2011年4月12日火曜日

川崎市長の福島災害ごみ引き受け宣言に、市民からの非難ごうごうーどうしてでしょうね?

「川崎市の阿部孝夫市長は7日、福島市内で佐藤雄平・福島県知事と会談、東日本大震災で大量発生した木材などの粗大ごみを受け入れるほか、ごみ収集車、消防車などを提供し、復興を支援する考えを伝えた。被災地の粗大ゴミは、貨物列車で運搬し、川崎市内の処理施設で焼却する。既にJR貨物と調整を進めており、月内にも始まる見通し。復興の過程で必要となる車両は、消防車10台、バス二十数台などを提供する」。(後略) 2011年4月8日15時13分 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866918/news/20110408-OYT1T00194.htm

阿部市長は、「福島県は地震、津波、原発、風評被害の『四重苦』に苦しんでおり、(福島で育った)自分も身を切られる思い」、と心情を吐露しているようです。

今日、川崎市環境局では、一日中市民からの抗議の電話が殺到し(1000本を超え)たとのこと。多くは主婦で、川崎に放射線に汚染されたゴミが持ち込まれることを恐れての電話だそうです。市のホームページでは、「実際の受入れに際しましては、放射能汚染など市民の健康に影響のない廃棄物を受け入れることとなります。」と記し、生ごみはなく、木の破片など燃える物質だけを運んで来るとの説明に、主婦たちは、もう政府も自治体も信用できないからと、食ってかかるそうです。

2チャンでの阿部川崎市長への非難はすさまじく、辞任を要求したり、死ねという書きこみも見られます。放射線汚染のゴミを燃やしたら風邪にのって西日本にも影響を与え、日本は全滅するだの、「埼玉東京神奈川も川崎のせいでアウト」というのもあります。

私は阿部川崎市長の考えや政策に、反対することが多く、いざというときに戦争に行かない外国人は「準会員」としながらも「多文化共生」を唱えていること、市民との対話を強調しながらも実際は、限られた市民の声を、それも聞き置くだけで、「対話」が形骸化しているということや、何よりも、外国籍公務員の昇進や職務の制限を頑なに撤廃しようとしない点です。従って私は阿部三選に反対しました。

しかしながら、今回阿部市長が東北地方の被害状況を見て、現地の首長の要請もあり、川崎で木片などの災害ゴミを引き受けるとしたことには、賛成です。恐らく、東北地方は、ゴミ焼却の施設も破壊されたか、ゴミが多すぎて処理できないのでしょう。福島だけでなく、他の県からも要望があれば対応すると応えており、私は阿部市長の決断に拍手を送りたいと思います。

福島の野菜や牛肉など、汚染されていなものまで「風評」によって市場に出回らないということもテレビで放送されていました。川崎市の環境局にわざわざ電話をして抗議をした人たちは、それほど放射線に敏感であるということは、原発に関しては新設反対、運転している原子炉に関しては順次廃棄すること、それによる多少の不便は受けて立つという覚悟があるのでしょうか。川崎市の海辺、臨海部にある東芝の原子炉、これも許さない、放射線災害は絶対嫌というのでしょうか。

どうも私にはそうは思えません。むしろ、川崎市が福島のゴミを受け入れるに際して、放射線チェックはどのように確認しているのかを尋ね、そのやり方は納得できないとか、ではどうしたら納得して被災地からの、「再生」に際しての第一歩とも言うべき、崩れた家屋のゴミの受け入れに賛成すると言うのでしょうか。今回の主婦たちやネチズンたちの反応を見ると、自分自身で考え、判断する知性と、困っている人にできるだけのことはするという精神に欠けていると思われます。

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