2009年12月17日木曜日

南高校跡地問題、一歩前進ー川崎区市議との懇談会の実現

昨日、川崎区の市会議員全員と委員会の後の時間を南高校問題で、地域住民、「活かそう会」のメンバー8名とで話し合う場が設定されました。

県立南高校の解体に反対し、「活かそう会」を結成して県の強引な解体作業に反対してきた住民に対して、解体の過程でアスベストが発見されたこともあり、住民と県側が双方で提訴する事態になり、県と市とも行政が「活かそう会」との対話を拒んできたのですが、その硬直した状況を打開すべく持たれたのが、昨日の懇談会でした。

その実現は、市会議員が自分の選出された区の問題でありなんとかしようという動きと、同時に、「活かそう会」内部でも建物がすべて解体された今、「対話」路線に舵を切ろうという動きがひとつになったものでした。行政側もその動きに関しては注目をしています。市議と住民との懇談会の実現と、今後の進展に行政が加わるようになれば、今後の跡地活用に関してその解決に向けた大きな一歩になると思われます。会の最後は、住民からの懇談会の継続と行政の参加を要請する発言で終わりました。

住民側は跡地活用に関する要望を訴える発言が多かったのですが、市議からは注目すべき二つの発言がありました。ひとつは、南高校の跡地は都市開発の一部であり、都市計画のゼロベースを求めることには無理があるというものでした。もうひとつは、跡地の活用という住民の要望が先鋭化され、都市計画の一部であるという市政の立場と対立することがないようにしたいというもので、いずれにしてもこれまでの対立はリセットしたいというものでした。

私は二人の市議の発言を前向きなものと捉えました。それは住民に対して自分たちの要望だけを行政に求めるのでなく、多くの問題を抱えた現実・課題を踏まえた上で、これまでの対立は水に流して話を勧めて行こうという呼びかけだと思います。

行政側も、住民との話し合いなしには都市計画を進めることはできません。一方住民側も、都市計画の全容を見ようとせず、南高校跡地だけを取り上げて、世界史上最悪の都市計画などという扇動的な情宣は控えるべきです。ここは住民側も広い視野と柔軟な姿勢をもって、まちづくりに参加すべきでしょう。

行政側の都市計画も頓挫しているばかりか、本当にそれが数十年先を目指したグランドデザインになっているのか自信がないのだと思われます。ここは双方本気になって腰を据え徹底的に話し合い、研究し合ってまちづくりの在り方を求める必要があります。そしてそれが住民自治の根幹です。その第一歩が始まりました。

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