2013年8月10日土曜日

福島の汚染水の問題は川崎の焼却灰投下と通底する

FoE Japanの満田さんのメールからの引用です。「昨日(8/8)、汚染水問題に関する緊急集会と政府交渉を開催いたしました。福島・青森・関西からのみなさまも含む140名もの市民および4名の国会議員が参加されました。」

③田中俊一・原子力規制委員会の放出仕方がない発言「タンクにためられている
汚染水について基準値以下であれば海に流すことを容認すべき」。
一方で、8/7の原子力災害対策本部における政府見解は、「汚染水はもらさない」。
国の正式な方針としては、後者であることを確認。
⇒政府側は、「汚染水はもらさない」という方針である。

※規制機関の長である、規制委員会委員長が、はじめから汚染水の海洋排出を是
認するような発言をするのは問題。

④海洋汚染は国際問題。海の憲法たる海洋保全条約、放射性廃棄物の海洋投棄を
禁止しているロンドン条約の精神に違反している。
⇒政府側は、ロンドン条約は、船などからの投棄を禁止しているから、条約違反
ではない。
⇒市民側は、福島沖はロンドン条約の対象海域であり、放射性物質が流れ込んで
いる。船からの投棄かどうかよりも、結果として海洋が汚染されてしまっている
ことを重視するべき。必要とあれば、国際的な専門家などの支援を要請すべき。

ところが、9日の朝日新聞によると、「茂木敏充経済産業省は8日、政府の汚染水処理対策委員会に、発電所にたまった基準値以下の地下水の放出を検討するように指示し」、「汚染水の海洋防止の観点から、基準値以下の水の海への放出の可能性について、検討していただきたい」と述べたそうです。委員会は9月中に進め方をまとめるとのことです。

これは政府のダブルスタンダードではないのか、8日の交渉では、「国の正式な方針としては、汚染水はもらさない」と約束しながら、その日に「地下水の検討を指示」しています。おそらく、検討の結果、基準値以下の地下水の放出を認めるということになるのでしょう。

これは川崎の焼却灰の内海投下に問題提起している私たちとしては看過できない事態です。「放射能汚染を考える川崎市民連絡会議」の市長宛の公開質問に対しての回答で市長は、農水省(水産庁)による魚を用いた室内実験の結果を示しながら、「放射性物質は、水銀や有機塩素化合物などと異なり、植物連鎖魚体内で蓄積し続けるわけではな」いという結論を示しています。

現川崎市長は市民との対話の意思のないことが判明ー市長の回答・説明会より
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/05/blog-post_24.html

それに対して私たちは7月29日に再度、市長宛に焼却灰の本格的な開始に抗議文を渡し、東京湾への放流による生物濃縮の検証を求めています。課長からは正式な回答が約束されているので、回答文を検証して改めて全市的にこの問題をとりあげます。福島における汚染水の放流も、基準値以下であれば許されるのかという問題と通底していることを確認し、福島の汚染水問題に取り組む各団体・個人と連帯していくことを表明します。

2013年7月30日火曜日
昨日、川崎阿部市長に提出した抗議文の内容が東京新聞で報道されています。
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/07/blog-post_30.html

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