2010年8月23日月曜日

驚くべき数字、日本は「韓国併合」が悪かったは20%-中央日報

韓国の大手新聞である中央日報が日経と「韓日強制併合100年を迎え、両国国民を対象に共同で電話質問をした分析結果」として、「韓日強制併合」が悪かったという回答が、韓国では78.9%(あれっ、もっと高いと思いましたが)、日本では「悪かった」は20%、「悪い点もあるが良い点もあった」(60%)そうです。そうか、そうすると日本でも「悪かった」と認識しているのは一応、80%になりますね。

私は基本的にこのような数字は信用できないと考えています。質問の仕方、特に電話であれば誘導の仕方で応え方は随分と違ってくると思われるからです。

問題は、「悪い点もあるが良い点もあった」という認識です。これは日韓会談の最初のときからの日本側代表の発言内容であり、遡ってみると、中塚明さんの本では、1946年5月号『世界』に掲載した鈴木武雄さん(元京城帝国大学教授)が朝鮮問題を最初に取り上げたそうです(その後、4年間の空白!)。そこでも鈴木さんは米の朝鮮での増産を取り上げ、日本の生産技術(近代化)が大きく寄与した点を強調し、植民地支配の正当化をしているそうです(中塚明『現代日本の歴認認識―その自覚せざる欠落を問う』(高文研、89-104)。

植民地支配に問題があっただろうが良い点もあったという認識は、日本が朝鮮の近代化に貢献したということであり、「日露戦争前後から専ら言われてきた「朝鮮停滞論・落語論」」(中塚、103ページ)を前提にして成り立つのだと思われます。

韓流フアンが増え、多くの日本市民が韓国に関心を持ち始め、スポーツ界・経済界においては韓国から学ぶべきという声も台頭しているようです。しかし同時に、北朝鮮の貧困、金正日の独裁など「拉致」事件を犯したとんでもない国というイメージも広がり、私は北朝鮮認識の中に植民地歴史観がそのまま繋げられているように思います。

中央日報はFTAが締結されれば、「両国の明るい未来のための基盤が構築されると期待される」と楽観的ですが、対北朝鮮に対しては「制裁」を重視する日本の対応を考えると、私は全く楽観的にはなれません。一体過去の歴史を直視しないでどうして真実の交流がなりたつでしょうか。横浜市では全市中学で自由社版歴史教科書が使われる危険性がとりざたされています。
(http://antiーkyosei.blogspot.com/2010/07/blog-post_28.html)

その教科書では、日本軍が一部のアジア地域で解放軍として迎えられたという写真が載っています。「韓国併合」さえ知らない大学生も多くおり、またそんな教科書を日本の若い人が学んで育つのですよ、私はどう考えても楽観的になれません。

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