2009年8月12日水曜日

新たな一歩、川崎市環境局対策課との交渉

今日、市当局と話し合った内容と、その感想についてのメモを下に記します。
小さな一歩ですが、この2年間の南高校校舎の解体作業を中止すべく地域住民が闘ってきた成果の上で、環境局対策課課長と新たな合意に達しました。

根本問題は、UR都市機構(独立行政法人都市再生機構)に南高校跡地を売却してほしいと阿部川崎市長が神奈川県知事に公式に依頼したことに基因します。

URは県から買い取った跡地を大手ディベロッパに100億円を上乗せして売却し、今あるエスパ(イトーヨーカドー)に隣接して1万坪の大型ショッピングセンターを作る計画です。そのために川崎の都市計画を条例を作り変更しました。新たな道路をつくることで時価を上げ、大型ショッピングセンター以外の、例えば病院や老人ホーム、保育園などの福祉施設はできないように議会が決議しました。ここに阿部市政の街作りについての基本的な考え方を見ることができます。


川崎市と神奈川県の結託の上で、県は校舎の解体工事に入り、その過程において、粉ジンとアスベスト問題が発生し、アスベスト公害を恐れた住民が2年間、必死になって解体工事に抵抗してきたのです。川崎の公害問題を闘ってきた「公害の会」は、何よりも、大型ショッピングセンターができると車公害が起こると反対してきました。今も毎日のように粉ジンが舞い上がる工事現場は、アスベストの危険性をはらみながらも、粉ジンの公害問題を撒き散らしています。

そのような背景を知り、市当局と確認したメモをお読みください。全く楽観は許しませんが、粉ジンの飛散する現状を具体的にどのようにするのか、工事の中止を含め、市の責任を問うことになるでしょう。

崔 勝久
SK Choi

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旧県立川崎南高校解体現場から周辺環境へ飛散する粉じんの対策についての協議

丘広大(文責) 横浜市鶴見区在住(勤務先:川崎区)
日時:平成21年8月12日 16:00〜
場所:川崎市第3庁舎10階 川崎市環境局環境対策課
協議者:環境対策課 小清水課長
     市民有志 崔勝久 他6名

〈協議結果/決定事項〉
㈰ 環境対策課は、旧県立川崎南高校解体現場から周辺環境へ飛散する粉じんについて、住民の健康被害を考慮し、粉じんを周辺環境へ飛散させる工事を行なわないよう神奈川県及び、解体業者に指導する。

㈪ 環境対策課は、住民が粉じん飛散の状況を確認し、粉じんが敷地境界を超えて周辺環境へ飛散しているとして住民から通報を受けたときは、現場に訪れ、解体業者に対して飛散防止措置の対策を講じるよう対応を図る。

㈫ 環境対策課は、神奈川県及び、解体工事業者に対して指導を行なった後も、飛散状況や工事方法の改善の有無を検証する。

㈬ 環境対策課は、市民等からの要望、または要請等があった場合、返答の期日について、市民等が指定した期日迄に返答できない場合には、記載された連絡先に連絡をとり、返答できない旨を伝え、改めて返答期日を相談する。

〈本日の協議の感想〉
 本日は、川崎市との協議の末、上記の4点について御約束をして頂き、これによって当現場の粉じん対策について、川崎市と協力して、状況の改善を図っていけるだろうと感じた。

 しかし、崔氏をはじめ、近隣に住む市民の方々が、工事の現場代理人と当事項について話したところ、工事の現場代理人は、現在、解体工事業者が所有している装備では、粉じんの飛散は防げないことを明言しており、事実、私が確認した限り、本日も解体工事は行なわれ、周辺環境へ粉じんが飛散している状況がつづいており、工事状況は改善されないままである。

 このような状況の中で工事が進められていることについて、環境対策課が、市民の健康被害を考慮し、神奈川県や解体業者に指導を行なうこと、また、その指導後の状況について検証を行なう約束をしたことは、市民の健康を守るうえで大きな前進であり、今後、飛散防止措置の改善が見られない場合には、工事の中止を指導することも視野にいれ、指導して頂けることと受け止めている。

 また、附随して言えば、本来現場に常駐しなければならない監理技術者が、当解体工事現場では常駐しておらず、その工事体制そのものを見直さなければならない。この点についても、川崎市によって指導して頂きたい。

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