2013年10月20日日曜日

「昨日は熱気溢れるよい集会でした」ー10・19集会参加者より

10・19「原発輸出を考える」集会の報告です。2時間
10・19「原発輸出問題を考える」集会は昨日、信濃町教会で行われ、120名の参加者があり、大変、有意義な集会になったと思います。IWJのネット中継があり、海外でも多くの人が集会を見たそうです。
渡辺先生の基調講演の深さに感銘を受けました。朴さん、崔さんの力のこもった発言には日本人がメチャ頑張らなければと背中を押された感じです。事務局の皆さま、お疲れさまでした!」(10・19「原発輸出問題を考える」集会参加者のメールより引用。

       第一部は、渡辺信夫牧師の基調講演(「原発輸出問題と私ー歴史的観点からの考察」)からはじまり、原子力爆弾と関連した原発の輸出というものの考え方はそもそも歴史的にどのような起源をもつのか、それに対抗する考え方、生き方とはどのようなものなのかという点について、今年90歳になり戦争を経験し、第二の人生の課題として平和を求める生き方、あり方を求めてきたが、3・11の原発事故を目撃し、新たに第三の人生の課題が待っているということを思い知らされたというお話をされました。

       そして残る人生を原発の問題に取り組み、原発を止めさせるには、つつましく、「考える葦」としてより貧しい人のために用いられる社会にしなければならないということを強調されました。私たちが何故原発に取り組むのか、その目的は何なのか、しっかりと考えていきたいと思います。詳しくは後日渡辺さんの講演内容をすべて公開いたします。

第一部はその他に「原発メーカー訴訟」団長の島昭宏弁護士から、「原発メーカー訴訟」を何故起こすのか」というタイトルの講演がありました。
メーカーを相手にした訴訟はすぐに負けるからやめた方が良いと諸先輩からアドバイオスされたということをユーモラスに話しながら、そもそもメーカーの免責を記した原子力損害賠償法の目的の項で「原子力事業の健全な発達」を謳った法律は憲法の基本に反していないかという観点から、「新しい人権」概念を準備しているそうです(公表しないでほしいということですので、ここに記しません!)。
22名の弁護士と素晴らしい訴状を書き上げると宣言していました。期待大!

第二部は、NNAFの佐藤大介さんがわざわざ「応援」に駆けつけ、3・11の事故が起こる20年も前から原発問題に取り組み、これまでアジアとの連帯、それも現場を重視してきたことについて話しをしてくれました。

インドネシアや韓国、台湾との交流を通して、特に台湾にはこれまで27回以上訪問し、日本の日立・東芝・三菱が作った第四原発に触れ、
もし事故が起こってメーカーが責任をとらないというのであれば本当に申し訳ない、これからは台湾ばかりかトルコなど各地でメーカーの責任を問う運動を現地でやってほしいというお話でした。

次の発題は、40年前、在日として日立就職差別闘争をして勝利して日立に入社し、今は嘱託社員の立場で働く朴鐘碩さんが、日立の会長や社長に原発を一日も早く止めることを訴えていること、リトアニアなどへの原発輸出は決して許されないということを強調しました。

特にネット中継があることを意識して、日立の原発輸出STOPのプラカードを掲げながら、これを日立の経営者や労働組合が見るだろうから週明けに会社に行ったら何か言われるだろうとユーモラスに話していました。

社員にものを言わせない雰囲気(「企業内植民地主義」)の会社内で、組合をはじめ原発の是非についての話は一切出ない実態から、現場と原発輸出の関係を説明しました。会社内での自分の生き方が問われていると言いながら、これからも日立の経営者にものを申していきたいと力強く語り、大きな拍手が沸き起こりました。

 第二部のパネルディスカションの報告です。全体司会は矢吹
一人さんで、一部の終わりに原告になる手続きをしてほしいと訴え、20名を越す人が原告になってくれました。パネルデスカション司会の大久保さんが大学の友人であった元国会事故調査委員会のメンバーの田中三彦さんからのメッセージを紹介し、この裁判の弁護団の相談役として協力したいという話しがあったことを伝えてくれました。


ぺネルディスカションのはじめにFoEの満田夏花さんと崔がそれぞれ10分の発題をしました。写真左より、河合弁護士、島弁護士、渡辺信夫牧師、満田夏花さん、崔のメンバーです。
満田さんは、避難の権利の保障はまったく確立されていないと怒りをもって福島の実態を説明してくれました。そしてトルコやヴェトナムの原発建設のための現地調査の予算は税金から出されておりこのようなことは許されないと語っていました。
(左の写真はネットから拝借しました)


私は、福島の現地を回りそこで沈黙とあきらめが支配していることを目撃し多くのことを考えさせられとして、三つの仮説と一つの提案をしました。

みっつの仮説とひとつの提案
1.日本は被害者の徹底した救済をはかりその責任を追求することのない、無責任社会である。
2.日本は戦前、戦後一貫して外国(人)への加害者の立場に立ってきた。1と2の仮設は表裏一体。
3.原発体制とはアメリカの核による世界支配のもと、被曝労働者と地方を犠牲にし、さらに海外に犠牲を押し付ける戦後の植民地主義であると捉える。
提案:この仮設の上で、市民の国際連帯運動を拡げること、そして何よりも「原発メーカー訴訟」を具体的な象徴として世界的に展開することを提案しました。

脱原発弁護団全国連絡会共同代表の河合弘之弁護はパネルディスカションのコーディネーターとして発言され、最初はこんな負けるのがわかっている裁判はやめとけとアドバイスしたが、よく考えとたとえ負けてもメーカーの責任を問うことは大きな意味があると考え直していまは、弁護団に入ったこと、そして裁判だけでなく並行してメーカーの不買運動をしてはどうかと提案されていました。

またこの裁判の意義として、原発輸出とメーカーの責任追及の関係を話され、カリフォーニアのサンオノフレ原発で三菱が起こした「蒸気発生器の配管事故」で廃炉に追い込まれ、契約上の金額の上限をはるかに超える損害を訴えられている例を挙げながら、後者の追及が各国で起こることの意味を強調されていました。

その後、30分にわたりフロアーからの多くの質問・意見がありました。
・原発メーカー(日立、東芝)における原発の売り上げが占める割合→意外に少ない、10%を切るのでは。
・100円訴訟というのは福島のひとのとってはどうなのか→一部請求訴訟であって、メーカに責任があるということを明確にさせることが目的
・原発体制は植民地主義という発言に対して、国連での小委員会もまたそのように認識ししているが、電気の必要な発展途上国に向けての原発輸出は問題だとい視点では語られていない。
・市民の国際連帯運動ということだが、韓国及びソ連や中国といった国はどうか→韓国は輸出立国なので原発輸出を問題にする声は皆無に近かったが、この6ヶ月くらいの間で大きく変わりつつある。「原発メーカー訴訟」の運動に関わることは、韓国の原発メーカーでもある三星、現代に関しても関心を持つようになるだろう。ヴェトナム、中国は特に中央集権的で特にNPO、NGOの反原発運動を徹底的に抑えているが、いずれつながりたい。
・山本太郎のような知名人とこの運動でつながる考えはあるのか→おおいにある。
・日立の朴さんの意見に感動した。東芝や東電などでも社員の中からそのような声が出てほしい。
・5000円の会費は高いのではないか、また毎年払うということはいくつかの裁判を支援する者としてはつらいものがある→短期間に1000名の日本の原告を集める必要があることから早急に検討して結論を出す(本日の会議で原告の年会費を2000円に決定しました。1月末までの3ヶ月間で最低、1000名の原告獲得を目指します)。

2 件のコメント:

  1. MAさんのメールより

    昨日はありがとうございました。渡辺先生の基調講演、パネルディスカッション、質疑応答も含めて、よい集会でした。啓発させられました。
    帰ってから、貴兄の「反核青年会議」(2012年11月18日)での講演録を読み、また島 昭宏弁護士のNNAA設立記念(2012年11月10日)のときの講演を聞きました。
    年金生活者ゆえ、細やかなことしかできませんが、2~3日中に「サポーター」の申込書と年会費をお送りいたします。今後ともよろしく。とりあえずお礼まで

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  2. FBより

    そうですか。私はサポーター2口で2000円振込をしましたが、もしそれで原告になれるならそうしたいです。事務局の方で、その手続きが可能でしょうか。ファックスでサポーター登録を送ったのですが、原告になるには委任状も要りますね。こちらに頂いている手続き書類を確認して、必要な事をいたしますね。
    原告募集、2000円であればもっと参加できる人が増えますので、やってみます。ご返信感謝。

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