OCHLOS(オクロス)は民衆を意味する古代ギリシャ語です。私は民衆の視点から地域社会のあり方を模索します。すべての住民が一緒になってよりよい地域社会を求めれば、平和で民衆が安心して生き延びていく環境になっていくのでしょうか。住民は国籍や民族、性の違い、障がいの有る無しが問われず、貧困と将来の社会生活に絶望しないで生きていけるでしょうか。形骸化した戦後の平和と民主主義、経済優先で壊された自然、差別・格差の拡大、原発体制はこれらの象徴に他なりません。私たちは住民が中心となって、それを憂いのない地域社会へと変革していきたいのです。そのことが各国の民衆の連帯と東アジアの平和に直結する道だと確信します。
2012年12月21日金曜日
アメリカから送られてきたメールを読んでー選挙結果をどのように見るのか
今朝、アメリカから送られてきたメールを興味深く読みました。「世に倦む日日」を紹介したもので、今回の運動側の敗北を選挙制度の所為だと強調する運動側、マスコミの論調を批判し、自民・維新の獲得した票は明らかに極右の台頭を示しているというのです。「自民と維新を合わせると2889万票で、得票率は48%という巨大な数字となる。つま り、選挙結果として正確な結論は、極右の大勝利であり、極右が比例得票で半数を制したという事実に他ならない。」私は基本的に同じような判断をします。
「世に倦む日々」はこの結果を、「一つは安保とイデオロギー の問題であり、もう一つは民主党政権に対する否定と報復だろう。極右2党が選ばれたという事実を冷静に見れば、そう分析するしかない。」と断定します。
つまり領土問題です。韓国大統領の「天皇謝罪要求」発言・竹島(独島)問題、中国での反日行動・尖閣諸島への干渉が毎日報道され、それも歴史的な背景に関する説明のない、日本の植民地支配に対する言及の一切ないキャンペーンを圧倒的多数の日本国民は無条件に受け入れました。そして再稼働反対の運動側はこの「愛国キャンペーン」を是認しなくとも、少なくとも黙認しました。この流れが極右政権の成立につながると読めず、いけいけどんどんで反原発陣営は選挙で勝たなければならず、そして勝てると踏んだのでしょう。
再稼働反対をしてきた運動側は選挙における敗北は、極右の誕生ということまでは言及しますが、それは選挙制度の結果であり、国民は自民を積極的に支持したのではないと言います。しかし私はこの事態を植民地主義のさらなる推進であり、国民の肯定と見るのです。植民地主義は当然のこととして排外主義を前提にし、海外へ経済・文化の進出をします。そして現地の民衆への加害者になっていきます。国内においては都市を中心にして地方の差別・搾取を行い、全体としての貧困化の中で国民を不安に陥れ、さらにその土台の上で植民地政策を進めるという構図になっています。
私は再稼働反対運動を全面的に指示します。しかし原発輸出が日本の経済再建の政策として3・11以降も進められ、30年前からあった台湾へのプラント輸出と併せ、日立の英国原発会社の買収、ヴェトナム、ヨルダン、リトアニアへの原発輸出決定という事態をどれほど自分たちが起こしている問題だと考えて来たでしょうか。つまり私たちが再び加害者になって来ているということの自覚がなかったのではないのかということなのです。
「盛り上がった再稼働反対の運動の中で、自分たちは加害者の立場に立たされてしまっている、原発輸出を支えているということがどれほど意識化され、議論されてきたでしょうか。それはまさに植民地主義なのです。植民地主義的感性は、一般市民の中に刷り込まれてきたことをしっかりと自覚すべきです。日本は、戦前の植民主義の清算がなされていないため、戦後も原発体制という植民地主義の国になっているということをしっかりと確認する必要があるのではないでしょうか。」
韓国の大統領選挙の結果を知りー私たちの進むべき道について
http://www.oklos-che.com/2012/12/blog-post_20.html
私は日本国籍をもたない在日韓国人です。しかし自分が住んでいるこの日本の植民地主義によって行われている国内外の差別と搾取に対して免罪されることはありません。私たち在日もまたその渦中にあり、責任を問われているということを言明します。
私は選挙運動の最終日を、このような気持ちで迎えます。
http://www.oklos-che.com/2012/12/blog-post_15.html
これまでの再稼働反対運動の地道な努力により、「東通 再稼働困難」(朝日12・21)にまで追い込みました。大飯も、大間ももう一歩です。上関、玄海を始め全国の原発立地地方での闘いも継続し、脱原発に向かうでしょう。私たちも微力ながらその運動を支援・協力します。同時に、私は全国の反原発の運動に関わる人たちに、強く国際連帯を呼びかけたいと思います。リトアニア、台湾で日本の原発に反対する人たちを支援し、協力し合って日立・東芝・三菱重工の原発輸出を止めさせましょう。
案の定、安倍は「竹島の日 政府式典見送り」(朝日)を決定したようです。中国、韓国を同時に敵に回すことなく、アメリカの中国、北朝鮮を敵にした新しい「冷戦」に日本は自分の役割を担うということでしょうか。韓国もまた反原発運動を掲げ、民主化の内実を求めようとした野党候補は破れました。そのショックは日本にいる私たちには想像も絶する大きなショックなのでしょう。しかし昨日も彼らとSkype会議をしたのですが、私たちは国際連帯の輪を拡げ、自分の住む地域社会の問題を担いながら進みます。そのことの確認がなされました。そのようにして前に進むしかありません。絶望ではなく、希望と展望をもち、前に進みます。
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この11月から12月は週4日の講義と週末の学会や市民講座等あり、自転車操業でしたが、崔さんのブログは拝見していましたよ。
返信削除民主化と右傾化の関係、脱原発運動に期待する論者たちが右傾化の進展をあまり深刻にとらえているようには思えないなかで、「植民地主義」に切り込まれたことは、厳しいながら、大変重要な指摘だと思います。
新しい民主主義を言う人も、植民地主義の問題には踏み込まないですし。