韓国の反核全国組織の代表者である金恵貞(キム・へジョン)が挨拶と講演をされたそうです。そしてモンゴルのアマルリンという青年活動家からのメッセージが朗読されたそうです。
彼女は私が最も注目している女性です。モンゴルの実態を余すところなく世界に情報発信し、モンゴルの「近代化」への危険な歩みに警鐘を鳴らしています。モンゴル政府は2040年のオリンピック誘致と30年の原発建設を公表しています。
シフトバンクの孫正義がアジア全体をカバーする送電網作りを提唱し、着々と準備を進めているようですが、それはモンゴルは安くつくということを前提にしたプロジェクトです。アジアをヨーロッパがそうだからと言って同じように全アジア送電網を作る必要があるのでしょうか、それはそもそも誰のためですか。各地の小規模発電、地産池消を前提にして地域社会での主権在民、民主主義の内実を作る過程で、それと並行して電力の問題は考えられるべきでしょう。これまでの既得権者をさらに太らせための政策は逆に時代錯誤なのではないでしょうか? 崔 勝久
PS:昨年の8月1日に発表された大阪大学の今岡良子さんの講演録は現代モンゴルの実態を正確に話されたもので、是非、多くの人と共有化したいと願っています。講演の最後に実は今岡さんはアマルリンのことを紹介しています。今回のメッセージと合わせてお読みください。
012年8月3日金曜日
モンゴル国のウラン開発・原発建設・核廃棄物処理場建設についてー今岡良子
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/08/blog-post_3.html
ここに、モンゴル人の友人のメッセージを紹介します。アメリカに住んでも、資本主義の本質を把握し、見せかけの繁栄に誤摩化されない、モンゴル人は健在です。彼女は若い反核運動のリーダーの1人、モンゴルの希望です。
Mongolia’s Nuclear Future: Truth and Lies
E. Amarlin http://golomt.org
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みなさん、こんにちは。
モンゴルの反核運動ゴロムトNGOのすべてのメンバーと支持者を代表して、福井の集会にお集りのみなさんにメッセージをお届けします。
今日、私たちが生きるグローバル化した時代は、私たちの行ったどんな行為も、地球のどこかに生きる人びとに、何らかの影響を与え、また、1人1人の自覚的な行動が、いっそう強く求められる時代となっています。
今、モンゴルでは、世界の資源を自分のものにしようとする大国、どん欲さをむき出しにする国際資本が、私たち市民の望みや関心とは別に、悪魔の計画を猛スピードで行おうとしています。悪魔の計画とは、モンゴルで好き勝手にウランを探し、採掘し、加工し、原子力発電所を建て、核廃棄物処分場をつくるなどの計画です。モンゴル政府は彼らが参入しやすいように、法律を作り、その保護の下、何の障害もなく計画実行しています。すでにウランの探査を行う特別な許可は、90%以上、外国の投資会社の手にあります。
例えば、ドルノゴビ県オランバドラフ郡でフランスのアレバ系ウラン鉱山を見ても、彼らが試験採掘をした後、家畜に異変が起こり、仔家畜は様々な異常な姿で生まれ、牛は原因がわからないままたくさん死にました。遊牧民の目や関節は痛み、子どもたちの咳は止まらず、住民全体が精神的に落ち込むなど深刻な状態に直面しています。全部で約120の遊牧民の家族が700頭以上の家畜を失うという被害が出ました。しかし、モンゴル政府はそれを重視しないどころか、ウソや出任せの説明でごまかし、調査結果を改ざんし、虚偽の調査結果を発表し、外国の投資会社を守るために地元の住民を威嚇、抑圧するなどの圧政の数々を行ってきました。
モンゴル政府は自分の国のウランの潜在量がわずかであるにもかかわらず、世界の需要を満たす巨大な資源であるかのように吹聴し、ウランを活用すればモンゴルは発展するとまで内外に言いふらしています。しかし、一般の市民は千年、万年と続いた生活はそのままに、聖なる自然の中で、自由自在に、穏やかに暮らすことを望んでいます。モンゴルは人口300万人に満たない人口ですが、数億から十億という人口の多い大国で使う電気のために、私たちを犠牲にすることを許しません。なぜなら、核の危険を身をもって経験し、命、人生、健康、財産、子孫、未来まで被害を受けた広島、長崎、チェルノブィリ、フクシマの人たちの悲しみは、世界中、どんな国の地域でも繰り返してはならないと思うからです。放射能の危険には国境がありません。
日本の政府は、モンゴルにとって民主主義の良きモデルとされますが、私たちはその日本政府がフクシマの事故の真実を人びとから隠していることを知りました。それは、オリンピックを決めるIOCの会議で“Under control”と言った安倍首相の言葉が証明しています。そのようなウソが充満している政府、人の心をもたない権力者たちにいつまでも自分たちの命や人生をゆだねることはできません。
今日の集まりのように、核の危険性に反対する日本の市民、モンゴルの市民が、自分の命、人生、将来を守るために、勇気と、考えと、声と、力をあわせ、お互い協力し、支えあい、闘っていかなければならないでしょう。モンゴルの反核運動のすべてのメンバー、支援者は、世界のどこの国においてもウランを掘ること、加工すること、輸出すること、原発を建設すること、核廃棄物を生み出すこと、それを保管すること、埋蔵することに反対し、福井のみなさんとともにあることを宣言します。
「民衆の力は果てしない海」とモンゴルでは言います。みなさんの今日の集まりが、これからますます多くの人びとの流れを生み出し、大きなうねりとなり、海のように広がり、成功する事を信じています。
日本のすべての原発を止め、自然と人間が調和し、危険のない方法で発電した電気で暮らす夢が、みなさんの闘いによってこそ実現する。それは疑いのないことです。
福井のみなさんの正義の闘いに再び成功を祈ります
日本のすべての人びとが健やかであることを望みます。
モンゴル反核運動ゴロムトNGO 代表 アマルリン
2013年9月9日
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