2011年5月8日日曜日

投稿:「原発で設けるな」というスローガンが関西の運動の中で実現しました

Facebookで知り合った神戸の吉田明彦さんのメッセージを皆さんにご紹介させていただきます。御本人の承諾をいただきました。吉田さんは阪神間地域のホームレス生活者の自立を支援する「さまりたんプログラム」に関わり、神戸女学院大学で非常勤講師をされています。

今の原発運動の中に日本が世界に原発を輸出していることに対する加害者意識がない、それは植民地支配に対するこれまでの歴史意識が欠如していたことの流れかもしれないと私は考えてきましたが、期せずして横山さんも同じような問題意識を持たれ、実際の運動の中で問題提起を続け、関西での運動の中で「原発で儲けるな」ということをスローガンにすることができたそうです。是非、関東でも実現したいものです。

日本でなくそうとしている原発を世界に売り込むのはやめさせなければならないのは当然のことです。またそのような運動を韓国でも起こしてもらい、私たちと連帯して共に立ち上がる日が来ることを私は祈ります。

崔 勝久

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崔さん、コメントありがとうございます。大阪での集会で日本政府のインド、ベトナム、ヨルダン、韓国(そして韓国政府・企業と新規受注を狙って熾烈な戦いを進めているトルコ)などのアジアの国々を含む海外への原子力協定に基づく原発プラント・技術・核燃料の輸出の問題を私は訴えてきました。

それに先駆けて大阪の実行委の方たちにこのことを訴えたところ、真剣に受け止めてくださり6月以降、世界中の反原発運動と連帯した国際的な集会を開く準備をしてくださることになりました。また今後の政府・企業への要請・抗議行動には確実にこの点が盛り込まれていくはずです。すでにこの点を念頭に1日の大阪でのビジネス街での反原発メーデー・デモではシュプレヒコールに「原発で儲けるな」が含まれました。これは日本国内の原発を止めろという要求より一歩踏み込んだものです。

関西は首都圏に比べ自らが被曝者・被害者であるという危機意識がまだ薄く大衆行動の広がりが遅い代わりにおっしゃるような被害者意識だけに拘泥した運動を超えた運動が展開する素地があるのかも知れません。

また、4月26日に行った神戸の国内最大の原子炉工場のひとつ・三菱重工業神戸造船所への抗議申し入れの要請書には輸出・新規受注のための現地工作も止めるようにとも明記しました。同社の原発生産を「成長産業である」として支持する神戸市長・神戸市への抗議の申し入れでもこの点を明言しました。

今日の神戸でのデモは上記にあるように主催者側では統一見解・声明を出さない模様ですが意見発表の際に私はこの点を訴えます。極言すれば反原発行動に三菱重工業などによる原発の海外輸出・移転が含まれなければ神戸で運動をする意味はないと私は思っています。

それから先日、韓国で非正規労働者の労働運動を取材し映画を作ってこられたオ・ソヨンさんとお会いした際、韓国の原発について、またそこで被曝し健康を損なっているに違いない労働者たちのこと、韓国と日本が相争って進めている原発輸出の問題についてなど意見交換をし、その後もリサーチのための情報を求める彼女に情報提供を続けています。1日の反原発メーデー・デモをビデオ・カメラで記録した彼女のインタビューでもカメラに向かい韓国の方たちに向かって労働運動を反原発運動に発展させるよう訴えました。

ここFacebookでも私は国内・海外に向け原発輸出の問題をずっと訴え、国際的連帯によってICRP、IAEA、各国政府・企業・学界全体などからなる原発政産学共同体全体を無力化できるようそれぞれの場で運動していただきたいとアピールし続けています。

原発輸出、そして核開発技術・核燃料の輸出、核廃棄物投棄の海外への押し付けなどの問題が全国の反原発行動で明確に取り扱われることを期待しています。今後反原発行動が国際的な連帯(特にアジア諸国の人々との)によって進められるなら崔さんがおっしゃるような現時点での運動の弱点は克服しうるかも知れないと期待しています。

フィリピンの現代史家レナト・コンスタンティーノは日本のアジアへの経済進出を「第二の侵略」と呼びました。日本の原発ビジネスはその中でも最悪の類のものです。日本の原発運動が海外への原発・核拡散をストップさせるところまで闘い抜けるのなら、日本の民衆がアジアの人々への負債に対して歴史上はじめて本気で責任を取る機会になるのだと思っています。

吉田明彦

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