2021年1月18日月曜日

福沢諭吉を神格化した丸山眞男の問題点

土地奪い言葉を奪い名を奪う「強制併合」ありて在日のいる

「さようなら!福沢諭吉」第10号より 歌人 朴貞花さんの歌です。この短な言葉で在日の本質を謳いきるとは驚きです。

「人は人の上に人を作らず・・」が慶応大学創設者の福沢諭吉の言葉だと、私(たち)はながく信じていました。私は昭和20年生まれで小学校から高校まで公立でしたから、戦後の民主主義教育の「結果」というか「成果」と言えると思います。しかしその言葉自身、福沢自身のものではないということも安川寿之輔さんの関連する文献でわかりました。 福沢諭吉は日本の紙幣(1万円札)の肖像になっています。即ち日本社会の誇るべき人物だと評価されている証左です。私は改めて明治維新以降戦後に至り、平和と民主主義の国に生まれ変わったとされる日本社会とは一体どのような社会であったのかということを考えないといけないと思い知らされました。

福沢諭吉の神話は福沢を持ち上げてきた丸山真男の福沢諭吉論として徹底して批判しなければならないという安川寿之輔さんの主張は機関紙でよくわかりました。

私はICUの寮にいた時、先輩たちが丸山眞男をよく口にしており、彼の本は必読書であったという苦い記憶を思い出します。もちろん、その時は安川さんの存在も知りませんでした。ICUのリベラリズムを疑うこともありませんでした。福沢諭吉批判は明治維新以降、現在に至るまでの日本社会を直視するにあたって必要不可欠な視点だと思います。

「さようなら!福沢諭吉」(福沢の引退を求める三者合同公演機関紙) 第10号より 雁屋 哲「福沢諭吉と丸山 眞男(二) 35ページ 「丸山真男は福沢諭吉の真の姿からかけ離れた「民主主義の旗手」としての偉人の姿を作り上げてしまった。現在の日本人は丸山真男の言うことを信じ込んでしまって、福沢諭吉を1万円札の肖像に使うまでになってしまった。」 「つまり、日本人の福沢についての誤解は、まず日本人が福沢の著作をほとんど読まないで来たためであるが、加えて、戦争責任意識・植民地支配責任意識が絶望的に希薄で甘ったれた「戦後民主主義」時代の日本の研究者が、その故にこそ、アジア蔑視・アジア侵略戦争の先導者福沢を、偉大な「民主主義の先駆者」と読み誤り、数々の福沢諭吉神話(じつは「丸山諭吉」神話)を創作してきたためであります。」p24、雁屋哲「内田樹の『天皇主義者』宣言と福沢諭吉」(『さようなら!福沢諭吉』第4号)

「さようなら、福沢諭吉」第6号 68ページ (明治になって、1873年征韓論が主張され1910年の強制併合以来、1945年までの間)「この歴史の流れを見れば、竹島は朝鮮とロシアとの関係で、日露戦争中に、戦略上必要と判断し領有したことがわかる。 なお、尖閣諸島も、日清戦争中に領有したのであるということを付け足しておく。もちろん、領土拡大には、帝国主義者福沢諭吉の影響が計り知れないほどおおきかった、というのは言うまでもない。」

安川寿之輔「朴貞花『近代日本の「賢者」福沢諭吉を読む」 『さようなら!福沢諭吉』第7号 p60 「戦後日本の近代現代史研究の重大な問題点として、日清戦争以来の日本と日本国民自身の戦争責任と植民地支配責任の解明という重要な問題を軽視・放置して来たために、アジアへの蔑視と侵略の先導者であった福沢を、偉大な民主主義の先駆者として、戦後日本の民主化のモデルに仕立てあげる結果となった。」

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