2011年8月18日木曜日

人類はもはや原子力エネルギーに頼ってはいけないージャマイカにて清水靖子

清水靖子さんの詩は先日このブログで紹介させていただきました。
http://www.oklos-che.com/2011/08/blog-post_16.html
読者からは、詩を送っていただいてありがとうというメールをいただきましたし、また友人のクリスチャンに転送したいという方もいらっしゃいました。清水さんたちがお作りになった『原子力発電は”温暖化”防止の切り札ではない』という、日本カトリック正義と平和協議会から出されたリーフレットを是非みなさん、お読みくださり、多くの人にご紹介ください。易しく書かれていますが内容は非常に濃いものです。京都大学の小出裕章さん監修で、一字一句に至るまで気を使いチームとして作成したと清水さんから伺いました。編集・デザインも素晴らしいものです。(ご希望される方は直接、ご連絡ください(Tel: 03-5632-7920)。一部20円です。

清水さんのこの文書はジャマイカでのWCC(世界キリスト者協議会)主催の平和会議に出席されたときの報告です。ご本人の承諾を得て「JP通信」(vol.169(2011.JULY)より引用させていただきました。外キ連の小山さんのご協力がありこの報告書のことがわかりました。

カトリックという組織体として「脱原発・反原発」にどのように対応するのかは意見が分かれるようですが、清水さんのように「脱原発」の立場を表明されている方もたくさんいらっしゃると思います。韓国をはじめ、フィリピン、インドネシアなどアジアにおいてはカトリックは深く民衆の中に溶け込んでおり、南米の「解放神学」を支えた民衆の動きが、原発建設に対しても大きな反対運動になるのか、カトリック教会の動きが注目されるところです。私は同じキリスト者として、アジアでの「反原発・脱原発」の連帯運動に関わりたいと熱望します。

崔 勝久

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“人類はもはや原子力エネルギーに頼ってはいけない”とのメッセージを採択して5月25日に閉会したインターナショナル・エキュメニカル平和会議(IEPC)2011に、図らずも出席して帰国しました。以下はそのご報告です。

主催はWCC(世界キリスト者協議会)、ジャマイカの首都キングストンで5月19日から開催されました。同行はNCCの上田博子さんでした。

会議先立つ2週間前に主催者から、NCC(日本キリスト教協議会)に依頼が入り、「福島原発の破局を経験した日本からの声を届ける人を会議に送ってほしい」とのことでした。そこでNCC経由、「リーフレット作成チーム」の私に声がかかったというわけです。

想像できるかと思いますが、私はあたふたと英文でのスライドでのプレゼンテーションの準備をし、不眠不休?のまま機上の人となりました。当然、疲れがどっと出て、途中乗り換え一回の機内で、ほぼ寝っぱなし。気がつくと眼下に夕暮れのカリブ海が波打っているではありませんか。「ああジャマイカ!」不思議な感動が私を包みました。

会場は高台にある静かで広大なジャマイカ西インド諸島大学(医学部総合大学)でした。世界各地からの宗教者1000名が続々と到着します。ジャマイカは秋田県ほどの大きさの国ですが、以前からのコーヒーや砂糖産業、ボーキサイトなどの鉱山の重労働、政治経済の不安定と腐敗、麻薬など、民衆は貧しさのどん底で喘いでいました。ジャマイカと同様の重荷を負うアフリカ系の国々からの参加者も目立ちました。毎日全体集会があり、祈りと、あらゆるテーマのワークショップがありました。

主催者の配慮の末か偶然か、私の発表は、放射線医学科の階段教室でした。映写設備も万端で、前日からの準備に同科の教授や学生と接することができたのも意味深かったです。優しく思慮深く素敵な人々の出会いがありました。

講演の内容は、『原子力発電は“温暖化”防止の切り札ではない!地球上の生命環境にとって最悪の選択』のリーフレットの内容と、原発の不正義、3・11以後の経過、人類の歴史の大きな曲がり角にあって、日本の民衆の間から何が生まれつつあるのか、希望をもって原発全廃に向かう決意と、世界の仲間への呼びかけを発表しました。

参加者は、ドイツ、ロシア、ジャマイカ、インド、インドネシア、台湾、韓国、オーストラリアなど。特にWCCの委員で、開催地域のメソディスト教会の代表、レスリー・アンダーソン司教の強力な支援は、おおいなる励ましになりました。当日発表を見に来られなかったので見たいという人々からの願いで、個別に夜な夜なスライドを見せました。こうしてケニヤ(カトリックの司教)、デンマーク、フィンランド、米国からの参加者たちとも出会い、私たちは原発廃止への最終回のメッセージへと思いを結集して行きました。
最後のメッセージを聞きながら、私たちは抱き合って喜びあいました。

こうしてふとしたことから、NCCを通して神さまが私の背中をも押してくださり、ジャマイカの人々や、世界の反原発者たちと連携していく機会と、原発のない世界へ共に歩む道を与えてくださったことを、多くの皆様に感謝申し上げたいと思います。

ジャマイカにて清水靖子(2011年)5月25日。
「JP通信 vol.169(2011.JULY)より引用

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