この間、「原発メーカー訴訟の会」の在り方についての混乱があり、多くの方にご心配をおかけしたことを大変、申し訳なく思います。混乱の背景を説明し、今後の具体的な闘いについての意見を述べみなさんのご参加を呼びかけます。
私はメーカーそのものを最初に提起した本人であり、その自覚と責任の上で、今後最高裁まで
10年続く闘いであることを覚悟し、何よりも、法廷内外で、戦後の原発体制の実態を明らかにしつつ、原発体制そのものをなくしてくための、市民による国際連帯運動を進めることに全力を尽くす所存です。
原告のみなさん、及びこのメーカー訴訟に関心を寄せてくださる多くの方がたとともに、原発体制に抗う闘いを進めていきたいと願います。
1.混乱の原因、「訴訟の会」のこれまでの経過
①NNAA(No Nukes Asia Actions)の設立について
一般市民との幅広い運動を進めるために、2012年11月10日、「NNAA設立と記念講演会」がもたれました。
★2012年11月12日
No Nukes Asia Actions (NNAA) 出発にあたって:原発輸出と闘うべき理論的根拠の確認
★2012年10月14日
さらに反原発運動を深めるためにー国際連帯と原発メーカーの法的責任の追及を http://oklos-che.blogspot.jp/2012/10/no-nukes-asia-actions.html
★NNAA設立に至る経過報告について
②NNAAのNPO法人化、「原発メーカー訴訟の会」設立
平成25年(2013年)11月29日に設立されたNPO法人NNAA(No Nukes Asia Actions)は、「原発メーカー訴訟の会」を立ち上げ、内外の原告を集めるために奔走し、2014年の1月30日、3月10日の2次にわたり訴状及び原告委任状を東京地裁に提出し現在に至りました。
★原発メーカーの呼びかけ人
★規約
この訴訟は原発メーカーの責任を問う世界裁判史上初めてのことであり、39ヶ国、4000名を超える原告の数は日本の裁判では例がありません。第一回目の公判の日時が9月中には決定されると思われます。
2.混乱の問題の所在
ML上で、島弁護士から崔勝久「訴訟の会」事務局長の「解任」の話しがだされました。それをめぐっての混乱が「訴訟の会」内部でありました。どうしてそのような混乱がおこったのか、説明をいたします。
①「訴訟の会」位置づけの二重性
本来は、裁判が始まった段階で原告団自身によって原告団の集まりと言うべき「訴訟の会」が形成されるものなのですが、今回の場合、「訴訟の会」の立ち上げに先立ちNNAAの様々な国際連帯運動があり、NNAAが「訴訟の会」の設立を目指して原告を内外から集めたため、「訴訟の会」は原告団であるということと原発体制をなくしていく運動体であるということが整理されずに今日にまで至りました。私自身、深く反省をしております。
② 「訴訟の会」の二重性の解決
混乱の中で私たち事務局が至った結論は、「訴訟の会」は訴訟に関することに集中すべきであるという原則に立つということです。そのことによって、原告団であるべき「訴訟の会」は、自発的に会の規約を改正し、活動方針を決定し、新たな体制(人事)に着手すべきだと考え、現在、総会開催の準備をしています。ML、FB、HPの運営に関してもその線に沿ったものになっていきます。国内外4000名の人を対象にするのです、皆さんの積極的なご支援をお願いする次第です。
通常の大型裁判がそうであるように、原告団とその代理人である弁護団とは裁判の進め方をめぐって、また訴状の内容に関しても意見の交換をしつつ公判を進めるべきであります。何と言っても相手は世界のGEであり、日立、東芝です。判決の内容によっては今後、原発の建設や輸出に大きな障害が生じることになりかねず、体制側は全力を尽くして私たちをつぶしにかかるでしょうし、世界的な大弁護団を組織して対応してくるでしょう。
3.NNAAの今後の活動について
① 混乱の背景にある運動論、歴史観の相違
「訴訟の会」の呼びかけ文にあるように、「日本の原発輸出を後押し」、「世界中に拡がる」原発体制の「仕組み」に「真正面から挑もうとする」運動を展開するのに、NPT(核不拡散条約)体制や、植民地主義や差別問題に触れてはいけないという自主規制は、運動の退廃と縮小をもたらします。裁判闘争と並行して具体的な行動を国際的に推進していくのは、NPO法人NNAAが担います。
② 活動内容
NNAAは訴状にある「原子力の恐怖から免れて生きる権利」(ノー・ニュークス権)を主張し、歴史的、社会的に放射能の被害を受けてきた人たちとの連帯運動を進めたいと考えています。モンゴルや各地のウラン発掘現場及び原子炉で働く労働者、汚染水問題、甲状腺ホルモンに怯える子どもたち、被爆2世の遺伝問題、劣化ウランの犠牲者、使用済み核燃料の貯蔵地の問題等など、これらは市民による国際連帯運動の拡がりなくしては戦っていけません。裁判闘争を中心に据え、反原発の世界的なネットワークづくりを目指します。
③ 思想的な問題
原発体制は、地方(周辺)に対する都会(中央)の差別であり、被曝労働者の差別を前提にしています。ヘィトスピーチや民族差別の問題がどうして原発体制と関係するのか、これは原発体制を維持・拡大したがっている現政権が歴史問題を歪曲し、「慰安婦」の強制問題はなかったと言っていることからしても、また戦前と同じように、憲法解釈で集団自衛権の行使を決定して戦争をしたがっていることからしても、その関係性は一目瞭然です。ちなみに、反原発運動は国民運動ではありません。国民国家を超えた闘いなのです。
④ 今後の活動に関して
9月26-29日まで、No
Nukes Asia Forum 2014 in Taiwanを開催します。台湾には「訴訟の会」会員が400名、韓国には900名います。モンゴル、インド、インドネシア、フィリピン、トルコなどにも原告が多くいます。NNAAのメンバーになる条件などは改めて公開いたします。原告のみなさんの中からも積極的にNNAAのメンバーになってください。裁判を進めながら具体的な反原発をめざす国際連帯運動を作り上げようではありませんか。
新しいNNAAのFBは、https://www.facebook.com/nonukesasia
2014年7月20日
崔 勝久
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