2011年2月26日土曜日

Web研究会を発足させませんか。

Web研究会を発足させませんか。

Twitterで得難い経験をしました。沼崎さんとは一度もお目にかかったことはなく、たまたまTwitterで知りあい、「多文化共生」をめぐる論争になりました。140字以内という制限があるなかでの論争ですから、次から次へと論争がリアルタイムで展開します。「25日のTwitterでの長時間の論争を公開します」(その1) http://t.co/0zbajXb, その(2) http://t.co/hC5FkVX を参照ください。

チャンネル2やその他でもネットの論争は口汚くののしりあい、レッテル貼りをしてまともな論争にはなりえないとこの間の経験で感じていました。金明秀さんも経験されたようですが、いくら誠意を尽くしてまともに論争しようとしても全くはなしにならない場合が多いのです。しかし140字がどのような基準で設定されたのかわかりませんが、非常にいい字数です。言いたいことを要約するにはとてもよくできていると思います。また、論文を読むには、URLを記せば相手側はそこから論文を読めるので、140字だけの勝負に終わらせない方法があるということです。私の場合、ブログがありますから、そこで大体、A4で2枚以内にまとめたものをTwitterではURLだけ書き込めばいいのです。

沼崎さんはどういう方かまったく存じ上げていないのですが、感情的にならず、丁寧に自分の立場を書かれたので、いい論争になったと思います。そして課題も明らかになりました。要は、彼は仙台で恐らくニュ―カマーが日々経験している問題に関わりながら、それを「多文化共生」という言説で説明されたのでしょう。官僚の体質、地方自治の実態にも批判的な、リベラルな活動的研究者だと思われます。

仙台という土地柄、川崎のように人口の2%が超える外国人がいるとか、朝鮮人集落があるということではないのでしょう。しかし近くにトヨタの工場ができましたし、地方都市として多くの外国人が住むようになったという状況の中で、誠実に外国人問題に取り組んでいるのではないかと想像しています。

しかし40年前の日立闘争から「民闘連」をつくり、民族差別と闘う地域活動を提唱し、その後「多文化共生」批判を展開する中で「地域社会の変革」を考えるようになった私としては、住民主権が保障されていない住民自治のあり方や、地域経済を含めた「地域社会の変革」に結び付かないような「多文化共生」論は、結局のところ、マジョリティの問題を問わず、外国人問題を特化し外国人を二級市民化するパターナリズムによると考えざるをえなくなっていました。

私のこの考えを沼崎さんがどのように理解されたのかは不明です。おそらく、私の論文は御存じないでしょう。ブックレット『地方参政権』やPP研(52号)の「『民族差別』とは何か、対話と共同を求める立場からの考察」、「人権の実現―『在日』の立場から」など「新しい川崎をつくる市民の会」の記録に掲載されているものはまったく目にされていないと思います(http://www.justmystage.com/home/fmtajima/)。

しかしTwitterの論争の経験を通して、私は新たな可能性を感じました。そこでWeb研究会の立ち上げを提唱したいと思います。題材は先の沼崎・崔論争をきっかけにして、外国人問題に各地域で取り組む人たち、「住民主権に基づく地方自治」のあり方を模索する人たち・地方自治の研究者、地域社会の経済や臨海部などのあり方に関心がある人たち、また、「多文化共生」に学問として取り組む研究者、植民地主義を批判する政治思想史の研究者、歴史研究者、憲法学者などと協働して、「多文化共生」とは何かを深め、それを各自の研究や地域の実践に生かしていけばどうかという考えです。

幸いにして、『日本における多文化共生とは何かー在日の経験から』(新曜社)の発行以降、多くの研究者と市民運動を進める人たちと知り合うことができました。アカデミズムと運動との協働は必要不可欠だと痛感します。ジャスト・アイデアですが、みなさんの御意見はいかがでしょうか。積極的な参加をお願いします。特に若手の研究者と市民運動に関わる人の参加を熱望します。

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