2009年4月13日月曜日

伊藤さんへの質問とご回答

(1)崔からの手紙ーその1(4月12日)
休日はいかがお過ごしですか。昨日添付で送っていただいたエッセーに関する私の感想です。勿論、伊藤さんの書かれたエッセーには原稿の枚数制限があったでしょうから、そのエッセーだけをとりあげるのは問題であると理解しております。
もし伊藤さんの原稿を私たちのブログに掲載し、MLで送付することを承諾いただけるのでしたら、私の意見・質問も併せて公開させていただきます。私は伊藤さんを老師と仰ぎ、対話を通して事柄をより深く思考したいと願っているのであり、その点に関する誤解のないようにお願いする次第です。

1.日本政府とメディアの北朝鮮に対する昨今の対応はまさに「狂態」であり「過激反応」であるという点、日本政府の対米従属の姿勢、「朝鮮に対する植民地主義の完全な清算なしには、東アジアにおける日本の未来は開けない」というご指摘には賛同します。

2.伊藤さんの論理は、そもそも「安保理決議1718」は不当だという前提であり、 仮にそれを持ち出すとしても、人工衛星は安保理決議に反するという主張は拡大解釈であるというものです。従って人工衛星であったのかミサイルなのかという判断は重要になってきます。日米と北朝鮮は今回の実験がミサイルであったのか、人工衛星であったのかについては異なった主張をしていますが、伊藤さんはどのような根拠で人工衛星であったとされるのでしょうか。例えばこの間、南北朝鮮はテロに関して全く反対の見解を展開してきました。どちらの主張が正しいと判断するのかについては、その根拠が必要と思われます。

3.伊藤さんのエッセーには北朝鮮の拉致事件のことが触れられていませんが、それはどういう理由によるのでしょうか。私自身は金時鐘氏の主張のように、過去の朝鮮の苦難と引き換えにするような論議は避けるべきだと思いますが、拉致事件はそんな過去のことにまったく触れないで、日本の責任を完全に無視していることに違和感を抱いています。しかし今回の「狂態」の背景には日本人の拉致事件に対する反発があるのであり、その日本人の感情を無視することはできないと思います。

4.伊藤さんの日本政府批判の中に、在日の団体(総連)に対する日本政府のとった政策の問題の指摘が欠けています。また、一般の日本人の彼らに対するバッシングには触れられていません。多くの日本人はそれらを仕方のないものと考えているようです(むしろ、当然だと)。この点はどのようにお考えでしょうか。

崔 勝久

(2)伊藤さんからのご返事(4月13日)崔 勝久 様

 お手紙拝見しました。
「休日はいかがお過ごしですか」というお尋ねですが、私には休日も平日もなく、休日の方が忙しいようです。

 さて、お尋ねにお答えします。

 1. まず「伊藤さんは どのような根拠で人工衛星であったとされるのでしょうか」というお尋ねです。それは北朝鮮政府がすでに1月頃から「人工衛星を打ち上げる」と公表してきたのですから、私はそれを信じますし、日本をはじめ他の国々も、それを素直に信じなければ友好関係は築けない、と思っているからです。

 2. 「伊藤さんのエッセーには北朝鮮の拉致事件のことが触れられていませんが、
それはどういう理由によるのでしょうか」。
 もし日本政府が、「拉致事件」が未解決だから人工衛星の打ち上げに反対だと言うのでしたら、「拉致事件」について正面から書く必要がありますが、そうではないので、「拉致事件」については他の機会にも書いてきていますので、限られたスペースで中途半端に書くことはかえって誤解を生む恐れもありますので、ここでは触れないことにしたのです。 

 3.「伊藤さんの日本政府批判の中に、在日の団体(総連)に対する日本政府の
とった政策の問題の指摘が欠けています。また、一般の日本人の彼らに対する
バッシングには触れられていません」
 この問題についても紙幅が限られていたので、正面からは取り上げていませんが、最後に「日本の植民地主義の未清算」ということを書いたのは、それらの問題全部を含ませてのことです。ここで私が「日本政府」と書かずに「日本の」と書いたのは、麻生政府だけでなく日本人の大部分がいまなお植民地主義を清算していないと考えているからです。

 私のエッセイが「マスコミ市民」に掲載されるのは、5月に入ってからですが、あなたのブログに掲載しても雑誌の売れ行きが減る恐れは100%ないでしょうから、ブログ掲載は構いません。

 伊藤 成彦


(3)崔からの手紙ーその2(4月13日)伊藤 成彦さんへ

そうですか、忙しく活動されているのは何よりですね。了解です、ありがとうございます、ブログとMLで掲載させていただきます。
伊藤さんのご意見はわかりました。言及されていないのは原稿枚数の問題であることは重々、理解しております。

北朝鮮は私の故郷で父の出身地です。しかし私は北朝鮮政府の発表をすべてそのまま信じるということはありません。いや、北朝鮮と限定すれば誤解がうまれそうですね。私は基本的に、北朝鮮であれ、韓国、アメリカ、日本どこでも為政者の発表をそのまま信じることはありません、絶えず、裏に何があるのか、どのような思惑か、自分なりに情報を集め、判断するようにしています。

人工衛星かミサイルか、この点に関して伊藤さんは北朝鮮(当局)が発表したのだからそのまま信じる、信じなければならないというお考えのようですが、その点に関しては私は賛成できません。今回に関して言えば、ロシアは初めは人工衛星成功と言っていましたが、すぐに撤回していますね。最終的に、中国もロシアも今回の件に関しては、人工衛星であるという北朝鮮の主張を支持しませんでした。

10月にある川崎の市長選では全力をあげて阿部三選を阻止をしたいと考え、共産党とも市民運動グループとも協力しあいながら、違いよりも共通点を求めて闘いたいと思っています。ご経験豊富な伊藤さんのご指導、ご協力を心からお願いする次第です。

伊藤さんのますますのご活躍を祈ります。お身体にはくれぐれもお大事に。

崔 勝久

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