANESE ONLY」と書いた横断幕を掲げて問題になりました。その後、その制裁として観客をいれない試合が行われました。澤選手も既にFIFAの試合で人種差別反対のメッセージを読み上げています。

ワールドカップと「原発メーカー訴訟」と何の関係があるのかと言われています。「原発メーカー訴訟」は原発をなくすために、原発を作り輸出し続ける原発体制に抗うためのものです。その闘いの「最前線基地」なのです。しかし「最前線基地」だけをとりあげていたのでは、その運動は委縮していきます。なんのための裁判なのか、何のための「最前線基地」なのか、絶えずそのことを考え続け、原発体制の実態を知っていく、学んでいく必要があるのです。それは裁判に勝つことを目標に掲げながら、最大の目標は、原発をなくしていくという運動を拡げていくということです。そのためには原発体制に抗うあらゆる方法、私たちには金も力もないので、文字通り、ゲリラ的なあらゆる手段を講じなければなりません。

原発体制の根底にあるのは差別です。中央の地方に対する差別、被曝を前提に労働者を働かせる被曝労働者差別、列強が核兵器を独占して他国を支配する構造、これも差別です。

そして差別構造は戦前の植民地支配から続いています。安倍が再稼働を実施することを画策しながら、同時に従軍「慰安婦」問題に言及したがらない、歴史を矮小化するのも、根底には差別があります。ですから「慰安婦」の問題も時には会員からの情報として出てくればその意味を斟酌してFBで掲載するのは当然です。それを禁止してはいけないのです。

原発体制は様々な差別構造の上に成り立っているのであり、この現実を一つひとつ明らかにしていくことが、実は、原発体制への抗いとつながり、原発メーカー訴訟ともつながるです。

私たちの集まりは原発メーカーの責任を問うことを目的としています。従って情報は訴訟に関することに重きを置くことは当然です。だからと言って、差別のことに触れると右翼が出てくるとか、意見がわかれるということを恐れ、私たちの原発体制に対する、差別に対する意見や情報を議論し合う場をなくすべきだという規制、或いは自主規制をかけるべきではありません。

従ってそのような、直接訴訟に関係のない差別に対する意見や、原発体制の骨格であるNPT(核不拡散条約)体制に触れることは止めるべきだ、それを言い続ける事務局長を解任すべきだ、解任しないと代理人を辞めると言うのは「脅迫」であり、暴力です。いかなる理由があろうとも、弁護団は原告団のあり方に意見はしても、特に人事に介入することは許されません。

集団自衛権の行使が閣議決定されたその日に、事務局長解任提案がML上で公表されました。多くの会員は驚かれたと思います。私はできるだけそのような解任案があることを秘めておきたかったのですが、それが公にされた以上、問題点が何か事務局長として明らかにする責任があると考えます。

これは決して内紛や、個人的な争いではありません。まさに「訴訟の会」のあり方を問うものなのです。さいわい、解任案が出されることを予期して事前にそのような動きがあることをML上で知らせました。FBをご覧になればわかるように、会員の意見は実に客観的で、特に、情報の発信の仕方に関しては参考にすべきものが多かったことに私は「訴訟の会」の原告がいかに問題意識を持つ方が多いかを知りました

会員の中に右翼がいるかもしれない、「慰安婦」問題に賛成の人、そんなものはなかったと主張する人がいるから(そんな奴はいないでしょう、原告の中に!)、訴訟以外のことに言及しないように規制をかけるべきだと言うのは、原発体制側から発せられる言葉であり、そんなことをしたら、まさに原発体制の人間が喜ぶだけです。どうぞ、会員のみなさん、動揺をしないでください。そして在日として命をかけてこの原発メーカー訴訟を提案し、具体化してきた私を信頼ください。

事務局長の個人の意見を伝えるために、また保身のために私がブログや、FBを私物化していると言う人がいますが、それはとんでもない間違いです。そんなことの為に私は身をすり減らして海外にまで足を運んだりしません。これは在日であるわたしにとって、そして日本みなさんにとって、共に原発体制に抗いながら、原発をなくしていく闘いなのです。ご理解を得たいと願います。ご批判、ご意見を送っていただければ幸いです。

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