3月24日、韓国の大法院(日本の最高裁判所に相当)で、画期的な判決がだされました。みなさん学校で学んだことがあるでしょうが、戦前、日本が朝鮮を植民地支配をした当時、朝鮮人を徴兵で戦争に連れて行き、また強制して(無理やり)日本の炭鉱、ダム、工場で働かせたことがありました。その人たちが「強制連行・強制労働」への謝罪・賠償、「賃金未払い」の裁判を日本でやっていたのですが、「日韓条約で解決済み」ということですべて敗訴してきました。しかし今回の判決は、三菱重工業株式会社 及び 新日本製鉄株式会社という「日本企業は損害賠償をしなければならない」というものなのです。
このことは、戦争中の従軍「慰安婦」の問題と、広島・長崎で被曝した7万人の朝鮮人のうち生存している(北朝鮮を含めた)在韓被爆者の問題に対して韓国の憲法裁判所は、韓国政府に対して彼らに対して十分な対応を日本政府に求めなかったことは「不作為」で憲法違反と断定したことと合わせ、今後、大きな問題になるでしょう。韓国政府は裁判所の決定に応じて日本政府に向き合わなければならず、日本政府はいつまでも「解決済み」と無視して逃げ回ることはできないはずです。みなさんは、日本政府を信用しますか?彼らの瓦礫問題や「安全神話」をばらまいてきた経歴からして、まずその主張は疑ってかかるべきですよね。
戦前、朝鮮人を「強制連行・強制労働」させた企業は、日本人はみんな強制的に働かせられており、連れてこられた朝鮮人は当時「日本人であったから」、日本政府の方針に従ったまでで「合法的」で問題はなかったという態度です。一方、韓国側はその「日本人にした」こと自体、「強制動員自体を不法と見ている大韓民国憲法の核心的価値と正面から衝突する」と判断したのです。さて、みなさんはどのように判断されるでしょうか。戦争の反省を戦後日本の国是の前提にするのであれば、まず日本政府が過去の過ちを認めることからはじめないと何も解決しないということはおわかりいただけるでしょうか。
NYタイムズから。日本の領事館は桜を寄贈
するから「慰安婦」のこの「記念碑」を撤去
するようにと要請し、失笑を買っています。
参考までに:「3・11時代」公開シンポジュームに参加してー植民地主義の見直しをまず日本政府は、戦前のすべての問題は「日韓条約で解決済み」と言い続けているのですが、その協定第3条には、「両国の間に解釈をめぐる紛争があるときは、まず外交上の経路を通じて解決を図る」とあります。「解釈をめぐる紛争」とは両国で解釈の違いがあるとき、という意味です。
このことを日本のマスコミは取り上げず、多くの人は日韓条約で終わったことを韓国はいつまでもしつこく言っていると思っているひとが多いようですね。それに北朝鮮とはいまだ国交がない(日本の正式な謝罪、賠償がなされていない)ということを、「拉致」問題のキャンペーンで国民は忘れさせられていませんか。http://www.oklos-che.com/2011/12/blog-post_5520.html
さてここからが本題です。私は「脱原発かわさき市民」の立ち上げから関わり、一回の学習会で終わらせず、継続して運動をすることを主張してきた一人です。ですから、瓦礫の問題、リニアカー問題に関わる人たちとは「仲間」です。この前提の上で、議論を進めます。問題は、上記の問題と瓦礫の問題とは何の関係があるのか、ということではないでしょうか。
1 瓦礫の問題はどうして起こったのか?
2 3・11の福島の原発事故によるものではないのか?→「安全神話」が嘘であった!
3 戦後日本が「平和利用」という名目で作り上げた「原発体制」そのものに問題があったのではないか?
→広島、長崎の被爆を経験したのにどうして挙党一致で、国民の圧倒的な支持の下に原発は作られたのか、この反省・分析は不可避!
4 「原発体制」は、貧しい地方と、被曝を覚悟する労働者の犠牲の上になりたつ差別社会ではないのか?
5 それは戦後日本の「平和・民主主義・住民主権」という国是が形骸化していたからではないのか?
6 その形骸化は、日本社会が植民地支配の清算をせず戦争責任を全うしてこなかったからではないのか?
http://www.oklos-che.com/2011/10/blog-post_15.html
さて、上記の1~6の展開をみなさんはどのように考えられますか?日本は神武景気のころの経済発展の時代が終わり、20年以上、停滞が続き、今や格差の問題が明確になりました。誰もが中産階級だと喜んでいる時代ではなくなりましたね。従って、上記5の「日本の平和・民主主義・住民主権の形骸化」は素直に受け入れられると思います。そうすると、次の6の、「その形骸化は、日本社会が植民地支配の清算をせず戦争責任を全うしてこなかったからではないのか?」という私の問いの是非をめぐる議論になるでしょう。
私は別にこの議論を若いお母さんたちとしたいと思っているのではないのです。議論したい人はいつでも歓迎しますが。そうではなくて、瓦礫の問題の背景には私が羅列した問いが不可避的にあるということを認識していただければいいんです。目の前の問題を直視しながらも社会的、歴史的背景を知るようになればいろんなことがわかってくるのではないでしょうか。
さて、瓦礫の問題は本当にやっかいですね。國米さんのメールでは、北九州だけでなく、沖縄にまで飛び火したのではないかということです。この問題は、青山貞一さんの映像をごらんになるのがいいと思いま
す。
http://www.ustream.tv/recorded/22778006#
瓦礫の問題を通して日本政府の実態と問題点がはっきりと見えてきますね。そしてその問題は、地元で3・11と同じ規模の地震・津波が起こればどうなるのか、この災害のことも考えていかなければならないということにつながると思います。
参考までに:地震・津波の災害に関心が薄い人が多いのはどうしてでしょうか?
http://www.oklos-che.com/2012/05/blog-post_17.html
貴殿が投稿されている団体のMLから来ました。
返信削除1-5の瓦礫の問題や原発の問題は、未だ良しとしましょうか。
これと6(=植民地支配の清算)を結びつける根拠が全く意味不明なので、どこかで分かり易く説明して下さいね。
個人の意見を述べるのは自由ですが、根拠の無いモノの見方を撒き散らすのは、公害と同じです。
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