2月3日、東京YWCAで「大間原発訴訟報告&説明」がありました。大間はマグロで有名なところですが、実は函館は目の先、18キロしか離れていません。大間では地元の反対運動はむつかしく、函館から訴訟が始められました。
当日、「あさこハウス」で有名な熊谷あさ子の娘さんの小笠原厚子さんが挨拶をされました。座るときに椅子からずっこけそうになり思わず顔を赤らめる、素朴な感じのご婦人で、お母さんの熊谷あさ子さんのことを誇らしげに話されていました。
あさ子ハウスのHP:http://asakohouse.cocolog-nifty.com/blog/
165世帯のなかでただ一人、熊谷さんは生前、「大間の海は宝の海」「」人はどんなことがあっても、土地・海を手放してはうけない」と話され、どんな脅迫、甘い言葉があっても断固反対、土地を手放されなかったのです。そのために電力会社は炉心を移動させなければならず、設計からすべてをやり直し、結局工事着工が遅れ、この3・11段階では30%しかできあがっていないとのことでした。もし工事の延期がなかったら、完成した大間原発は3・11でどのようになっていたのか、厚子さんは母が、大間を、いや日本を、世界を救ったのだと胸を張ってておられました。
弁護団の河合弘之さんはその熊谷さんの心意気に惚れて熊谷さんの裁判闘争を支え始めたそうで、共有地の問題では一敗地にまみれたものの、それが函館の訴訟につながり、今では、函館市長も大間原発建設が始まれば訴訟を起こすとまで公言しているそうです。河合さんのその相談にも乗られたとのことでした。また地元の森越弁護士の話もユーモアがあり、なんと原告団に大間のマグロをいれたというではありませんか!原告団にまぐろが入るのであれば、玄海プルサーマル裁判の原告で海外の人は入れないと言った裁判所の書記官の説明はまことにおかしな話です。
原子力資料情報室の澤井正子さんのお話しも簡潔で、大変要領よく大間原発の問題を説明されました。彼女によれば大間原発は「初めて」づくしで、①新耐震指針の最初の設置、②世界で初めてのフルMOX燃料、③事業者はこれまで何の経験もない、④火山に近い初めての開発、⑤敷地内に未買収地がある初めてのケース、⑥人口30万人の大都市(函館)から18キロの近距離 ということでした。
これまではプルトニュームを混ぜた燃料であるプルサーマル原子炉はあったのですが、それを全量プルトニュームを使うフルMOXは、再処理で採れるプルトニュームを大量に使用する方法として考え出されれました。ここがストップされると取り出したプルトニュームは何に使うのか、やはり核兵器ではないのかという疑惑に答えられなくなります。フルMOXの実験炉はこれまでになく、いきなり商業炉となり、それだけリスクが高く、大間の自然環境からしてとても原発の設置は許されるべき場所ではないのです。
また現在原発施設工事は30%しか進んでおらず、新規建設がむつかしい状況では、どうしてもここを完成させたいと政府及び電力会社は思っているようです。ですから河合弁護士が力説されたように、この大間原発は天下分け目の戦いなのだということがわかります。ここを潰せば、再処理をしてプルトニュームを取り出し貯蔵する意味がなくなります。そして全国の原発の再稼働を認めない運動につながるでしょう。年間3000円です。みなさん、大間裁判の原告団にはいりましょう!私は海外にも呼びかけます。私の海外のブログの読者の方、よろしくご検討ください。世界中から具体的に反対の声をあげましょう。
私たちは、6月6-9日にかけて地域スタディ・ツアを計画し、六ヶ所村と大間を訪れ現地のの人たちのと交流をして、全北海道、青森、岩手、宮城という福島以北の地域での闘いを総結集させた大集会をしたいと考えています。各地の原発基地のある地方は分裂させられ、住民は反対の声をだすことさえ難しい状況で、運動も孤立を余儀なくされています。北海道の泊原発の地区では選挙で候補者をだすことができませんでした。ここは国内外、一緒になって地域を基盤としながら各地方同士、そして全国、アジアへとつながりを拡げていきたいですね。
寒い冬には電力が必要、原発がなくなればそれに代わるものはあるのか、それにもっともっと電気代金も上がるぞと新聞やテレビでさかんに脅しをかけてきています。ここで運動を縮小してしまってはなんにもなりません。川崎では3・11に、1万人集会を準備しています。これまで一緒にデモなどしたことがなかった共産党系の人たちとも一緒に隊列を組み、多くの市民団体が参加します。私が属す「脱原発かわさき市民」も勿論はりきって参加します。リニア問題、瓦礫の問題にしても簡単ではないですが、この市民の草の根の動きから何かが始まるような気がします。
韓国の高野です。いつもブログを見て勉強させてもらっています。どこの原発も基本的にひどいですが大間原発は特にひどいという印象です。時間とお金が許せばスタディツアーもぜひ参加したいと思います。
返信削除函館のKさんの紹介で訪問しました。函館市民として、このように大間原発の事を真剣に考え、紹介して下さっていることに感謝したいと思います。大間原発が完成する事があったら、北海道の民主党議員は全員落選させたいと考えています。工藤市長は行動力もあり、今のところ頑張ってくれていると思います。今後も協力お願いいたします。
返信削除大間の人は自分たちは函館人だと勘違いするくらい函館のすぐ近くに住んでいます。大きな病院に通う時は青森ではなく函館に来ます。青森まで車で3時間、函館までフェリーで1時間半。函館の市立病院に妻が入院した時は、病室の半分を大間からの人達が占めていました。大間と函館の間を遮るものは何一つ無い(函館の我が家からは大間が直視できます)のに対し、大間と青森の間には大きな山が存在し、事故が起きると青森市よりも函館市により大きな被害が発生します。それなのに最近まで函館には全く意見を述べる資格が存在しなかったのです。前市長と異なり、工藤市長はこの問題を自分の問題のように捉え頑張ってくれています。大間原発はなんとしてもストップさせたいものです。
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