2009年8月11日火曜日

日立労組定期大会と労働者の「植民地化」ー朴鐘碩

日立労組定期大会と労働者の「植民地化」 朴鐘碩

日立労組は、1年間の活動報告および今後の運動方針・予算に関する職場討議資料を組合員が不在時に黙って、机上に配布します。「先日配布した、HITACHI UNION NOW 961号、962号の電機連合 第57回定期大会議案、日立労組第40回定期大会議案に関する件についてご意見・ご要望がありましたら、期限までに返信をお願いいたします」というmailをBCCで展開します。

「配布された議案討議資料・議案書の説明も無く、理解していない組合員に意見・要望を求めることは、組合の横暴です。意見・要望を求める前に、資料・議案書の内容を組合員に説明するのが民主主義・基本と正道の原則であり、基本の基です。何故、説明しないのですか?組合員からの質問に一切回答しない組合は、何故一方的に意見・要望を求めるのでしょうか?組合員からの意見・要望はどこに反映するのですか?」と、執行部・役員に質問を投げても沈黙しています。

毎年、8月日立労組、(ソフト)定期大会が開かれ1年間の活動報告および今後の運動方針・予算が決まります。大会に出席する代議員は、6月に各職場区から組合員10名あたり1名の割合で、事前に組合役員から(組合活動に関心さえない)代議員が「指名」され、「立候補」せざるを得なくなります。組合員1300名程ですから大会に出席できる代議員は130名です。

私の職場は組合員50名で5名が代議員に「立候補」しました。が、そこに私が割り込み、定員オ-バになり(評議員にも立候補)、選挙で決めることになりました(選挙結果は掲示板NO.246参照)。他の職場は、選挙する(騒ぐ)ことなく自動的に信任されます。

選挙を実施したのは、32ある職場のうち唯一私の職場だけです。選挙は、公示と同時に不在者投票が始まり、選挙期間は2日間です。選挙時期になると、執行委員長個人の裁量(権限)で組合員1300名から選んだ(判断基準は明らかにしない) 7名の選管委員氏名と選挙活動の注意事項が公示前から1ヶ月近く掲示板に添付されます(が選挙に関心を示す組合員はいません)。

候補者氏名は、小さい文字で公示され、同時に不在者投票が始まります。選管は、「できるだけ選挙活動をさせない」ように仕向けています。私以外の候補者は、組合員に(投票をお願いする)所信を訴えることはしません。私は、当選した(組合活動に無関心であり、意見・質問は一切しない)代議員・評議員に、「何故、代議員・評議員に立候補したのか?定期大会で何を訴えるのか?組合にどのような問題・矛盾・不満があるのか?組合をどのように変革するのか?」など立候補した動機を尋ねたことがありますが、彼らは固く沈黙を守りました。

代議員は、大会に先立って一般組合員から意見を求めることもしません。また大会で発言せず(できず)沈黙しています。上から報告・運動方針・予算に賛成する挙手だけのようです。批判・反対意見を言わない(言わせない)代議員(評議員)を集め、民主主義を偽装して議案・予算を満場一致で可決(全員が挙手している)し、その写真が機関紙に掲載されたりします。しかし、組合員に大会の報告・説明は一切ありません。

定期大会議案書は、「労働条件の向上(春闘)」で「①闘争時の意見交換②タイムリ-でわかりやすい闘争」「職場意見を各種労使委員会の場へ反映し、より良い労働条件となるように努めてきました」と全く事実と異なる総括を記しています。労使幹部が決めた「結論」を組合員に押し付け、組合員にものを言わせない方法で組合員の労働条件を決定するやり方は、弱い立場にいる労働者の「植民地化」です。労使協調(「共生」)を前提にした企業社会では「常識」となっています。

「共生の街」・川崎市のような自治体の職場も共通点があるようです。それは川崎市の外国人市民代表者会議委員の選出方法です。しかも(外国人市民)委員が主体であるべきなのに行政が主体となって運営しています。「当然の法理」を理由に差別を制度化し、外国籍公務員に職務制限した「外国籍職員の任用に関する運用規程」の完成段階において、総務課が「運用規程」を市職労幹部に説明したようですが、「組合幹部は反論せず沈黙していた」ことが、対市交渉で明らかになっています。

このような構図を考えると「当然の法理」(排外主義思想)を理由に同じ職場で働く(外国籍)労働者を排除(差別)しているのは、市当局だけではないということです。労働者の権利を獲得し擁護すべき組合幹部(を支えているのは組合員と組合費)が労働者の権利を侵害する(市長の決断・裁量で撤廃できる)「運用規程」に何故沈黙しているのか?全く理解できません。「当然の法理」を理由に労働者を差別(排除)する市長を誰が選んだのでしょうか?

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