2011年9月2日金曜日

モンゴルの話は本当になくなったのか?

モンゴルと日米で包括的燃料供給(CFS)が締結されたといういきさつは以下のブログを参照ください。
「使用済み核燃料をモンゴルに貯蔵」報道(共同通信)について
http://www.oklos-che.com/2011/07/blog-post_828.html

ここに来て、8月22日の信濃毎日の社説で、「菅直人首相は衆院予算員会で、使用済み核燃料をモンゴルに持ち込む構想について、「外国で貯蔵、処分することは現時点では考えていない」と否定した」とあり、同時に、7月下旬にモンゴルは、「海外の使用済み燃料をモンゴルに持ち込む構想の実現はむつかしいと日本政府に伝えてきた」と報道しています。この記事を目にして私はすぐに信濃毎日新聞に電話をして、モンゴルの誰がいつ、日本政府に伝えてきたのか、東芝などの民間会社が進めていることを首相が否定したのかと尋ねました。

信濃毎日はWebで情報を公開しながら質問は手紙でという、時代錯誤的な対応をするので、こんな簡単な質問をどうして手紙で送らないといけないのかとかなりやりあいました(笑)。結論は、モンゴル云々は共同通信7月27日の報道に拠っていること、菅首相の発言の背景はわからないということでした。

ネットで調べてみると、松本外務大臣が27日に国会答弁で、23日にモンゴルの外長(外相?)が「国内の法律規制による、外国の核廃棄物の地層処理は受け入れられない」と言ってきたと明かしたようです。

しかしこれら報道はそのまま受け取ることはできません。まず気をつけなければならないのは、菅元首相の発言です。辞める直前に「現時点では考えていない」としたのは、今後新首相の下ではわからないということでしょう。またモンゴル外相の発言も眉唾ものです。そんな規制があるのなら最初から東芝は、その手の話に乗るはずがありません。アメリカも噛んだ話であればなおさら、モンゴルを含めた具体的な契約の話が進展していた、モンゴルと日本での反対運動が収まればすぐに復活すると見るのが普通です。

しかしいずれにしてもドタバタと進行していた話がひっくり返ったのは、日本とモンゴルで、包括的燃料供給(CFS)に反対する世論が湧き上がったからだと見るべきでしょう。モンゴルはウランを売りたいようですが、そのためには海外からの技術供与がなくてはならず、日米がバーターで使用済み核燃料の処置・貯蔵をモンゴルに迫ったのではないかと私はみています。日本とモンゴルの間には原発建設の話も出ています。

タイでもインドネシアでも為政者は外国と手を結び原発を推進したがるようです。しかしその犠牲者になるのはいつも自然の中で農業、漁業、酪農を営む民衆です。彼らは立ち退きを要求され、自分たちの生きてきた自然環境を汚されるのです。ですから私たちは、そのような民衆と手を結び、原発そのものの輸出を許さないという声を出し続けるしかないのです。



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