2008年9月5日金曜日

二宮厚美著『格差社会の克服ーさらば新自由主義』の紹介


二宮厚美著『格差社会の克服ーさらば新自由主義』(山吹書店)を
読みました。みなさんにこの本を読まれることを勧めます。


二宮さんは、格差社会は資本主義社会では必然的なもので

あるが、新自由主義によって決定的に拡大されると捉え、

新自由主義を克服しようと本気でこの本を記したと読みました。


格差社会に関してはそれを称える者から、それを解消しようと

考える者までを取り上げ、その考え方を簡潔に紹介し、徹底的

に批判します。私はその分析、批判は正しいものと思います。


彼は拡大する格差社会を階級と階層という概念で説明します。

新自由主義的政策によって階級格差はますます拡大し、

それによって階層間の格差が増大するメカニズムを簡潔に説明

するのですが、この視点が明確で、すべての批判の核心に

なっています。


新自由主義の信奉者で、「小さい政府」を実践するために

学童保育などを廃止し民営化を進め、福祉の切り捨てを敢行し、

大企業の誘致に血祭りをあげることに成功しつつある阿部川崎

市長の3選を阻止するためには、運動としてネットワークの構築

ともに、何よりも新自由主義を克服するという明確な思想と、

それを地方自治体において具体化する政策提案が必要です。


いざというときに戦争に行かない「外国人は準会員」と公言

しながら「多文化共生社会の実現」を掲げる阿部市長は、憲法

の戦争放棄とすべての人の最低生活の保障という根本理念を

全く無視しているのです。彼との闘いの根本はこの点です。


国政レベルでなければできないことがあります。しかし地方

自治体においてできることもあるはずです。そのことを市長選

まで後2年、阿部3選阻止にはそのことを学者の協力を得ながら

しっかりと準備をしなければならないと痛感します。


この本を一読してどのような具体的な施策が可能か、

みなさんの御意見をお聞きしたいと思います。


崔 勝久

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