日時:7月18日(木曜日) 18:00スタート
場所:しんじゅくLOFT
以下、Rooftopより引用、http://rooftop.cc/interview/130703193427.php
島キクジロウは1985年にthe JUMPSを結成し、以来パンクロッカーとして活動してきたが、2004年に突然バンド活動を休止して弁護士を目指した。「一番大事なのは、若いヤツらの意見が政治に反映され、それによって社会の流れが作られていくことだ」という想いから見事司法試験に合格し、今はthe JUMPSの活動と並行して、環境問題や原発問題などで弁護士として国や企業と闘っている。最近は、双葉町等の原発被害者の代理人として損害賠償請求訴訟を起こしている。
島「原発事故の被災者が長期に渡って避難生活を強いられているのは原発が国策であることからすれば当然、国家賠償の対象になる。ただ避難をしている人たちは、現実に今すごく過酷な状況に置かれているから少しでも早く結論を出すためにも、まずは東電だけを被告にして裁判を始めたんだよね。本来この事故に責任を負うべきなのは東電と国と原発メーカーの三者なのは間違いない。
ところが原子力損害賠償法には『責任集中の原則』っていうのがあって、原子力事業者、今回で言えば東電だけが責任を負うと書いてある。PL法(製造者責任)は適用されない仕組みになってる。なんでこんなことになったかというと、日本が原発を導入する時に、当初アメリカとイギリスから技術や核燃料を輸入したんだけど、そういう法律を作らないと濃縮ウランを渡さないって強く迫られたからなんだ。だから原発の事故が起きても電力会社以外は一切責任を負わなくていいというすごくいびつな法律になっちゃった。それじゃあメーカーは、安全っていうより、安上がりなものを作ろうって考えるよね。
ただ、憲法17条で国民は国のせいで受けた損害を賠償請求できるとあるから、原子力損害賠償法がそもそも憲法違反なんだよね。だから低線量のいわき市の人たちは東電と国の両方を被告にして裁判を始めた。原発メーカーに対してはまだ誰もやってないんだけど、なぜか俺んとこに話があって、そりゃあやるしかないか、と。なかなか大変な裁判で、弁護団メンバーが集まらなくて困ってるんだけど。
そもそも福島第一原発をどこが作ったのかってほとんど知られてないじゃない。1号機はGE(ゼネラル・エレクトリック社)、2号機はGEと東芝、3号機は東芝、4号機は日立が作ったんだけど、あれだけの大事故を起こしたのにみんな知らないからほとんど批判されてない。それをいいことに最近は安倍首相のトップセールスで国外に原発を輸出しようとしているのってとんでもないよね。だからメーカー責任を追及することによって、まずは国民にこういうおかしな事実を知ってもらいたい。
原発の問題ってシングルイシューに見えるけど、憲法にも深く関わっているし、国の構造そのものにも関連している。やっぱり今の中央集権的な構造を分散させていかないと、いつまでたっても日本は変わらない」
環境、原発など社会問題の訴訟をほぼボランティアで行っている島がいま力を入れているのが、eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)がキャンペーンする原発ゼロノミクスだ。これは一体どういった概念なのか。
島「今までの脱原発運動は、イデオロギー的に核を考えるのと、原発の危険性を考えるという2つの動きが中心だったと思うのね。それはそこそこ大きな運動になっているんだけど、自民党や経団連など原発を推進する側は原発を無くしたら日本の経済はたち行かなくなるという主張をしている。それは、今の不況の世の中では一定の説得力があるのは確かなんだよね。だから、原発について『経済』という側面から考えて、原発が本当に経済的なのかを検証してみようと、それが原発ゼロノミクスなんだよ。実は原発をやめた方が日本の経済が活性化する可能性が大きくて、それは十分に論証することができる」
確かに、アメリカなどかつての原発大国は維持費等の問題から最近は原発以外のエネルギー政策に転換している。
島「原発のコストひとつ取ってみても、よく原子力発電は安価だと説明されるんだけど、そこには恣意的な数字の操作がすごくある。原発を建設するために立地地域に配られる原発交付金には多額の税金が使われているんだけど、これは発電コストには入ってない。他にも核燃料サイクルの開発費なども計算外になっているけど、それらのコストを入れて計算し直したら原発のコストって本当はすごく高いんだよ」
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