2017年12月14日木曜日

第ニ弾:大阪市議会で採択された議案ーサンフランシスコ市が決定した慰安婦に反対して

大阪市議会が12月12日採択した議案を紹介します。大阪市議会議員提出案28号と30号の2つです。28号案はサンフランシスコ市が市民の寄贈した慰安婦少女像と碑文の受け入れをしたことに反対するもので、宛先は、衆参議院長、内閣総理大臣、総務・外務大臣になっています。

28号案は、SF市の「慰安婦像及び碑文の受け入れ並びに慰安婦の日制定に関する意見書案」です。最初にSF市が市民の寄贈した慰安婦少女像と碑文を受け入れ維持費のための基金と共に採択してLee 市長の署名した経緯を説明しています。

そして日韓両政府の「合意」したことに触れ、「歴史的事実」と「女性の尊厳と人権が戦場においても守られる世界」を目指すとしながらも、SF市の決定は日韓の「合意」の精神を傷つけ大阪市としては「看過」できないと述べています。

最後は、「国におかれては、慰安婦像の公有地からの撤去並びにサンフランシスコ市で制定した慰安婦の日の廃止に向けて、継続的に取り組まれることを強く要望する。」となっています。つまり、大阪市議会ではSF市との姉妹都市の「解消」も「継続」も決議できなかったので、国に委ねるということです。

安倍首相は吉本大阪市長からSF市長あての市議会決議に拒否権を発動するようにとの要望に賛同する手紙をSF市長に送っており、これは吉本市長が議会の賛同なしに姉妹都市の解消を通知することを前提に、その前に国の方からSF市に働きかけてほしいというかたちになっています。

次に30号案ですが、「サンフランシスコ市における慰安婦像及び碑文の受け入れ並びに慰安婦の日制定に対する反対決議案」で、宛先は大阪市会議長になっています。28号の提出者と同じで、内容も最後だけが違っています。ここでは、慰安婦像と碑文の設置及びアンフの歩の制定に対して、「2015年の日韓合意の精神を傷つけるもの」であり、「本市としては明確に「反対」する」ことを「決議する。」となっています。

これはあきらかに、28号案と同じく、市議会で姉妹都市の「解消」も「継続」もできなかったので、市長が断固SF市との姉妹都市の「解消」をすることのお膳立てをしたと見るべきでしょう。なぜなら、11月末の各派幹事長会議で市長は「解消」する旨を伝えているからです。「解消」に反対し「継続」を主張した自公もまた、維新と同じく(吉村市長は維新から出た弁護士で橋下元市長の後継者)、日韓両政府の「合意」を揺るがすことのできないものと理解し、結局は「合意」を進めた安倍政権を支える立場になっているのです。

共産党は「合意」に反する韓国政府を批判する立場に立っていましたが、これは産経や読売だけでなく、朝日や毎日も同じ主張であったのと同じであったと見ていいいでしょう。しかし自公に抗するという基本姿勢から、さすがに市議会での「反対決議」には加わらなかったということのようです。






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