2010年12月30日木曜日

今年一年の、文字通りの総決算の論文をお送りします。

今年の私のブログのなかで一番反応が大きかったのが、「個人史―私の失敗談(その6、全てを失い新たな旅路へ)」でした。
(http://anti-kyosei.blogspot.com/2010/10/blog-post_18.html)

その失意と新たな決意のなかで今年最後に書いた論文が『季刊 ピープルズ・プラン』52号で掲載されました。http://www.justmystage.com/home/fmtajima/newpage29.html
「民族差別とは何か、対話と協働を求める立場からの考察」というタイトルは、今の私の正直な気持ちを表したものです。ご一読いただき、御批判や御意見をいただければ幸いです。


昨夜は、妻と銀ブラを楽しみ、カンヌ賞をとったドイツ映画の「白いリボン」を鑑賞し、俳優の息子のバイト先で食事をしました。「白いリボン」は白黒の写実的な描写で、背景と人の心理を描ききります。戦前のドイツの片田舎で起こった事件が次から次と展開されるのですが、家父長制社会の実態、その中での女性の位置、性差別、階級社会の実態(農民と男爵)を何の感傷もなく暴き、その不気味さがナチスドイツの戦争の始まりの告知と見事に一致しています。「善き人のためのソナタ」で好演した俳優も出ており、子供たちの演技もすばらしかったです。何よりも脚本と監督のミヒャエル・ハネケの社会と人間を見る冷徹な目には感心しました。来年の1月16日までテアトル銀座でやっています。どうぞご鑑賞ください。

ついでに食事をされる方には、女性客が8割という韓国料理店を紹介します(千山苑、http://r.gnavi.co.jp/e083200/)。サイ・ホージンに会いたいと言っていただければ何かサービスがあるかもしれません(笑い)。

映画と言えば、加納美紀代さん原作の「青燕」、戦前日本でパイロットになり箱根で死んだ韓国人女性の話で日本でもDVDをご覧になることができますが、愚息はその映画で司会役として好演しています。

同じく韓国俳優が熱演する「力道山」もDVDでの鑑賞をお勧めします。村松友視『力道山がいた』(朝日文庫)がプロレスファンとして、最後に力道山が朝鮮人であることをどのように受けとめたかを感動深く書いていますが、その実態を映画はしっかりと描き出しています。正月休みにどうぞ。ついでに、亡くなった私の父は、力道山と同郷(北朝鮮)で、彼の相撲時代からの谷町の一人でした。ボクシングオーナーとしての父を力道山は兄さん、兄さんと呼んでいたことを今も鮮明に覚えています。戦前、戦後を生き切った「在日」のしたたかな面、ダーティな部分と人間臭さをぷんぷん匂わせていた一世たちです。

私は「在日」2世として、正面から日本社会の「変革」に挑戦していくつもりです。みなさんの温かいご支援とご協力をお願いします。今年も後2日、どうぞよい正月をお迎えください。これが今年最後のメッセージです。来年もよろしくご愛読ください。


崔 勝久

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