韓国ツアー報告会・記者会見、中身の濃い集会でした。
脱核とアジア平和のための韓国原発地域韓日市民ツアー
記者会見/報告会が無事、終わりました(その2)
主催:NNAA-J(No Nukes Asia Actions -Japan)
日時:7月9日(火)13:30~15:30
場所:参議院会館地下B-104
昨日は私のブログで韓国ツアーの内容と今後の具体的な活動方針をご紹介いたしました。
韓国ツアー報告会・記者会見、中身の濃い集会でした・・(その1)
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/07/blog-post_10.html
10月1日から始まる九州(長崎、玄海)、四国(松山、伊方)、祝島、広島、大阪、福井、オプションで仙台、福井、東京の超強行軍の反核西日本ツアーの概略が出来上がってきました。これから現地の方がたと相談し合いながら、地域での対話集会、原発地域の見学、日韓市民同士の交流の場を計画していきたいと願っています。みなさんのツアー参加、現地での集会参加、ご協力を心からお願いします。
視察参加者からの感想と連帯のアピール
石丸初美さん(玄海原発プルサーマル裁判会代表)
まったく不条理としか言いようのない玄海原発を廃炉にするのでなく、再稼働させようとする動きに怒りを抑えきれません。私は必至になって運動をしてきましたが、この度、機会があり韓国の全原発地域を周り、住民の方と話し合うことができました。日本と似た原発地域の問題を抱えながら、さらにもっと深い歴史的な重みを担って闘っている彼らから多くのことを学ばさせていただきました。心より感謝いたします。
この度10月初めに韓国から大勢の人が日本の原発地域の現状を視察し、現地の人たちとの対話をされると伺いました。微力ながら、今回のツアーで日韓の市民同士の連帯の必要性を痛感した私はできるだけの協力をさせていただきます。このような機会を与えてくださったみなさまに感謝いたします。
青柳純一さん:翻訳者、在韓被爆者二世について
広島・長崎への原爆投下から68年、70万人といわれる被爆者の十分の一、約7万人が朝鮮人と推定されます。そのうち生きて故郷に帰った人は約2万5千人でした。被爆者の多くは深刻な後遺症と経済的にも困難な中で生き、日本政府からの保障を勝ちとるのに随分と時間がかかりました。まだまだ差別は残っていますが、特に被爆者2世の場合、日韓両政府から無視され、様々な病気も遺伝によるものとされずにきました。
そのような現実を告発してみずから原爆被害者2世と名乗り出た金亨律さんは原爆被害者2世の患友会(患友会)をつくり、救済と実態の究明を求め、被害者特別法の制定を訴え続けてきました。
彼は3年後若くして亡くなりましが、彼の著作は韓国社会でも大きな感動を与え、現在、韓国国会で特別法の制定が議論されています。私は彼の本を日本で翻訳いたします。被爆者1世や2世のこのような現状を放置してきたのは私たちの戦後責任です。患友会の会長の韓正淳さんは日本の民衆法廷の証人に立つために来日されます。彼らの現実を多くの人に知っていただき、彼らの救済と日本の被爆者2世との連帯を築き上げるためにも「原発モンスター訴訟」の方がたと力を合わせて、原発なき社会をめざしたいと思います。
河合弘之弁護士のご挨拶(脱原発弁護団全国連絡会代表、浜岡原発差止訴訟弁護団団長、東京電力株主代表訴訟の原告代理人(東電経営陣に5兆5045億円の損害賠償を求める)
(1)これまでの私の見解
私は浜岡や大間の差止め差止め裁判の弁護士団長をしております。東京電力経営陣を告訴し刑事責任を問うこともやっています。全国全ての原発の差止め訴訟をするという目標は
ほぼ達成し、東通と女川だけが残っていますが、前者は活断層の為差止めということになるでしょうし、後者はまもなく訴訟が始まると思います。各地の裁判闘争においては、ある意味、たこつぼ型で、自分たちの裁判を立ち上げるので精一杯という状況です。
島弁護士たちがはじめた原発メーカーの責任を追及する訴訟は、原子力損害賠償法(原賠法)という法律でメーカの責任を免責しているので誰もそのことを問題にしてこなかったのです。みんなそのことを鷲れていました。言ってもしょうない、追及したって無駄ということであきらめて手がつけることがなかったのです。学者も弁護士も、私のような原発に深くかかわってきた弁護士もそうです、それにマスコミ、市民運動もまた誰もメーカーの責任を問題にしてこなかったのです。島君がメーカーを訴訟をすると聞いて、ああこの若造は分かってないなと思ったものです(笑)。
私は正直違和感がありました。どうせ勝てっこないし止めた方がいいと島君に言った記憶があります。しかし実は島君たちの感覚がフレッシュで、社会に対する慣れも媚もない、実にまっとうな感覚です。ですからしかしよくよく考えてみると、欠陥自動車を運転していて事故があった場合、運転手だけが罰せられるというのはどうも、正義に反します。普通であれば最初からそんな馬鹿な話はないという反対すべきところですが、それがメーカーの免責を明記した法が作られたというのは、実はアメリカの陰謀です。安心して原発を輸出するためだったのです。そして今世界中がインドを除いてそのような法律でメーカーを保護しているのです。グリーンピースがメーカーの責任を追求するのもそのためです。
原賠法の5条に「第三者の故意により生じたものであるときは、・・・損害を賠償した原子力事業者は、その者に対して求償権を有する」とありますので、実際は誰も「故意」に事故を起こそうとしてモノをつくらないのですから、これもまたメーカーには責任はないということになります。
(2)メーカーの責任を追求するのは全うな感覚
しかし実は原発の問題を一番よく知っているのはメーカーなのです。保安委や事業会社の背後にいてできるだけ表にでないようにしていますが、国会なで質問があって答えられないような場合、メーカーが後ろから教えているのです。そいう言う意味では事故があった場合、一番責任が重いと言えるでしょう。私はメーカーには事故を起こした責任の他に、補修・修繕義務における違反があったのではないかと見ています。
私は以下の4点を強調したいと思います。
1.この裁判は大騒ぎをして負けてもいい、これまでTVや新聞でもメーカー責任について報道がなかったし、そこには私を含め憤りや問題意識というものが全くなかった。記者会見やデモも活発にして問題提起するには、この裁判はもっともよい方法だと思いますね。
2.しかしこの裁判はやさしくない。法律で免責と言っている以上、それは憲法違反だということを立証しなければならない、その上、福島事故を起こした設備としての原子炉の欠陥を証明し、ここが悪かったから事故が起こったのだと指摘しなければならない。これは大変なことです。
3.補修・点検に手落ちがあったのではないか、この点も問題点を探りあてて立証しなければならないのです。だから弁護団には、このようなメカのことがよくわかる、メカに詳しい弁護士にも参加してもらったほうがいいと思いますね。
4.この裁判は国際的な連帯が可能です。福島の住民だけが原告になるような訴訟ではどうしても国内的な運動にならざるをえない。東京電力だけの責任を問う闘いはどうしても、世界的な反原発運動としててんかいするのに限界があります。この裁判闘争を続けながら、メーカーの免責をなしにしていく有力な手段になりえます。原発輸出を止めさせるには、大変、有効な方法だと思います。
私も多くの裁判を抱えて忙しいのですが、「原発モンスター訴訟」の弁護団の一員として
この裁判に関わってがんばりたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。
NNAAのNPO法人の理事長に就任される渡辺信夫牧師のご挨拶
私はチェ君が自宅に来てNPO法人の理事長になってほしいと頼まれたとき、これは断ってはいけない、しっかりと「責任」をとらないといけないと思いました。特に今の河合弁護士のお話を伺ってそう思います。
私は来年90歳ですから、私より理事長に相応しい人がいるかもしれません。そのときは遠慮なくその方を理事長にしてください。自分には引き受ける責任があるということと、理事長に適格かどうかは別の話です。
私は戦争のとき学徒出陣で戦争に行かなければならない状態になり、信仰者として戦争にいくべきかどうか随分と悩みました。拒否しても死ぬことはない、自分が一人監獄に入らなければならいでしょうが、それでも私は拒み続けた場合、誰か私の代わりに戦場に送りこまれその人が死ぬことになるかもしれない、そう考えた私は戦場に行く決心をしました。
海軍です。そこでの軍人の死はまったくの犬死です。しかし国家というものは立派に戦死されたと嘘の報告をします。私はもう二度と国家にだまされまいと決心をしました。戦争責任を問いつづけ、自分の「責任」ということを徹底して考えるようになりました。
チェ君の話や、今日の河合弁護士のお話を伺って、この裁判は絶対にやらなければならないということが改めてよくわかりました。私はたとえ、理事長としては不適格だとして判断されたとしても、一会員として、一原告として死ぬまでこの裁判に関わろうと思いました。それが戦争を経験してきた私の「責任」だと思うからです。これからもよろしくお願いいたします。
質疑応答:
質問:この裁判で被告になるのはどこの会社ですか、原告はどういう人がなり、どのようなことを請求するのですか?
島弁護士:これは福島事故を起こした原発メーカーです。具体的には日立、東芝、GEを
相手にします。原告は、今回の福島の事故を見て、精神的なショックを受けた人はだれでもなれます。だから世界中から原告1万人を募ることを目標にしているのです。
崔:原告は、社会的精神的ショックを受けたということで、メーカーに慰謝料として一人100円を請求します。福島で実際の損害を受けた人は裁判でそのことを請求すればいいという考えです。
島:先ほど「故意」ということが出てきましたが、普通は「罪を犯す意思」という意味で使われますが、民法上は、結果の発生を認識しながらそれを容認して行為するということを意味します。従って、福島事故の場合、もともとマークワンというのはアメリカにおいて問題があり危険だという内部告発があったくらいの代物です。そのことを知りながら原発を建設したとすれば、これは「故意」になるのです。これはメーカーの免責を明示した
憲法違反の原賠法ではなく、そもそものメーカーの不法行為を要件として「故意または過失の存在を定めている」民法709条に当てはめるべきものだと考えています。
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