2012年4月28日土曜日

「在日」の生き方と地域問題への関わり方(その2)ー病んでいるのは日本人社会



「在日」の生き方と地域問題への関わり方ー病んでいるのは日本人社会
http://www.oklos-che.com/2012/04/blog-post_08.html

ブログで公開したこの小難しく長文の拙論が今日現在で567名の訪問者になりました。もともとは斎藤純一編『人権の実現』のなかの「人権の実現ー『在日』の立場から」なのですが、それを「今改めて『在日』の主体性を問うー地域社会変革の当事者」と銘打ってブログに載せたところ、2-3日で30人くらいが訪問するだけの、私のブログの中では最下位に属すものなりました。

そこで私は、「「在日」の生き方と地域問題への関わり方ー病んでいるのは日本人社会」と改題したのです。私はめったにないことですが、訪問者が少ないとタイトルを変え、様子をみることにしています。これまでのところ、大体、その度に訪問者は増えています。目につくと言うか、ブログに入って読んでもらうのに、タイトルの役割は確実にあるということでしょうね。

私はブログの内容を、OCHLOS(オクロス)通信で一定の読者に送り、短く紹介してFacebookとTwitterに載せます。訪問者が多い時は、まずTwitterでリツィ―トする人が多くいるという特徴があります。今回は30名を超える人がretweetされています。

そこで私はある試みを始めました。反応してくれた人にすべてメッセージを送り、率直な感想をお願いすることにしたのです。私の拙論は、ある意味、「在日」の地域論です。これはこれまでの「在日論」には決定的になかったものです。私はマイノリティ問題なるもの問題の立て方そのものを批判しました。それは徹底的にマジョリティ問題であり、マジョリティの病理だと主張しました。

しかしそれだけでは単なる批判に終わります。私の主張の特徴は、マジョリティ問題を社会の構造問題と把握し、その解決を私たちマイノリティ(=在日)も一緒に担うと言い始めたことでしょう。勿論、在日は日本人でないのだからマイノリティの概念に入れるべきではないという主張もよく理解した上でのことです。私は在日の存在根拠、寄って立つべきところを国民国家の枠に入れ込むこと自体に反対しているのです。国家とか民族に自分自身のアイデンティを収斂させる必要はまったくありません。何世紀かの課題である国民国家なるものを突き抜け、来るべき社会のあり方に、むしろアイデンティなるものがあるのなら、そこに依拠したいものです。

これは3・11以前に書かれたものですが、その主張は3・11という未曽有の経験をして、災害で死ぬのに国籍も民族も関係がない、死ぬときは一緒という経験を介して、自分自身、自分の家族が生き延びるには地域社会を変革するしかない、というこの拙論の主張と重なっていくのです。

この主張からすると、「多文化共生」は圧倒的なマジョリティのパターナリズムであり、マイノリティにとっては民族を強く謳いながらも、現実変革ではなく、現実への埋没になるしかありません。「多文化共生」は植民地のない、現代の植民地主義イデオロギーです。民族主義は「多文化共生」論に吸収されます。

民族主義者は国民国家の枠を越えられず、地域社会変革に参加することはないでしょう。在日の論客として有名な徐京植に言及することが多いのもその論証のためです。私は個人的には彼のことは面識もなく、まったく知りません。彼の認識によると在日の集合地域は別にして、多くの在日は砂のように日本社会に埋没していると捉えます。

今改めて「在日」の主体性を問うー徐京植との接点を求めて
http://www.oklos-che.com/2012/04/httphomepage3.html


しかし3・11を経験した私たちは在日の多いところに住もうが、日本人しかいないところに住もうが、自分の住む所で自分自身と家族の命をどう守るのかということを考えざるをえず、そのために地域社会への働きかけをせざるをえなくなったのです。それは韓国で原発事故があった場合、日本社会にも致命的な影響を与えるが故に、在日が韓国に対しても有権者となった今年からはしっかりと韓国の原発政策を批判しなければならないということと矛盾しません。この点では徐京植とも私は共闘できると思うのですが、他の在日はどうでしょうか。姜尚中を含め、在日の大学教授をはじめとした著名な人たち、一般の人たちも声を上げるのでしょうか。

私の臨海部の災害対策に関するいくつかの文書はこの「人権の実現ー『在日』の立場から」という拙論の考え方に拠っています。私に感想を求められた人はこの点に気付いてくれるのでしょうか、楽しみです。上記拙論を未読の方は、是非、一読くださり、ご意見をいただきたいと願います。

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