2011年4月14日木曜日

孫正義の発言に注目―「心から反省」

「原発は仕方ないかなと思っていた。今回の事故で思い知らされた。心から反省している」、原発は国民投票で決めよ、孫正義に賛成です。
http://www.youtube.com/watch?v=cqiqkr9JKsE&feature=related

私は実は孫正義について発言を控えてきました。「在日」で帰化をしながらも孫という姓を持ち続けるために、日本人の奥さんの姓を変えさせ、実例があるということで帰化したという話も聞いています。

彼の事業家としてもエピソード、マクドナルドのオーナーだった藤田田にこれから進むべき事業について学生のころ教えを乞うたとか、アメリカで翻訳機を完成させて大金を手にしたとか、数限りない成功談を聞きまた読んできました。しかし私は、徳川家のように300年続く会社にしたいという彼の本を読んで、それ以来、論評に値しないと思ってきました。

今回の災害以降、彼の発言はツィターで直接見てきました。副大臣とやりあったこと、被災地での行動や、100億円の私財を出したときにもそれほどの共感はなかったのですが、今回のこれまで自分は無知で、原発をしかたがないものと思ってきたことに対して「心からの反省」をするという発言には、孫正義に心からの敬意を表します。

事業的な成功やそのスケールにおいてビルゲイツと比較する必要はないでしょう。私はビルゲイツが投資した原発のベンチャー会社と東芝が提携し、数千億円の投資をしたという情報を知り、驚きました(http://anti-kyosei.blogspot.com/2011/04/blog-post_03.html)。

彼はビジネスに鼻が利く男で、より「安全な」原子炉がこれからの世界的なビジネスになる、しかもそれは環境に貢献するという言い分をもって自分の金を投資したと言われています。その小さな原子炉が東京湾(川崎の臨海部)にあるのです。「想定外」の事故が起こっても規模が小さいので安心だと専門家は言いますが、私は疑問視しています。核燃料を用いる限り、使用済み核燃料の処置方法は未だ確立せず、数万年も地下深く埋めるということには変わりはないからです。

私は「心から反省する」という発言をしたことで孫正義はビルゲイツを超えたと思います。国民投票なるものが法的にどのようなものか、孫正義は実はよくわからないで発言したのではないか思われます。日本の国投投票は、憲法改正のための手続きだけに限定されているからです。しかしそうであれ、間接民主制によって選ばれた代議士に任していてはだめだという趣旨で彼は発言しているので、それは現状の政治制度と政治の実態に対する批判として公にすることは正しく、立派な態度だと思います。

事業家としての孫正義についてはいろいろな批判がありうるでしょう。川崎の阿部市長も同じですが、私は彼の三選に正面から反対した人物です。しかし今回、福島の災害ゴミを引き受けてよいと発言したことについては、彼への支持を表明しました。それに対して私を120%賛成するとか、「健康的な意見」だということで激励されました。しかし圧倒的多くの人は、川崎に放射線物質を持ちこむなと感情的に反発しています。
http://anti-kyosei.blogspot.com/2011/04/blog-post_12.html

しかし原発は仕方がないと思ってきたことを「心から反省」するという発言をした孫正義に対しては、この面では私は彼を支持し、一緒にできることは協力していくつもりです。

市民運動をしていて本当によく経験するのですが、同じ目的であっても気に入らないとか、好かないという理由で一緒に運動を進めることを拒否する人たちは一杯いるのです。私は周恩来が自分を殺そうとした蒋介石とも手を組み、共同の敵である日本と闘うことを決断したこと、どんな状況でも話し合い、一致することがなかったら、今回は一致することはできなかったということで一致したと笑い飛ばす周恩来をどれだけ尊敬したかわかりません。

タコつぼのように自分の領域だけに入り込んでいたのでは市民運動は大きくなりません。川崎の将来はこの市民運動がいかに根付き、住民が主権者として責任をもって関わっていくという作風を時間がかかっても確立して行かない限り、形骸化した民主主義ではどうしようもないのです。私はこの脈絡で、国民投票で原発問題の決着をつけよと発言した孫正義を支持したいと思います。

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