2012年6月11日月曜日

「下北<核>半島地域スタディ・ツアー」で経験したことを宣言文として採択しました

6月5-10日にわたった「下北<核>半島地域スタディ・ツアー」を通して現地で見たこと、各地の反原発に関わっている人たち、韓国のキリスト教団体の責任者たち、スイスから参加された世界教会協議会(WCC)の責任者と話し合う中で見えてきたこと宣言文にして、参加者一同で共有化しました。

     6・9共同宣言文
6月5日からはじまった「下北<核>地域スタディ・ツアー」に日本各地、スイスからWCC(世界教会協議会)、日本の「原発体制を問うキリスト者ネットワーク(CNFE)、韓国の「核のない世界のためのキリスト者連帯(CNWFN)が国籍、民族、世代、宗教、立場の違いを超えそれぞれの課題をもって参加しました。そして日本の原発政策がいかに地域の自然、地域の共同体を破壊しているのかを目撃しました。


特に大間において、巨大なクレーンが乱立し、原子力発電所の建設工事再開を待つ怪物のように大きな建造物のすぐ横に、原発建設に反対してきた母親と娘が建てた小さな木造の「あさこはうす」を見たとき、そこに一人の人間の良心、信念がいかに強く神聖なものであるのかを知り感動するとともに、原発は絶対に許してはいけないという思いを新たにしました。



WCCの代表者からは、世界の良心的な市民は福島の被害に心を痛め、日本が一日も早く原発をなくす決断をするのを見守っていることを知りました。

また韓国の参加者からは、第一に韓国は21基の原発を持ち世界一の密度であること、第二にそれを現政府がさらに倍増し、無謀にも全世界に輸出をしようとしていること、第三に韓国第二の大都市である釜山のすぐ傍に30年の寿命が過ぎた古里原発をさらに継続させようとしているという報告がありました。
私たちは韓国の参加者が福島の災害を目撃してまさに自分たちが蒙ったものとして受けとめ、原発に依存する韓国社会を変え、国内外の大きな敵と闘いながら、世界に平和をもたらそうとする預言者的な強い歴史的使命感をもって「核とキリスト教信仰とは両立しない」ことを明らかにした、「核のない世界のための韓国キリスト者信仰宣言」を2012年3月11日に世界に向けて発表したことを知りました。

北海道の泊原発、浜岡原発、玄海原発、六ヶ所村の核燃料再処理に反対してきた参加者からは、それらが活断層の上に建てられ、またそれが軟弱な地盤であることから、根本的に自然災害を避けることはできないと判断し、原発関連施設を絶対に造らせてはいけないという確信を持って粘り強く闘ってきた、市民運動と法廷闘争の報告がありました。

ツアー参加者と、地元函館、札幌、青森から「脱原発国際交流函館アクション」に参加した多くの市民たちは、各地方の個別の闘いを進めながら協力しあい、同時に、国際連帯によって各国の原発をなくすという思いをひとつにして、以下の具体的な要望を謳った6・9共同宣言文を今日ここ、日本キリスト教団函館千歳教会にて採択し、世界にメッセージを発信します。

1.私たちは、「国民生活を守るために」大飯原子力発電所の再稼働をすべきと公言し、産業界の要請を受け早急に再稼動を実行しようとする日本政府に強く抗議します。そして泊、浜岡、玄海をはじめ全国すべての原発の再稼動をしないことを求めます。

2.私たちは六ヶ所村の再処理工場がプルトニュウムを抽出し燃料として再利用することによって、日本政府がプルトニュウムを持つことで核兵器を作ることを最終目的にしたものであることを知っています。戦後日本は経済優先を第一に掲げ地方を切り捨て一般市民の間の格差を生み出しました。そのような差別を前提にし地域に住む人々の安全を犠牲にして地方の自律的な発展の可能性を断ち切って築きあげた「原発体制」を根本的に変えることを日本政府に要求します。

3.私たちは核兵器製造の目的を隠蔽するために、プルトニュウムを使ったMOX燃料のフル装填による前代未聞の危険性を指摘し、国内最大規模の大間原発建設工事再開に反対する函館市民、函館市長の粘り強い運動を支持します。 

4.私たちは30年の寿命の過ぎた韓国の古里1号機原子力発電所の閉鎖を韓国政府に要求し、その困難な運動を展開し平和を作り出そうとする韓国の市民を全面的に支持・連帯します。

5.私たちは、日本と韓国がアジアの国々に原発を輸出することを反対します。原発の輸出と使用済み核燃料をモンゴルなど海外に持ち込む計画を完全に放棄することを日本政府に求めます。

2012年6月9日 

「脱原発国際交流函館アクション」参加者一同、



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