2012年12月20日木曜日

韓国の大統領選挙の結果を知りー私たちの進むべき道について

夜中に起きだし韓国の大統領選挙の結果を見て、またそのまま寝込みました。本当は、脱原発を謳い民主化の深化を模索する文在寅候補の勝利が日本社会にもたらす意味について書こうと意気込んでいたからです。これで来年は日韓中におけるナショナリズムの風はさらに強くなるでしょう。

原発体制を戦後の植民地主義と捉えることで内外の状況をより正確に歴史的に理解し、運動の目標を総合的に捉え広範囲な連帯の運動をつくっていけると私は考えてきました。まさに西川長夫さんが喝破したように、国民国家は植民地無き植民地主義を再生産する装置であるということをつくづくと感じます。ですからこのような状況であるからこそ、一国主義を克服して国際連帯の運動を作りだしていくことでしか、運動の展望は見いだせないと思うのです。

国際連帯の運動は観念やイベントで終わってはならず、そこで唱えられたことは生活に密着した、すなわち地域社会での具体的な営みの中で検証されるべきだと私は考えてきました。その意味で私の住む川崎のことに触れてみます。

今年の3・11、「原発ゼロへのカウントダウン」で1500名の集会、デモを川崎の平和公園で行いました。新左翼系の人も、共産党系の人も「原発ゼロ」で一致して共同行動を実現させました。来年は、3月10日(日)に行うことが昨日、決定しました。

しかし私は3・11のイベント開催を目的化するのでなく、来年の集会は今年の「原発ゼロ」集会の内容をしっかりと検証すべきではないか、私たちが言っていた「原発ゼロ」とは実は日本のことしか考えていなかったのではないか、という問題提起をしました。もちろん、原発輸出反対のスローガンはありました。しかしアジアで「原発ゼロ」どころか原発を増やしその国の人びとに被害を与えようとしているのは、間違いなく日本の原発メーカー、日立、東芝、三菱重工であり、それを全面的に支え国の方針にしていたのは民主党政権でした。自民は経済復興を掲げて、さらにそれを推し進めようとするでしょう。

こんどの選挙では脱原発を掲げる政党がむしろ多数でした。その中で原発輸出反対を掲げたのは社民と共産党だけです。しかし彼らは日本の日立、東芝、三菱が輸出をしているという事実に一切触れませんでした。日本の原発輸出の実態に触れることなく、抽象論としてスローガンにしたのです。そこには日本が再びアジアの人びとへの加害者になっているという事実に蓋をしたままでした。

盛り上がった再稼働反対の運動の中で、自分たちは加害者の立場に立たされてしまっている、原発輸出を支えているということがどれほど意識化され、議論されてきたでしょうか。それはまさに植民地主義なのです。植民地主義的感性は、一般市民の中に刷り込まれてきたことをしっかりと自覚すべきです。日本は、戦前の植民主義の清算がなされていないため、戦後も原発体制という植民地主義の国になっているということをしっかりと確認する必要があるのではないでしょうか。

今回の「大敗」は選挙制度の所為だという議論がわきあがっています。それはその通りです。しかし私たちの運動側の検証はなされているのでしょうか。領土問題で一挙に「愛国者」になったマスメディア、多くの一般市民を見てきました。わたしはその時から、今回の敗北を予感しました。「原発ゼロ」はまず日本で、でなく、アジア、リトアニア、台湾、ベトナムなどすべて同時に進めなければならない運動課題だと思います。一国主義を克服して国際連帯するなかでしか、この100年の日本の体質を直視することはできないのではないか、みなさんのご意見はいかがでしょうか。

私のこのような問いに一通のメールが来ました。以下、掲載いたします。


崔さん。
お疲れ様です。
<月曜は、鈴木伶子先生たちと共に官邸前で、普天間前ゴスペルに連帯して、讃美歌を50名ほどで歌いました。>
<沖縄はまだ「九条」を体験したことがないのに、本土は、まるで無関係のように「九条」を変えるのでしょうか?九条を変えてしまえば、沖縄は、今まで以上の「負担」を押し付けられることになるのではないでしょうか?>

崔さんの文章の最後の方ですが、[一国主義を克服して国際連帯するなかでしか、この100年の日本の体質化された植民地主義を直視することはできないのではないか、みなさんのご意見はいかがでしょうか(崔).]賛成。 原発においてもしかりと思います。またこれまで僕は、憲法九条においてもそのような見方をしてきています。

日本という国の中で、九条を守る人々の絶対数は少ないです。このままでは大きなうねりにながされていきそうです。ですから、韓国や中国等、アジアの周辺諸国の人たちの協力を得ながら、日本の「九条」を守っていくという方法の必要性が出てくるのではないでしょうか。また、そのようにしない限り、大事な九条は守れませんし、万が一、安倍内閣が「国防軍」にしたとしても、九条のために尽力いただいた方々は周辺諸国に多数存在しているわけですので、とにかく、海外との連帯は必要不可欠の出来事だと思います。

失礼します。<ちなみに、安倍寛(カン)という人は、安倍総裁の実の祖父にあたる人です。。「金権腐敗打破」を叫んで1928年の総選挙に立憲政友会公認で立候補するも落選、1937年の総選挙にて無所属で立候補し衆議院議員に当選[3]。その後連続2期当選。
いわゆる“ハト派”であり、第二次世界大戦中、1942年の翼賛選挙に際しても東條英機らの軍閥主義を鋭く批判、無所属・非推薦で出馬し当選した。戦後第一回の総選挙に向けて準備していたが、直前に心臓麻痺で急死した。なぜか、もう一人の祖父・岸首相のことしか、語らないようですが、実は、凄いおじいさんが安倍総裁にはいたんです。なぜか語らないです。>

・・寒き世に野宿などして凍えている人たち、クリスマスでは、特にその人たちのことを覚えて祈りましょう!・・
2012/12/19
キリストの平和
Y・T生

1 件のコメント:

  1. Dear Seungkoo, I completely agree with your deep concern and the strategy directed to the future. Generally speaking, the voting events in the recent election clearly demonstrated that the citizens had not to depend on the mass media nor the political parties. They move on only for their interest instead of the votors' interest or wellness. Never forget Japan is not a so-called democratic county like the western world, but the bureaucratic country dominated by a few powers. Accordingly, the common citizens in Japan have to protect our human right by our own efforts, sweats, and tears. To do that, the citizens in Japan should have tight connection with other countries having the same problems as Japan has. We have a DREAM to be realized for the next generation. That energizes us. Regards, -takashi, Ph.D. 20121219

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