2008年9月4日木曜日

外国人労働者問題と「多文化共生」について

来週、外国人労働者の不当解雇や賃金未払いなどの労働問題に
取り組んでいる活動家と会うことになりました。少し、頭の中を整理
しておきたいと思います。以下の展開に問題はありませんか?

●「多文化共生」と新自由主義との関係
「多文化共生」は文化や教育の面でいろんな民族が仲良く、それぞれの
違いを もちあって地域や職場で生きていくこと、それは多様性を認める
こと、などという ように言われています。

しかし、外国人は安く雇用できると経営は考えています。 同じ労働者で
あっても日本人より賃金が安い、これは労働者間での階層格差 ですね。
外国人差別です。


●外国人は安く働かせてもいい、同一労働同一賃金の原則が
守られていない、 どうしてでなのでしょう?
日本の政治、経済は、日本の大企業が国際社会での競争に勝ち抜く
ために 非正規社員を増やし、請負制度を導入し会社の負担を少なく
したいと考え、 それを支える体制を作り上げてきました。
それが新自由主義です。

「多文化共生」は外国人の賃金体系での平等を求める運動に
なっていません。 新自由主義を支えるイデオロギーになっています。
労働運動は「多文化共生」を 賛美するのでなく、撃たなければならない
のではないでしょうか。


●外国人労働者の問題とは何か?
現場での外国人労働者の不当解雇や賃金未払いなどの問題の本質
は何か。 それは新自由主義政策によって、階級格差が拡大し、それが
労働者間での 階層格差をさらに広げているという現状の中で、さらに
賃金を下げるために 外国人雇用が始まり、その流れの中で生じてきた
現象なのではないでしょうか。 労働者総体の貧困化の問題です。

そうだとしたら、新自由主義政策を進める政府と、同調して大企業優先
の 政策をとる地方自治体と、総賃金を下げようとする企業、戦えない
組合、 沈黙を余儀なくされる労働者という、まさに日本社会の現状だから
こそ、 外国人労働者問題が起こっていると考えるべきなのでしょう。

●ナショナル・アイデンティティの問題
外国人B 4働者が搾取され、差別されているのを黙認しているのは、
自分たち自身が搾取・貧困化されている現実に立ち向かわないでいる
日本人労働者が日本のナショナル・アイデンティティに取り込まれ、
外国人差別を当然視するようになっているからなのではないでしょうか。
ナショナリズムは格差の拡大をカモフラージュします。


崔 勝久

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