読んだ後に著者のことを検索したら、『思想』の編集長であったり、大変有名な方であることがわかりました。私が知らなかっただけです。
この本は何よりも事実の積み重ねで読者で迫ってくるので、政治思想というより、日本国家における国民としての生き方、人間として在り方を迫るものだと強く感じました。在日である私としても彼の提起する問題点や考え方をもう一度読み直し、じっくりと考えてみたいと思います。まだお読みなっていない方には是非、一読、お薦めします。
この著書は以下のような構成になっています。
第1章 国家はなぜできたのか
第2章 民主主義とは何か
第3章 日本とはどんな国家なのか
第4章 日本国民であるために
互盛央の『言語期限論の系譜』『エスの系譜』を読みました。言語学の知識がなくとも読める本です。
ドイツ語のエスesとは英語のitにあたり、「他の名詞を受ける代名詞の用法の他、天候や時間の表現の主語として使われるが、明示できない何か、「それ」と呼ぶしかない何かを示すこの語は、他の事物のようには存在しておらず、それゆえ言語では表せないものの名称」です。
エスの系譜を探ることは言語とは何かを問うことであり、人間、社会、国家、神とは何かを問うことにつながるということがわかりました。
著者が引用する人物の思想やその他の研究者との関係を、この著者はどのようにしてここまで調べ上げたのか、私は読みながら疑問に思っていました。何か参考にすべきテクストがあるのかと最初は疑いましたが、これは著者の地道な研究の成果であったと思います。
地道な研究の成果を読み終え言語とは何か、それを問うことが人間の生き方にどのように関わるのかを考えていく参考書にしたいと思います。
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