2009年7月2日木曜日

「ものが言えない企業社会」ー日立の現場からー朴鐘碩

「ものが言えない企業社会」

4月の職制変更により、私がいるグル-プは別の職場に異動しました。
 職場が変われば、職場区と組合員構成も異なります。ところが異動した組合員は、組合に自己申告していないのに、評議員から異動通知が知らされます。「評議員(組合)は、どのようなル-トを通じて組合員の(職制)異動を知ることができるのか?」と疑問に思い、質問したのですが、回答はありません。

 私は、組合(執行部)の問題点・矛盾を指摘し、質問・意見をe-mailで組合員にも展開してきました。しかし、今回職場が変わり、評議員はBCCで情報伝達するようになりました。私の質問・意見が組合員に展開されることを防止するためのようです。組合員が意見交換できるように組合員のアドレスを展開するように要求していますが、拒否しています。(組合員はさらにものが言えなくなります)
 
 議案・方針などが掲載された、日立労組機関紙(「HITACHI UNION NOW」組合員の購読料は組合費に含む。1部6円)、「処遇制度に関する意識調査」など「職場討議資料」が組合員の不在時(を狙って)、机上に配布されます。(機関紙は、発行日から2W以上経過している)

 組合から、資料に関する説明は一切ありませんが、「ご意見・ご要望がありましたら、以下の期限までに返信をお願いいたします」(質問は受け付けない)というmailがBCCで評議員から組合員に展開されます。
 組合(幹部)は、内容も説明せず、一方的に資料を配布し、何も知らされない、理解していない組合員(評議員も内容を理解できず、説明できない)に「意見・要望を求める」行為は、あまりにも横暴であるとしか、言いようがありません。IBM事件を教訓にした日立製作所のスローガン「基本と正道」、また「民主主義の原則」に反します。

 また、機関紙に掲載された日立労組の「議案・方針」は既に「結論」になっています。このようなやり方に組合員は、「説明もなく、勝手に結論を提示しておいて意見・要望を求めるとはどういうことか?順序が逆だ!」と疑問と反感を感じるものの、業務(優先)に追われて(疲れて)、質問もできません(できない職場環境になっている)。ですから敢えて「意見・要望」を提出する組合員は皆無です。

「結論」を出しておきながら、何故、組合は組合員に「意見・要望」を求めるのか?
「意見・要望」はどこに反映するのか?
何故、組合は組合員に「職場討議資料」(議案・方針)を一切説明しないのか?
日立労組中央本部が発行した機関紙に「職場討議資料」と書かれているのに、組合員が自由に意見交換(職場討議)できる場を設定しないのか?
労使一体で従業員にものを言わせない職場環境を作っておきながら「意見・要望は出ない」ことを前提に、敢えて「意見・要望」を求める組合(幹部)の意図は何か?など多くの疑問を感じています。

組合員35,000人から集めた莫大な組合費はどこに使われているのでしょうか?
日立労組は、組合員から組合費を強制徴収し、組合幹部への報酬はじめ一部の組合員を対象に(海外)旅行、ゴルフ、ボ-リング大会などの親睦活動にも使っています。しかし、幹部の一人は「組合は親睦会ではない」と明言しています。

今回に限らず2009春闘も組合員への事前説明は一切無く、ワ-クシェアリングを名目に1日/月の休日増加、基本給と賞与カット(することによりどれだけの赤字が補填できるのか具体的数字は示さない)は、組合員だけでなく管理職も疑問を感じたのですが、「世界不況、7500億円赤字、談合・冷蔵庫不正表示による公取委からの営業停止処分などの不祥事」が続き、誰もが沈黙するしかない雰囲気です。「賞与が出るだけでもいい」と(本音を)漏らす管理職もいます。

しかし、親会社である日立製作所に追随したようですが、関連会社の中には「休日は無く基本給カットされた」会社もあると聞いています。親会社が休日でも、関連会社従業員が出勤しますから、日立製作所の生産工程への影響、リスクは少ないことになります。
つまり、関連・下請・子会社の従業員の(献身的な)犠牲の上に親会社・日立製作所の損益・技術は支えられていることにもなります。

日々エンジニアである彼(女)らが、必死に魂を仕事(技術開発)に打ち込んでも、おかしいことはおかしいと率直にものが言えない企業社会(組織)は、様々な不祥事を起こします。

(日立製作所の)労使協調・協創のあり方に日々疑問を抱き、積極的に質問・要望・意見を組合(幹部)に提言していますが、完全に無視されているのが現状です。

朴鐘碩

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