二宮厚美著『格差社会の克服ーさらば新自由主義』(山吹書店)を
読みました。みなさんにこの本を読まれることを勧めます。
二宮さんは、格差社会は資本主義社会では必然的なもので
あるが、新自由主義によって決定的に拡大されると捉え、
新自由主義を克服しようと本気でこの本を記したと読みました。
格差社会に関してはそれを称える者から、それを解消しようと
考える者までを取り上げ、その考え方を簡潔に紹介し、徹底的
に批判します。私はその分析、批判は正しいものと思います。
彼は拡大する格差社会を階級と階層という概念で説明します。
新自由主義的政策によって階級格差はますます拡大し、
それによって階層間の格差が増大するメカニズムを簡潔に説明
するのですが、この視点が明確で、すべての批判の核心に
なっています。
新自由主義の信奉者で、「小さい政府」を実践するために
学童保育などを廃止し民営化を進め、福祉の切り捨てを敢行し、
大企業の誘致に血祭りをあげることに成功しつつある阿部川崎
市長の3選を阻止するためには、運動としてネットワークの構築
ともに、何よりも新自由主義を克服するという明確な思想と、
それを地方自治体において具体化する政策提案が必要です。
いざというときに戦争に行かない「外国人は準会員」と公言
しながら「多文化共生社会の実現」を掲げる阿部市長は、憲法
の戦争放棄とすべての人の最低生活の保障という根本理念を
全く無視しているのです。彼との闘いの根本はこの点です。
国政レベルでなければできないことがあります。しかし地方
自治体においてできることもあるはずです。そのことを市長選
まで後2年、阿部3選阻止にはそのことを学者の協力を得ながら
しっかりと準備をしなければならないと痛感します。
この本を一読してどのような具体的な施策が可能か、
みなさんの御意見をお聞きしたいと思います。
崔 勝久
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