2017年1月2日月曜日

『韓国「市民キャンドル革命」を知る連続講演会』のお知らせ


『韓国「市民キャンドル革命」を知る連続講演会』のお知らせ

よびかけ
2か月前には誰も予想しなかった、韓国の「市民キャンドル革命」が始まりました。歴史が動いたのです。
朴槿恵(パククネ)大統領の下野を求める老若男女が、しかも子供や赤ちゃんを連れた60万~100万の人々がソウル市の光化門広場で、全国では200万人が、大晦日まで10週間連続で集まりデモや集会をしています。民衆の運動の流れは、朴大統領の辞任要求にとどまらず、財閥中心の格差社会や、原発社会の放射能汚染による韓国を、根底から変革しようという動きになっています。
その数ヶ月前には、韓国の慶州市付近を震源とした震度5.8の地震が発生し、20169121944分から揺れつづけた慶州(キョンジュ)地震が起こり、全土的に大きな揺れになりました。今まで言われていた「大陸だから韓国には地震はない」という神話は、デモ直前に崩れていました。今、韓国では「パンドラ」という原発事故の恐怖を全面的に描いた映画が大ヒットしています。台湾は原発全廃の宣言をしましたが、韓国でも少数の自治体にとどまっている脱原発宣言を求める運動が確実に全国に広がっていくでしょう。
 しかし、「市民革命」を挫折させようとする「反動の兆し」も見え始めています。韓国の改革がどこまで進展するか、まだ先は見えていないのです。退陣を表明した朴槿恵大統領の「代理」ファンギョアン首相の、体制を維持しながらの見かけの「改革」なら旧体制は温存されます。

この韓国社会の変化は、日本社会に大小さまざまな形で大いに関係してくるでしょう。
欧米の報道と異なる日本のマスコミの政権寄りは顕著ですが、韓国報道のスタンスも歪んでいます。韓国の「市民キャンドル革命」を日本より遅れたもので民主主義の欠如や社会の遅れから起こる、との前提で報道しています。これは、現場をリアルに見ずアジアを遅れた国とみなすバイアスのかかった見方(日本は民主主義制度が確立され進んでおり、アジアは遅れているという観念に囚われた見方、敗戦後にも残存している「植民地主義」史観)と言えましょう。
韓国「市民革命」の日本への影響は色々ありますが、2つだけ例を示しましょう。
大状況としては、中国・北朝鮮を敵対視した新たな冷戦を画策する、日米同盟の強化です。安倍政権は、オバマ米大統領とハワイで日米の「和解」と「寛容」を演出しましたが、支配したアジアへの「謝罪」はなく、その直後稲田防衛大臣は靖国に参拝しています。安倍政権は「戦争法案」を通し、自衛隊を世界の何処にでも送ること、原発及び武器輸出をすることを公約しています。
また身近なところでは、天下分け目となる韓国の大統領選挙に在日の多数が選挙権を行使し、新たな時代を切り開く動きに主体的に参加しようとするでしょう。

日本の市民運動の現状を俯瞰すれば、戦争を志向する安倍政権に対する各地の闘いがありながら、また次期衆議院選挙を反安倍の大同団結で闘おうとする活動もありながらも、いまだに安倍政権の高支持率が伝えられています。安倍政権からチェンジできる「新しい政権像」が作られることを一般の国民に知らせる活動の改善は市民運動の急務だと思われます。
 日本の市民運動が韓国の民衆の動きをリアルに知って、自分たちの内在的な問題として捉えて学ぶ作業はこれからの課題になりますが、この講座がその一助になれば嬉しいことです。

軍事独裁政権を民衆の力で倒した韓国社会の底力は、紆余曲折を経ながら新たに平和的に爆発し、今も「市民革命」は続行中です。私たちは、韓国の「市民キャンドル革命」をリアルに受けとめ認識すること、そこから何を学ぶか、それが問われています。
この度、韓国「市民革命」の渦中から、忙しいなかを変革の声をあげる有力な講師を招へいすることができて、連続の講演会に大いなる希望が膨らみます。ぜひ、大勢に声を掛け合い、連続講座にご参加下さい。

シリーズ第一期5回
『韓国「市民キャンドル革命」を知る連続講演会』

金民雄(キム・ミヌン)教授、『韓国の「市民革命」はどこに行くのか』
講師プロフィール
韓国で徹底した市民革命を求めるオピニオン・リーダーの一人、金民雄(キム・ミヌン)教授の日本初講演です。
大学教授、言論人、放送人として分野を超えて活躍中で、専門は国際政治学・神学専攻。韓国の民主化を個人のグローバル化から主張し「徹底した市民革命を求めるキャンドル広場からのメッセージ」などSNSも発信する。
6歳まで日本で育ち、帰国後に韓国社会の差別を経験したことを根として思索、実践を進め、韓国の「市民革命」を鼓舞する。著作は『人間のための政治』『見えない植民地主義』など多数。最近のSNSには以下の文がある
【市民革命の次にたどる道】http://blogs.yahoo.co.jp/tocka_jikkoi/66360320.html
【キャンドル広場からのメッセージ】http://blogs.yahoo.co.jp/tocka_jikkoi/66360349.html
講演:韓国の「市民革命」はどこに行くのか
講師:金民雄(キム・ミヌン)教授
日時:1月15日(日)午後6時
場所:スペースたんぽぽ  (JR水道橋駅から徒歩5分)
東京都千代田区神田三崎町2-6-2ダイナミックビル4F
たんぽぽ舎TEL03-3238-9035 FAX 03-3238-0797 
参加費:800円、学生無料。
企画・責任者:ジャーナリスト・寺島しげひろ

李 泳采(イ・ヨンチェ)准教授、『韓国「市民革命」の歴史的背景と大統領選』
講師プロフィール
日本の民放テレビで韓国「市民革命」の状況をシャープに解説する恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)准教授。日韓・日朝関係が専門で日韓市民運動の連帯のために活躍する。
韓国のキャンドルデモについて日韓の視点から多くの講演会を実施し、画像も豊富で分かりやすいと定評がある。韓国の市民運動を日本に紹介する多数の著作があるが、最近、話題になった主な著作では、2015年の韓国4.13総選挙の結果から考察し、今の韓国「市民革命」を予測した「アングリーヤングボーターズ・韓国若者たちの戦略的選択」(2016年、梨の木舎)がある。
講演:韓国「市民革命」の歴史的背景と大統領選挙
講師:李 泳采(イ・ヨンチェ)准教授
日時:1月22日(日)午後6時
場所:スペースたんぽぽ  (JR水道橋駅から徒歩5分)
参加費:800円、学生無料。
企画・責任者:ジャーナリスト・寺島しげひろ

129日(日)講演会はありません。

真鍋教授、『韓国の「市民革命」を近代史の流れの中で捉え
講師プロフィール
東京大学・東洋文化研究所の真鍋祐子教授は、自身の自閉症と闘いながら(著作『自閉症者の魂
の軌跡ー東アジアの「余白」を生きる』に詳しい)韓国に留学し、現代の韓国民主化闘争の研究の
日本の第一人者です。
大邱では教鞭をとりながら巫女(ムダン)の研究もした、第1期の連続講座で唯一の日本人講師で
す。韓国「市民革命」を、韓国の近代史の流れの中でとらえることを主張し、その韓国時代の経験と
見識から、韓国の「市民革命」をどのように見るのか講演します。

講演:韓国の「市民革命」を近代史の流れの中で捉える
講師:真鍋裕子教授
日時:205日(日)午後6時~
場所:スペースたんぽぽ  (JR水道橋駅から徒歩5分)
参加費:800円、学生無料。
企画・責任者:ジャーナリスト・寺島しげひろ

李大洙(イデス)牧師、『毎週リポートで見えた市民運動と「キャンドル革命」
講師プロフィール
 日韓/韓日反核平和連帯の韓国事務局長として核廃絶をめざす市民による国際連帯運動を担っている。韓国で100万人以上とも言われる毎週のデモ、そのソウルの現場から毎週報告を続けるイデス牧師は、80年代の民主化闘争に学生として参加し投獄された経験を持つ。
 そして「日本で台湾、韓国のような数十万、百万規模のデモで社会変革を迫れない理由は何んでしょうか?」と、逆に日本人に問いかける。日本と韓国の間を数限りなく往来している李大洙(イデス)牧師が「市民キャンドル革命」の何に注目するのか期待が大きい。
講演:「キャンドル革命」と韓国の若者の状態
講師:李大洙(イデス)牧師
日時:212日(日)午後6時~
場所:スペースたんぽぽ  (JR水道橋駅から徒歩5分)
参加費:800円、学生無料。
企画・責任者:ジャーナリスト・寺島しげひろ

柳時京(ユ・シギョン)神父、『韓国から見た「市民革命」と在日』
講師プロフィール
 韓国ではクリスチャン含め大勢がデモに参加していますが、韓国聖公会の教務院長であり、日韓/韓日反核平和連帯・韓国代表として核廃絶をめざす柳時京(ユ・シギョン)神父が来日し講演します。立教大学でチャプレン(=教会以外の施設の聖職者)の時、尹東柱(ユン・ドンジュ)奨学金制度導入し詩人を愛する人たちの集いを持ち今に至る。常々、在日問題の重要性を主張され「歴史との戦い、銃声のない戦争の被害者のために」など講演活動も活発で、来日の講演が待たれます。
講演:韓国から見た「市民革命」と在日
講師:柳時京(ユ・シギョン)神父
日時:2月18日(土)午後6時。土曜日です、曜日にご注意ください。
場所:スペースたんぽぽ  (JR水道橋駅から徒歩5分)
加費:800円、学生無料。
企画・責任者:ジャーナリスト・寺島しげひろ




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