2009年6月3日水曜日

日本学術会議の「当然の法理」についてー朴鐘碩

日本学術会議の「当然の法理」についての朴鐘碩のコメントの紹介します。
「当然の法理」についてはこれまで、鄭香均の東京都との裁判闘争の例が
あり、私たちもこの10年以上、川崎市の「門戸の開放」が「当然の法理」
に基づいており、採用した外国人職員の昇進と職務に制限を加えている
差別制度だとして批判してきました。

しかし日本学術会議の会員は国家公務員の特別職であり、学会は
内閣の諮問機関であり、内閣に答申するので、それは外国人は
「公の意思形成」という「当然の法理」の原則に反するので会員には
ならせないという立場を明確にしています。

会員の間でも批判の声があるようで、「外国人会員」という仕組みを
事務局は検討しているようです。これは川崎市の戦争に行かない外国人
は「準会員」という、外国人を二級市民として受け入れるという発想と
同じです。

会員の資格について、事務局だけで決定するのか、会員もその議論に
加わり決定過程に参加するのか、日本学術会議の見識が問われます。
どうなるのか、見ものですね。

なお、13日。の「多文化共生」に関する講演は4人分の予約済み
です。ください。参加を希望jされる方は私にメールか電話をください。

崔 勝久(skchoi777@gmail.com)
携帯:090-4067-9352

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本学術会議の「当然の法理」について

「会員と提携会員は国家公務員特別職だということは説明しましたが、その説明をしたうえで、国籍に関しては法律ではなく、「日本学術会議は「内閣府におかれる特別の機関」」つまり、国の機関であるため、国籍の件に関しても、内閣法制局での見解に従っていると説明しています。即ち、「当然の法理」という内閣法制局の見解に従っている、ということでした。

「日本学術会議は、内閣府設置法第四十条第三項により、「内閣府におかれる特別の機関」というように定められているため、それを組織する会員及び連携会員は、国家公務員になります。
 国家公務員法の第三条では、日本学術会議会員は国家公務員特別職と定められており、連携会員は第三条には明記されていないため、第二条により国家公務員一般職になります。

 このように、日本学術会議は「内閣府におかれる特別の機関」つまり、国の機関であるため、国籍の件に関しても、内閣法制局での見解に従っているものです。

 ただし、外国人研究者の件に関しては、いろいろと意見が出ているところです。日本在住の外国人研究者にも学術会議の委員会等に参加していただくようにした方がよいという意見が会員の中からも出ているので、在日外国人研究者に外国人会員すなわち会友などという名称で学術会議の会議等に参加していただくことを検討するための委員会の開催の準備をしております」(http://anti-kyosei.blogspot.com/より引用)

日本学術会議主催公開講演会「グローバル化する世界における多文化主義:日本からの視点」
◆ 日時:平成21年6月13日(土)13時30分~17時30分
◆ 会場:日本学術会議 講堂
(1) ”多文化共生”の問題と課題:日本、西欧を視野に」
宮島 喬(連携会員、法政大学教授)
(2)「日本在住外国人にかんする法制度」
近藤 敦(名城大学教授)
(3)「日本における労働市場・労働力移動」
井口 泰(関西学院大学教授)
(4)「“多文化共生”社会における教育のありかた」
佐久間孝正(東京女子大学名誉教授)

採用した外国籍公務員に許認可権ある職務、決裁権ある管理職に就かせない(川崎市をはじめ全国の自治体の)根拠となっている「当然の法理」は、法律でもない単なる内閣法制局の見解にすぎません。
 
日本(最高)の知識人・文化人の組織おいても「当然の法理」が存在していることに驚きました。それでいて当事者である外国人を排除し、「共生」のあり方、問題点を研究・話し合う講演会を開催する、という学術会議の矛盾を私は感じます。

差別を合法化する「当然の法理」(排外主義思想)は、外国籍公務員の職務制限から学術分野に至るまで奥深く浸透しています。

「在日外国人研究者に外国人会員すなわち会友などという名称で学術会議の会議等に参加していただくことを検討するための委員会の開催の準備をしております」と、事務局は回答していますが、学問・芸術の世界において国籍が問題になるのでしょうか?

阿部孝夫川崎市長が「共生」を標榜する一方で「外国人は準会員(二級市民)」と差別発言した問題と共通していると思います。西川長夫さんが言っているように、「当然の法理」は、「植民地なき新植民地思想」でしょう。

朴鐘碩
「外国人への差別を許すな川崎連絡会議」HP掲示板より引用
http://homepage3.nifty.com/hrv/krk/index2.html

0 件のコメント:

コメントを投稿