川崎でヘイトデモを中止させた画期的な市民の動きがありましたが、今後川崎ではどのような課題が残るのでしょうか。
市民の動きの背景には、ヘイトスピーチ対策法案の成立があり、市のヘイトデモへの公園使用不許可、裁判所の在日居住地への立ち入り禁止の仮処分などがありました。またヘイトデモに道路許可をしたものの、神奈川県警がカウンター側の座り込みを解散させずデモ主催者側に中止を説得するということが重なり、全体的にヘイトスピーチは許されないというコンセンサスができあがってきたと思われます。
問題はこれからどうするのかということです。
今日の朝日新聞は川崎版で小さく、川崎市長の消極的な姿勢を小さく報道しています。
「福田市長は市としては独自の禁止条例などを設けるのではなく、既存の条例の範囲でできることを検討していくと述べた」そうです。
添付した新聞記事にあるように、ヘイトスピーチの抑制を目的とする条例が大阪で施行されました。しかしそのような条例で抑制効果はあるのか、朝日は疑問視しています。ところが、川崎はそのレベルの条例でさえ設けないというのです。
しかし市民運動で提案すべき条例は、ヘイトスピーチにとどまらず、国会で結局合意できず制定できなかった、差別そのものを禁止していく世界水準の条例の制定であるはずです。
(a) 人種的優劣又は憎悪に基づく思想のあらゆる流布、人種差別の扇動、いかなる人種若しくは皮膚の色若しくは種族的出身を異にする人の集団に対するものであるかを問わず、すべての暴力行為又はその行為の扇動、及び人種主義に基づく活動に対する資金援助の提供も『法律で処罰すべき犯罪』であることを宣言すること」
(b) 人種差別を助長し及び扇動するその他のすべての宣言・活動を『違法である』として禁止するものとし、このような団体又は活動への参加が、『法律で処罰すべき犯罪』であることを認めること — 人種差別撤廃条約、第4条
そしてその過程において、外国籍公務員の差別を制度化している市の内部規定を撤廃させることです。採用して地方公務員になった在日の昇進を禁じ、職務の制限をすることは明白な差別です。しかし現市長は「それは差別でなく、区別」と言っています。市民運動はこの壁を乗り越えていかなければなりません。
公務員はすべて憲法、法律、条令の遵守を誓うのであり、外国籍公務員のみが政府見解にすぎない「当然の法理」に基づいて差別されることは、実は一般市民のあいだにある外国人への偏見、差別を温存し、増長することになるのです。「当然の法理」こそ、差別の象徴であり、それをまず川崎から撤廃させる必要があります。
参考資料
外国人への差別を考える 「共生」の内実を問う「外国人の差別を許すな! 川崎連絡会議」HP
http://homepage3.nifty.com/hrv/krk/
FBのコメント:川崎市の次の目標は、世界水準の「差別禁止条例」を制定することですね。今のままでは混乱は、今後も繰り返します。
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