2012年1月14日土曜日

「日韓市民運動交流会2012」報告ー佐藤和之

2012年1月13日夕方、川崎市の「てくのかわさき」において、「日韓市民運動交流会2012」を開催しました。ゲストは「脱原発世界会議」のため来日した金賛寿さん(韓国歴史教師会・全教組)と李大洙(韓日100年平和市民ネット)さん。日本に到着したお二人は、まず「平和教育登戸研究所資料館」を見学し、「旧陸軍登戸研究所の保存を求める川崎市民の会」と交流。その後の「日韓市民運動交流会2012」では、日韓の原発問題を中心に活発な討論がなされ、翌日からの「脱原発世界会議」の成功にむけ、脱原発国際連帯を強めていくことが確認されました。資料館の見学会は10名、交流会は21名の参加でした。

なお、お二人の今後の行動予定は次の通り。=>
http://blogs.yahoo.co.jp/tocka_jikkoi/63457409.html

また、交流会主催者(日韓市民連帯の会有志)による基調提起は、以下の通りです。

「日韓市民運動交流会2012~世界の<核発電>反対!子どもたちに緑色の未来を」

2011年の3・11フクシマ以降、今も日本は危機的な状況下にあります。そうした中、「脱原発世界会議」のため、訪日してくださった方々に対しては、真の友人として心から歓迎したいと思います。そのうち3人の方が、本日、韓国から川崎へ来てくださいました。

既に日中、韓国の方々には、「旧陸軍登戸研究所」をご案内させて頂きました。その資料館は、明治大学と市民の手によって、設立・保存されたものです。調査段階では、川崎の高校生の研究活動が、大きく貢献しています。

また、川崎は在日コリアンの街でもあります。戦前から、日本鋼管近辺や多摩川の河原に、「在日」の方々が集住した歴史があるからです。そして1970年から、この川崎南部を拠点として闘われたのが、日立就職差別裁判闘争です。この日立闘争は、当時の韓国の民主化闘争からも支援をうけ、画期的な勝利をおさめました。

そして現在の日本では、所謂「つくる会」系の社会科教科書を、各自治体から採択させるといった、許し難い策動があります。なぜなら、この教科書は、歴史を歪曲し平和憲法を否定し原発を是認するという、問題の多いものだからです。川崎ではこの間一貫して、この教科書の採択を阻止しており、明日もこの会場で集会が開かれます。

ところで、日韓関係を考えるとき、昨年8月の韓国憲法裁判所の決定に、言及しない訳にはいきません。そこでは、1965年の日韓基本条約に伴う「請求権協定」をめぐって、韓国政府が日本政府と再び協議すべきことを訴えています。具体的には、日本軍「慰安婦」の問題と在韓被爆者の問題です。

日本軍「慰安婦」問題に関しては2009年、川崎の友好都市である富川市市議会が、解決を求める決議をあげました。「韓国併合100年」である2010年には、日本の多くの自治体でも「意見書」が採択されました。そして昨2011年は、金学順ハルモニが決起して20年、水曜デモは1000回を数え、日本側でも運動を強めています。

在韓被爆者問題に関しては、明日からの「脱原発世界会議」でも、取り上げる予定です。そして、日本のフクシマの事態をうけて、在韓被爆者とその2世が多く住む陜川から、「2012 非核・平和大会」が提起されています。私たちはこの呼びかけを、重く受け止めねばなりません。

最後に触れておきたいのが、昨年、韓国で展開された韓進重工業闘争です。京浜工業地帯の一部である川崎でも昨今、企業によるリストラが強行され、特に非正規労働者が希望を見失っています。そうした中、キム・ジンスクさんの高空籠城と、「整理解雇のない世の中、非正規職のいない世の中のための希望のバス」による闘争勝利は、日本の労働者・市民にも、希望と勇気を与えてくれました。

以上、テーマは多岐にわたりますが、本日は大いに交流して、明日からの「脱原発世界会議」の成功につなげていきたいと思います。

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