2011年4月17日日曜日

「歴史」と「原発」の学習会に参加してー福島の放射線は要注意

先日「脱原発・川崎市民」の旗をつくりデモ行進したことは既にブログでお知らせしました(http://anti-kyosei.blogspot.com/2011/04/blog-post_11.html)。

その最初の集まりに来られた元教員のKご夫妻のお誘いで、今日、日曜日の午後に「教育に憲法を生かす川崎市民の会」主催の学習会に参加しました。「戦前の歴史教育」の復活は、何をねらっているのか?」という主題で、(子どもと教育書全国ネット全国運営員会)の石山久男さんのお話と、緊急報告ということで、神奈川県県立高校教諭の早川芳夫さんの「原発」に関するお話がありました。


石山さんのお話は「つくる会」系の教科書がどのような傾向を帯び、どのような問題をもっているのか、詳細な資料をもとに説明されました。彼らの教科書はなぜ危険なのか、それは「侵略戦争と植民地支配を美化し正当化する」ためであるという明確な判断の下、教科書の具体的な記述を取り上げて紹介されました。横浜・神奈川をベースにして展開している彼らの攻勢はすさまじく、政治の右傾化・保守化と合わせて、しっかりと見つめて対応しなければならないということを改めて考えさせられました。

一方、早川さんは、元々は地震学を専攻されて地理を教えていらっしゃるということですが、授業では国の方針があり、原発に問題がある、危険だということだけを強調することは許されないらしく、日本の権威ある学者が安全であると主張する内容も教えているとのことです。

お話は、原発推進派でアメリカの学者が作ったレジュメ「福島原発の放射線を理解するー物理と工学から理解する」を資料として、昔懐かしい、元素周期表を基にして、今福島原発で起こっていること、そこから放出されている放射線物質がいかに危険なものかの説明でした。

まず現状理解として、これは横国の中村教授も同様でしたが、日本において中心的に原発を推進し「福島原発事故についての緊急建言」を発表したてきた16名の一人、住田健二(元原子力安全委員会委員長代理、元日本原子力学会会長)のNHKのインタビューでの発言を重視していました。最悪の場合、核物質が格納容器を突き抜け水蒸気爆発を起こすような事態になるともう「お手上げ」だと発言したそうで、住田氏はこれからNHKには出れない覚悟をして発言したのでないかということでした。五重の防御壁で残っているのは鉄の壁だけ、三つのバックアップ機能は全部だめになったというのです。

早川さんは、冷却が成功し、余震で電源がストップせず、汚水の排水が成功し、すべての機能が回復して従事する関係者にミスがなかった場合、1年先に事故の終焉が見えるかも知れない、というご意見で、現状には決して楽観視は許されないという見解でした。

テレビではホウ素の半減期が8日間でセシウムに比べて短いからそんなに心配はいらないというニュアンスで説明されているが、それは誤りで、それだけエネルギーが大きく、毒性が強いということであり、発表された数値は(それまでに相当数の放射線を浴びているということを意味し)、絶対ではないということでした。

また早川さんが危険だと判断する基準は、年間1ミリ・シーベルトで、先日の震災後の計測では既に、4.88~9.8マイクロ・シーベルト/H、即ち年間だと9000倍するので、45~90ミリ・シーベルトになっており、現状でもかなり危険な状態だという判断のようでした。早川さんは、特に子供が雨にあたることがよくなく、数値の数倍、数十倍の放射線になるので、雨にあたらないこと、できれば長靴をはくこと、濡れたものは家に持ちこまないで外で洗う、すぐにシャワーを浴びることを推奨していました。

反原発運動に長く従事してきた経験から、市民として観念的に反原発を唱えるのではなく、市民一人一人の生活様式を考える必要がある、自分の場合は、ガス発電を2年前からやっているといいうことでした。節電を含め、各人のライフスタイルの在り方が問われるようです。

お話が済み質問の時間が与えられたので、私はすぐに、東京湾(川崎臨海部)にある東芝の原子炉と、国策として原子炉の輸出についてどう思うか質問しました。早川さんは、いくら小さくとも、原子炉は絶対安全ということはありえない、事実、川崎北部にあった被日立の原子炉は東芝のものより小さかったが事故を起こしたことがあったということでした。はやり、臨海部にある東芝の原子炉は注意しなければならないようです。

一方、原子炉の輸出に関してはベトナムではもう買わないでしょうという発言でしたが、この点、私はそんなに楽観的に考えてはいけないと思います。これから原発をめぐる攻防戦が始まるのですが、「敵」は例えばブログで報告したように、3月31日に国会でヨルダンとの原子力の平和利用(原子炉をはじめとした原発のプラント輸出)の承認をしています。
http://anti-kyosei.blogspot.com/2011/04/blog-post_16.html

福島の事故の後でも、担当大臣や東芝の社長は当面は予定通りいかなくとも、中長期的には間違いなく新興国(および、先進国の原子炉の交換ー崔)のビジネスにしていかなければならず、そのように実現させるという見通しと決意を表明しているのです。

まず原発の新規建設は中止させる、既存のものは徐々に廃棄、輸出はさせないという運動の原則を確認して計画的に具体化していかなればならないと思います。

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