2011年9月6日火曜日

津波への備えのない、エコ発電都市川崎の実情を目撃

左にあるのは広大な敷地に敷かれた太陽パネル、右端の海との間に遮るものはなにもない
日本最大のバイオマス発電所から見た光景、自慢できる発電が一望できる しかし津波が来たら?

本日、「合同バス見学会」があり、一行28名が川崎臨海部にある、川崎市のエコ発電都市(環境都市)を見学しました。

行先は、
1.かわさきエコ暮らし未来館(屋上より日本最大級の太陽光発電所を見る) 
2.東芝原子力発電所を前を通り、緊急事態応急対策拠点センター(文部科学省の東芝臨界実験原子炉の事故に備えた施設)
3.川崎バイオマス発電所(日本最大級のバイオマス発電所の13階から、東京都の関心の高い、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた天然ガス発電所、風力発電、川崎で二つ目の日本最大級の太陽光発電、火力発電が一望できる)

この2葉の写真は、いずれ川崎市が、エコ発電都市あるいは公害を克服してその過程で蓄積した技術でつくりあげた、世界に誇る環境都市と銘打っているものを写しています。しかしこれは私の独断と偏見に基づくのですが、それらはいかに災害の備えのない、いざというときには大変もろいものだというのが、私の印象です。

最初の写真は左側が太陽光を吸収するパネルで、右端に見えるのが海です。平坦で津波が来れば遮るものはなにもありません。次の写真も同様で、すべての自然エネルギー発電所と火力発電所は津波で埋没するものと思いました。東京新聞が川崎市のエコ発電を称賛した記事をお読みください。「エコ発電都市(環境都市)川崎の陥穽」 http://www.oklos-che.com/2011/06/blog-post_28.html

濱田教授がアエラで語られた災害には地震による東京湾炎上のことを強調されていましたが、http://www.oklos-che.com/2011/08/blog-post_17.html しかし今日私たちが臨海部の見学をして一番感じたのは、災害(特に津波)への対応策が全くなされていないという事実でした。地震によって東京湾が炎上し、いくら発電所が多くあっても石油や石炭が持ち込めなくなったらどうなるのかという可能性を濱田教授は説明されていますが、それより津波によってすべての発電所が水没したら川崎はどうなるでしょうか。

津波がくればどうなるのかという質問に対して、川崎バイオマス発電所の案内をしてくれた人は、策など何もない、3・11の時も上の方に逃げ津波が来ないか見張っていたという経験を話していました。津波がくれば電源を切り作業をストップするので原発のように迷惑をかけることはないと言っていました。かわさきエコ暮らし未来館と緊急事態応急対策拠点センターの職員は、液状化の危険性を正直に語っていました。

川崎直下型地震は、川崎全体に一番影響を蒙る地点ということで東京に設定するのでなく、臨海部にとって一番厄介な場所に地震が起こることを想定し、地震による破損や液状化の問題だけでなく、津波によってどのような被害が起こる可能性があるのか、市は早急に調査・研究に着手すべきです。

東芝の実験原子炉の事故に備えた本格的な装備

センターの玄関にあったポスター

午後に見学した、緊急事態応急対策拠点センター(川崎オフサイトセンター)で見聞きしたことは大変、意外でした。施設は東芝の臨界実験原子炉の事故に備えたものですが、東芝の臨界実験原子炉は熱も出さず、出力わずか200ワットなので炉心は手で触ってもなんともないくらいの小さなものと言いながら、本格的な事故に備えている施設の規模の大きさがいかにも合いません。私には東芝の実験用原子炉はいざというとき、人間がコントロールできない事態もありうるからこそ、そこまで厳重なシステムを具備した施設にしているのだとしか考えられません。

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