2010年12月31日金曜日

今年最後のメッセージ、「労働者にものを言わせない「企業内植民地主義」 朴鐘碩

みなさんへ

いよいよ今日は大晦日、速かったですね、この1年。
来年定年を迎える日立の朴鐘碩が、「外国人への差別を許すな・
川崎連絡会議」HPの掲示板に、今年最後のメッセージを発しています。
彼の報告をみなさんにお知らせして、ことし最後のメールにいたします。
どうぞ、よいお年をお迎えください。

崔 勝久
SK Choi

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労働者にものを言わせない「企業内植民地主義」 朴鐘碩
2010年12月31日

日立製作所労働組合は、2010年12月、「2011年春闘の基本方針」(機関紙)を組合員に配布した。また私が属する支部は、来年4月実施の統一地方選挙で同地区の組合書記長を横浜市会議員候補として「委員会で擁立を確認」し、その「組合ニュ-ス」を無言(説明なし)で組合員に配布した。

「春闘の基本方針」を決めた中央執行委員会は、「委員会で議案の提案、審議の全会一致」「職場組合員の意見収集等を行ってきた」「組合員からの意見にも配慮がなされている」と見解を機関紙に載せている。これを読むと、日立労組は組合員の意見を反映する「民主的な組織」であると誤解する。

書記長が市会議員に立候補することは、組合員は全く知らないことであり、「関心もない、どうでもいい」ことである。個人で立候補すればいいことであるが、組合費を使っている。組合員に情報を隠蔽し、結論だけ通知する「組合ニュ-ス」は、「候補者支援の入会申込書」まで付いている。さらに組合掲示板には候補者のポスタ-まで貼ってある。

「春闘の基本方針」は、「委員会で議案の提案、審議の全会一致」したこと、つまり、これも「結論」だけが組合員に通知される。「職場組合員の意見収集等を行ってきた」「組合員からの意見にも配慮がなされている」ことは、一切ない。

組合員たちは、職場で何も話し合っていない。(事前に会社側と協議した内容を)執行部役員は、議案、方針とする。組合の活動、運営に都合のいい、何も言わない、えない、指名されて「選ばれた」評議員が集まる「評議員会」で「全会一致」となり、執行部の意向がそのまま反映され承認される。執行部への批判、反論は一切ない。

組合員に議案、方針の説明はなく、組合員不在時に「組合ニュ-ス」、機関紙が机上に置かれる。「組合ニュ-ス」、有料の組合機関紙は読まれることなく、そのまま廃棄処分になる。私は、質問、意見を執行部、評議員、組合員に送っている。私のe-mailを読んで、チラシ、機関紙の内容を確認する組合員も時々いる。
私のe-mailを読まない組合員も数名いるが、ほとんど読んでいるようだ。質問、意見を出しても、執行部から回答はなく無視されているのが現状である。

執行部は、結論だけを組合員に押し付ける。何も知らされないし、話し合うこともない。理由を明らかにせず、執行部は職場集会を中止(私が職場で大きな声で質問、意見、組合を批判したから?) して 10年以上になる。執行部(と経営者幹部)は、組合員にものを言わせない。元組合員であった経営者幹部、管理職は、このような事実は十分承知しているが、「組合のことだから。何も言えない。わからない。知らない。」とうそぶいている。組合員がものを言う、話し合う場はない。つまり、戦後、65年経過するのに企業社会に「言論の自由」はない、ということになる。こうした状況(日常)は2011年も続くだろう。

組合員は、毎月、半日分の労働時間を組合費として強制的に給与天引きされている。ものが言えなくても、家族のため、自分のため、生きるために我慢して、組合員は働いている。ものが言えなくても、労働者は、企業社会で「生活できる」。組織に問題、矛盾があっても、沈黙し自分だけは長生きしたい、と思うのが本音かも知れない。

企業社会、組織で人間らしく生きるとはどういうことなのか、問われ、悩み続けた2010年だった。おかしいことはおかしいとものを言わせない、抑圧的な経営(環境)は、労働者に重くのしかかり精神を蝕む。(民族)差別、排外主義を生み出している。

果たして企業社会に民主主義は生まれるか、脱「企業内植民地主義」を目指して、定年退職する予定の2011年も「続日立闘争」は続く。

「外国人への差別を許すな・川崎連絡会議」掲示板より、
http://homepage3.nifty.com/hrv/krk/index2.html

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