2011年4月15日金曜日

東芝「原発は経営の柱」(日経)、原発「なお有力な選択肢」(朝日)―これは許せない

世界の主要原発メーカーの一角である東芝の社長は記者会見で、胸を張って、原発事業の継続を発表しました。世界の原発3大勢力にはいずれも日本企業が関わっています。東芝はアメリカのウェスチングハウスを買収し、日立はGEと、三菱重工業はフランスのアレバと組んでいます。

この30年間でみっつの大きな事故を起こしている原発に関して、「環境問題を解決する有力な選択肢」との認識で、「振興国の需要」が根強い、即ち、原発を買いたいという国がある以上そのニーズに応えて原子炉を売るのに何の問題があるのか、炭酸ガスを出さず環境にもよく地球環境に貢献するものではないか、福島の事故は遺憾だが、あれは東電と日本政府のマネージメントの問題、私たちはさらに安全な原子炉に改善している、というのでしょう。

ビルゲイツと組んだ東芝は4Sを強調しています。Super-Safe, Small, Simpleというのです(東芝のHPより)。「福島原発事故の後は、世界は原子炉に代るのか、それとも「凍結」するのか」(http://anti-kyosei.blogspot.com/2011/04/blog-post_03.html)。しかし政府、企業、学者はいつの時代でも安全を強調して原子炉を設置し、そして知られただけでも三つの大きな事故を起こしました。被爆者の蒙った被害を考えると、どうして安全と言えるのか、私にはとても理解できません。

例えば、東芝の会長は記者会見で、自分たちのもつ「WHの最新の原子炉は外部電力がなくとも72時間の冷却が可能な技術が確立されている」と言うのですが、72時間を超える「想定外」の事故が起こったらどうするのでしょう? 原発リクスの完全な払拭は短期間では無理というのは、あらゆる専門家も認めています。何よりも、使用済み核燃力の処理方法は、地下深く数万年も埋めるしか、今の技術ではどうしようもないと言うではありませんか。

新興国への原子炉の販売は、資金面、保守(メンテナンス)、専門家の派遣、それら全ての面倒をみることによって成り立ちます。莫大な費用がかかるものであっても、長期で、運用利益の中から返済すればよし、専門家を派遣しメインテナンスも全部やってあげます、貴国の環境のためにも、他にもいろいろとサービスをしますから炭酸ガスをださない原子炉の発注だけ決断してくれればいいのです、これは私には悪魔のささやきのように聞こえます。これが日本の国策なのです。

福島の事故を繰り返さないためには、古い原子炉は新たに開発した安全な原子炉に代えていけばいいのです、2025年までの原発の新規需要はそうですね、今のところキャンセルの話しはなく、日本は7.7兆、中国は63.5兆、欧州は26兆、アメリカは15.5兆、東南アジア8.8兆、インド16.6兆、中東11.6兆、ロシア17.9兆円(世界原子力協会のデータをもとに経済産業省が試算ー朝日)決まっているのですよ、韓国も有望ですね・・・(原発反対? やるならやってみれば、国が決めたことですよ)

北朝鮮の原発を恐れ抑え込もうとする先進国は、日本を中心に原子力発電に精を出し、広島の原爆のときの500倍にあたる放射線物質をチェルノブイリでまき散らし、それより少ないと言う福島はそれでもロシアの十分の一、即ち、広島の10倍もの放射線物質を出しているそうです。唯一の被爆国日本が、世界で最も原発に熱心だというのはどうしてなんでしょうね。それに反対するデモは数千名。日本国民は結局は、原発賛成で、これまで通りのいい生活をしたいというが本音なんですよ、悪魔の声が聞こえます。

福島の件が落ち着いたら、原子力発電所の新規の建設は許さない、そして今運営されているものは徐々に中止(廃止)にし、同時に、世界への原発輸出をさせない、これ以外の結論はないはずです。

原発推進識者16名の緊急記者会の結論は何でしょうか。「今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝いたします。」今回の事故がおこったことだけを国民に申し訳ないと言っているのでしょうか、違うでしょう。原発は人間の力でコントロールできると思ってきたが、全力を尽くして作った福島の事故で、その人間の傲慢さを思い知った、今後は新たなものは建設しない、これまでのものは無くして行き、みなさんに2度とこのようなご心配をおかけすることのないようにします、そうではなかったのでしょうか。

みなさん、被爆国の日本が世界に貢献すべきことは、原子力の平和利用ではなく、原発はやらないというメッセージを実行し、それを世界に広げることです。私たち、日本に住む外国籍の者も全力を挙げてその運動に関わることを宣言します。

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