2011年1月26日水曜日

崔勝久「人権の実現ー『在日』の立場から」を読んでー坂内宗男

みなさんへ

拙論を読んでの感想を坂内さんが送ってくださいました。坂内さんは調布で「調布ムルレの会」を30年にわたり主宰され、「在日」の人権問題、「韓国・朝鮮の言葉、正しい歴史を学ぶことを中心に」した文化活動、国際交流を深めていらっしゃいました。坂内さんとは実はもう40年も前からの知り合いでした。私がICUの学生の頃、無教会の高橋集会で「『在日朝鮮人問題』についてー『日本人』キリスト者へー」という話をして、それがヨシュア叢書として出されたことがありました。韓国語に翻訳されて韓国でも読まれたようです(http://homepage3.nifty.com/tajimabc/new_page_7.)。

それから40年経って、昨年、「調布ムルレの会」の30周年記念ということで、話をする機会を与えられました(http://homepage3.nifty.com/tajimabc/new_page_199.htm)。「在日朝鮮人から日本人への問い」というタイトルを与えられたのですが、私は「歴史的課題を問う」という内容で話をしました。その内容は、今回、「人権の実現―『在日』の立場から」という拙稿の土台になり、それを読まれての感想が坂内さんから送られてきたという次第です。

法律文化社から斎藤純一さんの編集で『人権の実現』(講座「人権論の再定位」全5巻)として販売されたばかりですので、御希望者は3300円の8掛けで入手可能です。私の論文内容だけでも知りたいという方には連絡をいただければメールで添付資料としてお送りします。

40年前の生意気盛りのときに話した内容と今回の拙論とでは内容に違いがでていると思います。それは私が「在日」としてどのように生きればいいのかを模索してきた地平が多少広がったということなのでしょうか。

崔 勝久

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崔勝久「人権の実現ー『在日』の立場から」を読んでー坂内宗男

いま貴論文拝読、昨年のムルレの会でのお話に啓発されて(先の先を行ってる感で在日に目を向ける日本人でも付いて行けない思いがありましたが)、あれから貴兄の発言を丁寧にメモし、考えてきました。今、地方自治が地方分権の名で叫ばれてますが、概して主張する首長が在日者に対しては差別的発言をすること多く、また経済的視点で論じられており、住民として生きる尊厳の視点が欠落しているのです。

貴兄の視点は、真の住民自治のあり方について道を拓くもので、この視点で日本の地方自治も進展することが憲法の保障する「地方自治の本旨」だとおもいます。一番底辺の各自治体が真の民主的改革なくして日本の真の民主化はありませんから。それから、「住民が生き延びる地域社会」は、とてもわかりやすい訳だとおもいますが、より積極的に「人(=住民)として生きるに値する地域社会」の意がよいようにおもわれます。お礼まで。坂内宗男

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