私のブログのオクロス通信を読んでくださっているみなさんへ
あけましておめでとうございます。
何の脈絡もないのですが写真は、年末に拙宅に来た友人が持って来てくれたバラです。妻が喜んでいたので、
また昨年も妻に迷惑をかけ放題で、自分の「好きなこと」「やりたいこと」をやらせてもらった「罪滅ぼし」の気持ちなのかもしれませんが、念頭の挨拶に使いました(笑い)。
1.世界の動向
①今年、世界は激変するでしょう
今年は昨年の3・11以降、世界的に「大変な事態」が進行すると思います。まず日本の政治もどのような改変があるのかわかりませんが、ここでも大きな動きが予想されます。海外では、韓国をはじめソ連、アメリカ、ヨーロッパ、革命後のアフリカ・中近東、中国、そして何よりも北朝鮮の動向が注目されます。北朝鮮は体制維持のために軍を中心とした路線に進むことはほぼ確実でしょう。アジアにおける緊張は軍備拡大につながり、それは核兵器開発と連動することになるので、アジアでの原発建設は、新興国の経済発展を支える電力の必要性という主張の下、ますます具体化されていくことが予想されます。
②今年、韓国は自らの存在意義が問われる年になるでしょう
韓国は4月の国政選挙に続き年末には大統領選教があります。ここで脱原発をめぐる路線の攻防があるのは確実です。民主化闘争の旗手であった弁護士がソウル市長に選ばれた流れがどのように国政選挙に反映されるのでしょうか。韓国の原発22基の大半を手がけた李明博大統領は任期までに、さらに原発建設予定地を選定し原発の倍増、世界の原発建設の多くを手がける根回しをすることでしょう。
アラブ首長国連邦への輸出決定を記念する祝日まで設けたことを市民の力で覆すことができるのでしょうか。今年は韓国にとっては大きな節目なるでしょう。日帝の被害者であった過去を、経済的に先進国の仲間入りを果たそうとすることで払拭することはできませんし、アジアへの原発輸出に邁進することは自らが加害者の立場に立ち、植民地主義政策を遂行するということです。日韓中はアジアの「大国」として内外の植民地主義
政策を進めるでしょう。
③脱原発は核兵器破棄とつながる運動です
韓国が原発を倍増するということは、北朝鮮にとっても無視できないことでしょう。かつてアメリカが保証した軽水炉の建設は当時の問題意識としては「核の平和利用」であり、アメリカの世界戦略の中での核拡散防止の一貫だったのですが、北朝鮮が原発建設に進むことも予想されます。原発にいい原発と悪い原発はありません。
北朝鮮の原発建設にも私たちは否を言ううべきですが、それは彼らを孤立させようとしているアメリカ、日本の原発・核兵器の破棄を同時に求めると同時に、ヨーロッパ・ソ連の原発を保有する先進国や、世界の「大国」になろうとする中国やインドといった国々にも求めないといけないものです。原発反対が核兵器の破棄にまでいかないといけないという主張を明確にしていきたいと思います。
④原発を推進する巨大な勢力に対抗する、国籍、民族を超えた市民の運動を
核兵器の縮小を唱えノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領は、スリーマイル事故以来、34年ぶりに原発建設にゴーサインを出しました。ビル・ゲイツは中国との原発建設に合意しました。役者として表に出てきているウェスティン・ハウス(WH)は東芝の子会社、近いうちに原発のライセンス生産にはいる中国に東芝が関わることは確実だと思われます。東芝はWHに原子炉のタービンを輸出します。
ライバルのように見られる日本と韓国も、ビジネスのために手を結ぶでしょう。原発を推進したい勢力は経済界だけでなく、核兵器をもつ軍部であり、世界に原発輸出をしようとしている国々は、それが経済発展や国民のためだという言い方で、とてつもない武器を輸出することになるのです。その大きな国際的な勢力に私たち民衆、市民が国籍と民族を超え立ち向かうという構図が今年はさらに明確になることでしょう
2.日本の動向
①今年、「在日」は韓国国政選挙に初めて参加します
今年、韓国籍の「在日」は初めて韓国の国政選挙に参加することになります。海外の韓国人が韓国内の選挙に参加するということは、韓国の世界における立場の誇示と見られますが、同時に私たちが脱原発の意思を明確にしていく機会であることは間違いありません。「在日」の中でも韓国籍とそうでない者との分離がはっきりと分けられ、そのことの是非をめぐって意見の違いがあるでしょう。
国家を背景にした既存組織がどのような対応をするのかわかりませんが、私たち「在日」が韓国の国策に明確に否を言える立場になるのですから、「在日」の脱原発の意思を明確に伝達していくすべを考えていきたいと思います。政治団体ではない、例えばキリスト教会を中心とした組織がどのような行動を起こすのか、その動向が注目されます。それに何よりも、ツイターやフェイスブックといったITの手段を手にすることになった「在日」民衆一人ひとりの動向こそが自分の意思を明確にできる初めての機会であり、韓国政府に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。
②在韓被爆者問題について
私は昨年、市場敦子さんという在韓被爆者の戦後補償問題に取り組んでいらっしゃる方のお話を伺い、自分の不明を恥じました。「在日」の立場から「歪められた歴史観」を質し、足元からその「「歪み」を糾す運動をしてきた上で脱原発の運動に関わりはじめた自分の視野の中に、在韓被爆者のことがまったく抜けていたことを私は正直に認めます。私に見えてきたことは植民地主義に対する闘いでありながら彼らの問題が見えなかったことは、植民地主義の問題を不十分にしか理解できていなかったからと思い至るようになりました。私が共同代表をしている「原発体制を問うキリスト者ネットワーク」(CNFE) http://wwwb.dcns.ne.jp/~yaginuma/ をはじめ、キリスト者の「戦争責任」「戦後責任」について真剣に取り組んで来られた方々とも早急に話し合いをもちたいと思います。
③植民地主義理解を深め協働の拡大を
韓国の憲法裁判所が「慰安婦」問題と一緒に在韓被爆者の問題に対しても、韓国政府の不作為は違憲だとした以上、彼らの年齢を考えるとこれがラストチャンスです。韓国政府はこれらの問題に対して日本政府に働きかけることは「義務」になったわけですからもはやそこから逃げることはできず、間違いなく日本政府に対する働きかけをせざるを得なくなります。残念ながら日本政府は「解決済み」一点ばりですが、日韓協定で両国の意見が違う場合の取り組み方が明記されている以上、日本政府は逃げることはできません。
日本のマスコミも一般市民、それに市民運動をしている人の中でもこのことが戦前の植民地支配問題の清算という点から論じられることは少ないようです。私は過去の清算ではなく、今、私達が自分たちの生き様をかけて取り組まなければならない課題を曖昧にさせないためにも、それらの過去の問題を現在の課題として取り組まなければいけないと強く思うようになりました。いろんな立場の相違がありますが、現在の様々な問題点を解釈する考えとして植民地主義理解を深め、出来る限り多くの運動体が一致して脱原発、そして在韓被爆者問題に関われるようになることを祈ります。
④危険なナショナリズムを基盤とした政治的な動き
日本の脱原発の動きは今後どのようになっていくのでしょうか。福島の事故にもかかわらず、これまでの安全神話の影響と現在の経済への影響を心配する「誤解」からか、まだまだ一般市民の脱原発への関心は高くありません。それは街頭署名活動をしながら痛切に感じます。
そのことは一般市民の脱原発に対する無関心という次元の問題でなく、自分の住む地域社会の災害対策の不備に対する無関心、ひいては地域住民として自分の意志を表明するはずの地方自治に対する失望からくるものではないかと推察されます。4年に1回、自分の支持する政党などへの投票行動をもって政治参加と言えるでしょうか。声高に「現状変革」を訴える石原東京都知事、河村名古屋市長、橋下大阪市長、彼らが受ける高い支持はこれまでの政治に対する市民の失望の表れではないでしょうか。彼らの「改革」はナショナリズムを基盤として、外国人排除を前提にしたものです。外国人排除は間違いなく、次に一般日本国籍の市民にも影響が及ぶものと思われます。
⑤国籍、民族を超え、協働して地域社会の変革を
自分と自分の家族の命を守るために、もはや政治家に政治を委ねることはできません。地域で災害が起こった場合、日本国籍者だけがその被害に遭うのでしょうか。災害は国籍や民族を選ばずすべての住民に襲いかかります。ここに国民国家の「幻想」を打ち破るはっきりとした現実が現れます。地域住民は国籍、民族を超え、協働して地域社会を変革していくしかありません。「在特会」をはじめ民族主義のイデオロギーはそのような「在日」を排斥しようとしてヘイト・スピーチを撒き散らすでしょう。そのような偏見による蛮行を許してはいけないのです。私たち「在日」は今年こそ、ヘイト・スピーチを許さない行動を進めます。
国籍、民族を超え協働して、内外の運動を進めるのが今年の課題です。みなさん、今年もよろしくお願いいたします。民衆一人ひとりの声が蔑ろにされないよう、みんなで力を合わせましょう。違いを乗り越えましょうね。
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